ヒキヨモギ(引蓬)
<学名:Siphonostegia chinensis Benth. ex Hook. et Arn.>
ハマウツボ科 ヒキヨモギ属 半寄生1年草
《旧来の分類体系ではゴマノハグサ科でしたが
新しいAPG-Ⅲ分類体系では ハマウツボ科になりました。》
撮影日 2020.08.08: 群馬県
北海道から沖縄県まで、全国の日当たりのよい草地、田畑、山地、低山、 原野などに生え、
高さ30~60㎝になる半寄生の1年草。
茎はほぼ直立し、 上部でやや枝分かれし、深くさけた葉を対生する。乾くと黒色になり、
黄褐色の毛が密生する。
枝は稜があり、密に軟毛がある。
葉は無柄又は短柄。葉身は広卵形、長さ0.8~5.5㎝、
幅0.4~6㎝、軟毛が密にあり、
2回羽状全裂、羽片は3対ほどの広線形の 裂片に裂け、下方の裂片は さらに少数の裂片に
裂けます。小羽片は1~3個、線形~線状披針形、幅1~2㎜、全縁。
半寄生とは、葉緑体を持ち自分でも光合成を行なうが、 根の一部を他の植物の根に
食い込ませて養分を奪うという性質も併せ持つ生活形態
ヒキヨモギはイネ科やカヤツリグサ科の植物と根を連結させ、養分を 横取りする半寄生の
1年草なんです。
花期7~9月。葉の脇に鮮やかな黄色い花を付ける。
萼は細い筒状で深い10本の溝条線があり、長さ1~1.5㎝、 5つに裂け、放射状に広がり、
裂片は卵状長楕円形で外面には密に 長軟毛がある。
花冠は明るい黄色で 長さ約2.8cmの唇形。上唇は黄色で内側の縁が 赤紫色、左右対称です。
下唇は3裂し、中央裂片に大きく縦に走る 2個の隆起がある。
下唇には短い毛が生えていますが、内側にはあまり毛がありません。
4個の雄しべは上唇の中にあり、4個、2個が長い2強雄しべ。 雌しべは1個、柱頭が長く伸びて
上唇から突き出る。
子房は細長い卵形、長さ約4㎜、幅約5㎜。蒴果は卵状長楕円形、長さ約1.5㎝微突頭形。 種子は黒色、長さ約0.8㎜。
名前の由来は、葉がヨモギ(蓬)に似て、茎を折ると糸を引く(ヒキ(引)) ことから名付けられた
ともいわれるがはっきりしない。
環境省としての指定はないが多くの県で絶滅危惧種の指定をされています。
群馬県では 絶滅危惧IA に指定されている。 ⇒◎
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