すべては、ほんの偶然から始まった。それは僕にとって、予測もしない唐突な質問だったのです。
その人とジム室で一度も会ったこともないのに、なぜ私がジム室でマシンを使ってトレーニングを行っているのを知っているんだろうと不思議に思った。
初めて会話したのが「何処を重点に鍛えておられるのですか?」と聞かれ、私は咄嗟に出た言葉が「上半身を鍛え、車いす操作が上手くできるように」とそう応えたのです。
今思えば、なぜ車いす操作なのか分からず、自分でも予想外の答えだった気がします。
実は、私の場合は、初動負荷トレーニングに興味があり、あまり負荷をかけずに軽いウエイトで回数を重ねるトレーニングに重点をおき行うようにしていて、柔軟な筋力と持久力の強化に心掛けて取り組んでいたからです。
今まで松葉杖1本でパラスポーツを頑張って来ただけに、まさか車いすが出て来るとは想像もしなかったとは言え、私の潜在意識の中に芽生えていたのかもしれませんね。
それを気付かせてくれたのが、あなたの突然の質問だったと言うワケです。