物臭狸の『花日記』

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ヤブツルアズキ ~小豆の原種~

2018-09-12 06:00:00 | マメ科
ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)
<学名:Vigna angularis (Willd.) Ohwi et H.Ohashi
      var. nipponensis (Ohwi) Ohwi et H.Ohashi>

マメ科 ササゲ属 蔓性1年草





本州、四国、九州に分布し、原野の草地に生育する。
茎は長さ3m以上になり、つるになって他の草などにからみつく。
全草に黄褐色の開出する粗い長毛が生える。

撮影日 2018.09.01: 群馬県
葉は3小葉からなる。

葉は互生し長い葉柄のある3出複葉、頂小葉は側小葉より大きい。
小葉は狭卵形から卵形で、長さ3-10cm、幅2-8cm、縁は全縁か
浅く3裂するものもある。先端は急に鋭くとがり、基部は鈍形で
短い葉柄があり基部に小托葉がある。葉の両面には黄褐色の
長毛が生える。

花期は8~10月。葉腋から出る短い総状花序に2~10個花が
固まってつき、花序の節が肥厚する。花の基部に萼に接して
2個の小苞がある。小苞はボート形、有毛で先が尖り、
萼の長さの約2倍長。萼は4裂する。小苞葉は萼より長い。
花は黄色で、長さ幅ともに15-18mmになる。

マメ科に限らずほとんどの花は、放射相称花か左右相称花に分類され、
対称軸があります。しかし、アズキの花には対称軸が無く、非相称花に
分類されます。


ヤブツルアズキの花は、マメ科の特徴である旗弁・翼弁・竜骨弁から
構成されていますが、その形態が他のマメ科植物と異なっています。
旗弁は左右非相称で、2個が合着して筒状になった竜骨弁は
クルリとねじれ、左側の翼弁がかぶさっている。
右側の翼弁は竜骨弁を抱くように突き出る。
雄蕊10個と雌蕊1個は竜骨弁の中にあり、同様に曲がる。
竜骨弁と花柱の先端は嘴(くちばし)状に伸長する。
竜骨弁が反時計方向に大きくねじれ上がり、翼弁がからみついています。

果実は線形の豆果で垂れ下がり無毛、長さ4-9cm、幅約4mmになり、
6-14個の種子を入れ、緑色から黒緑褐色に熟し捻じれて裂開する。

種子は短円柱形または長楕円形で、長さ3-5.5mm、幅2-4mm、
厚さ2-3.5mmになり、アズキより小さい。色は褐色から暗紫褐色で、
へそは線形で仮種皮は細く、盛り上がらない。
縄文時代にこの ヤブツルアズキと、ダイズの原種であるツルマメが食用にされていた事が分かっています。ヤブツルアズキはアズキの野生化したものか、アズキがヤブツルアズキを品種改良したものといわれている。


ヤブツルアズキは、"藪蔓小豆"の意で、栽培種のアズキは茎が直立し、
つる性にならないのに対し、ヤブツルアズキは野生種、すなわち
「藪に生える蔓性の小豆」、「藪蔓小豆」を意味する。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
No title (笑み)
2018-09-12 08:57:00
もしかしたら見たことがあるかも。
でも最近ではなく遠い日に。
花のアップは綺麗ですね。
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No title (ブランちゃん)
2018-09-13 10:45:00
小豆と関係有りですか~~??

中身が見てみたいですね^^
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