王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

宮崎勤死刑囚の死刑執行

2008-06-18 09:58:18 | 社会
宮崎勤死刑囚の刑執行 確定から2年 4幼女誘拐、殺害(産経新聞) - goo ニュース

昨日朝昼前のTVを見ていると画面にテロップが流れた。又地震かと思ったら幼女4人を殺害した宮崎勤が死刑執行されたとの速報であった。

もう20年も前になるのですね。埼玉や都下周辺で起きたいやな事件でしたから覚えています。
彼の父親が(息子の犯行を苦にして)自殺してしまうなんて余波も残しました。

さて午後のTVでは鳩山法相が「私が厳正に調べ死刑執行命令を出した」ような事を話してました。
その後国民新党の亀井氏が「鳩山法相は死刑をどんどん執行して」見たいな批判をしてました。

宮崎については裁判中「精神鑑定が3通もでる」など「責任能力の有無」が争点となり死刑判決が確定するまで18年も掛かっていました。
それが死刑執行まで2年ですからいろいろな点で鳩山法相が非難されます。

その1:次々と13人も死刑を執行した。
別に鳩山氏を擁護する立場ではありませんが歴代法相の中には「個人的心情あるいは宗教感」を元に死刑執行命令を下さない人がいました。鳩山氏にしてみればそんな手続きの歪を一身に受けて居るのでしょう。
法律専門家の意見でも「死刑確定後6ヶ月以内に執行」と決まりがあるのだからと100名以上も死刑未執行囚がいる現状と法律の乖離を指摘し鳩山法相を責める色合いは薄く見えました。
序ながら爺が10年も前に中国北京に居た頃は「新聞で裁判所から出てすぐ近くの場所で拳銃で処刑される死刑囚の記事と写真」を何回か見ました。
死刑とは本来そんなものかも知れません。
その2:確定から執行まで平均8年なのに2年は早い。早い人遅い人混ぜて平均ですから何とも言えません。
その3:100名以上も死刑囚が居るのにその順序を決める過程が外から見えない。これは確かにそうですね。司法官僚の手の中にあって国民からは見えません。
この辺りが「鳩山法相がくじ引き?か何かで決めて」と悩んだところかもしれません。

爺が漠然と感じている事は「殺人を犯し事実認定に問題が無い場合、弁護側から責任能力の問題が持ち出され精神鑑定されます」
その結果「精神に何分の異常を来たしているとその度合いに応じて刑が減免されている様です」
これが近代法の「責任能力無いものは罰しない」との精神だそうです。
最近では「国民は国家のために奉仕するのでなく国家は国民のために奉仕する(生命財産を守る)」とすれば「殺人を犯したものが精神的問題で刑事責任を問えないとすれば、その精神的問題が解決すると思われる期間はある規制の下で治療、観察、監視など」を行わないと「何の罪も無い人々が命を失ったり重篤な怪我を負わされたりします」

病気が強い伝染性を持っていれば患者は直るまで隔離されます。それを不条理とは言いません。
又すべての製品や商品が品質を厳重に管理され流通しています。
人と物が違うと言う事であればすべての生物は「淘汰」を通して生命継承しています。
気をつけて発言しなければいけないのですが「人間だけが《淘汰》を受けないで回りに居る仲間の命や財産を損なう者を放置しておいて良いのでしょうか」
死刑が最適の方法かどうかは議論がありますが「不完全品を淘汰する自浄能力がないと生命の継承は困難になります」
健全な国家は国民の生命財産を守らねばいけません。
お願いします。


産経新聞:
埼玉県と東京都で昭和63年から平成元年にかけて4人の幼女が殺害された「幼女連続誘拐殺人事件」で誘拐、殺人罪などに問われた宮崎勤死刑囚(45)=東京拘置所=の死刑が17日、執行された。遺骨や犯行声明を遺族や報道機関に送りつけるなどの手口で社会を震撼(しんかん)させた宮崎死刑囚。平成18年の死刑確定からわずか2年での死刑執行となった。

 法務省が17日、風俗店経営者ら2人を殺害した陸田真志(37)=東京拘置所=、主婦ら2人を殺害した山崎義雄(73)=大阪拘置所=の2死刑囚の執行とあわせて発表した。死刑執行は4月10日に4人に対して行われて以来。鳩山邦夫法相になってからは4回目で今回を含め計13人が執行された。


 確定判決によると、宮崎死刑囚は昭和63年8月22日、埼玉県入間市で4歳女児を乗用車に誘い入れ、東京都五日市町(現あきる野市)の山林に連れ去って首を絞め殺害。翌年2月に自宅裏庭で女児の骨などを砕いて焼いた。


 昭和63年10月3日には、埼玉県飯能市で7歳女児を車に誘い入れ、五日市町の山林で首を絞めて殺害。同年12月9日には、埼玉県川越市で4歳女児を車に誘い入れた上、車の中で首を絞めて殺害し、山林に遺体を捨てた。平成元年6月6日にも東京都江東区で5歳女児を同様の手口で連れ去って殺害し、その後、自宅で女児の遺体を切断し、霊園などに捨てた。


 犯行後、幼女の遺骨や「今田勇子」名の犯行声明を遺族や報道機関に送りつけるなどした。さらに、遺体の一部を口にしたり幼女に対する性愛など宮崎死刑囚の特異な人物像が、事件当時大きな注目を集めた。


 公判では、宮崎死刑囚の犯行時の精神状態が争点となった。精神鑑定が実施された1審東京地裁の公判では、(1)「人格障害」があっただけで精神障害はなく責任能力はある(2)「統合失調症」だが刑事責任を免れる部分は少ない(3)「多重人格」で完全な責任能力はない-とする3通りの鑑定書が出された。


 1審は「人格障害」とする鑑定を採用した上で、死刑判決。2審東京高裁も1審同様の責任能力を認める判断をした。上告審で、弁護側は統合失調症の可能性があると指摘。死刑判決を破棄して高裁への差し戻しを求めたが、最高裁は「記録を調査しても、被告に責任能力があるとした1、2審判決の認定は正当として是認することができる」と責任能力を追認し、上告を棄却した。


                   ◇


 鳩山邦夫法相の話「いずれも言語を絶する残忍で、遺族には無念この上ない事件。慎重にも慎重な検討を加え、数日前に執行を命令した」


                   ◇


 宮崎死刑囚の弁護人、田鎖麻衣子弁護士の話「再審請求を準備し、(宮崎死刑囚が)精神科治療を受けている状況にあるという事実を明記し、死刑の執行を行わないよう、鳩山邦夫法相に要請していた。こうした事情を熟知したうえで行われた今回の死刑の執行に対して強く抗議する」(引用終わり)
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする