王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

「怪鳥艇」雑感

2008-06-02 08:46:51 | 本を読む
先月末は「自衛隊機が四川大地震用のテントや毛布を自衛隊機が運ぶ運ばない」と情報が二転三転していました。結局自衛隊機の運用はなくなった様ですね。
各国の軍用機は成都まで飛来してるのに「日本軍機は駄目」とは中国軍部に影響のある老幹部の強い意向を胡錦濤政権が説得出来なかった様です。

さて台湾の輸送機が成都に飛ぶと提案したら中国はどう答えるかなーんて考えていたらふと思い出しました。

深田裕介著「怪鳥艇」という本の話です。
元は週刊新潮に平成10年の暮れから同11年暮れまで連載された「冒険活劇政治小説」ですが新潮社から上下二巻の単行本になっています。

話はソ連が冷戦時代に開発した水上滑走機の後継機でアレクセーエフという天才が設計した「オルリョーノク(鷲の子)」と呼ばれる巨人機:高度5メートルー13メートルを時速600キロ以上で飛んで、500人から900人の人間を運ぶと言う代物。
この性能に気がついた中国国防部長遅浩田が「台湾侵攻の為、是非とも設計図を奪取せよ」との事で中国人対南北朝鮮、日本、台湾、インド、ロシア人の特殊工作員や軍の人間が複雑に絡み話は展開する。
時代はマカオ返還なんて話が入れてあるから99年頃の仕立てになっている。

さて中国の敵はインド 敵の敵は味方という事でインド空軍に身柄を引き取られた北の工作員柳英姫と恋人で後の夫になる西山哲夫はいろいろ知る。
インドの地形は逆三角形なのは知るところだが(正面から見て右肩)北東はネパール(西)とブータン(東)に挟まれた狭いダージリン(紅茶の名前で知るところ)地方があってそこから東に太い腕が伸びバングラデシュという国をサッカーボールの様に抱える手の東側がなんとミャンマーに接しているではないか。
この前腕に当たる中に「インパール」もある。

中国がチベットを占領した事でインドは中国と国境を接した事になりダージリン近くに軍用機地を抱え偵察活動のために中国人に外見の近いアジア系外人部隊を抱えている。
中インド双方で限定違法行為を繰り返す中で西山哲夫の母方の大叔母が台湾の防衛のために残した「怪鳥艇」の設計図はエンジンを機首に8発も装備した「八目鰻」と称される最新型の物だとわかりさらにその現物数機は「真空パック」にしてカスピ海に置いてある事までわかる。

ここから先は想像の通り、中国側と台湾側の「オルリョーノク」の争奪戦となる。
台湾側の奮闘及ばず「オルリョーノク」は中国の手に落ちる。
可哀想な台湾は中国の進行作戦に破れ統一されてしまうのでしょうか?

いえいえ思いがけない展開が待っています。古い話でも書かないのが礼儀でしょう。暇な方はご自分で読んでください、


写真:怪鳥艇初期モデル (鳥取大の怪鳥艇研究グループHPから)
コメント
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