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物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ヤマジノホトトギス

2018-09-22 07:00:00 | ユリ科
ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)
<学名:Tricyrtis affinis Makino>
ユリ科 ホトトギス属 多年草







北海道西南部~九州の山野の林内に生える。日本固有種
草原や谷筋の樹林下などに生育する。
茎は直立し、多少屈曲して高さは30~60cmになり、
斜め下向きの毛が生える。

撮影日 2018.09.16: 群馬県
葉は互生、葉身は卵状長楕円形または狭長楕円形で
長さ8-18cm、先端は急にとがり、基部は茎を抱く。
葉の縁は多くは波打ち、縁毛があり、
葉の両面とも粗い毛が散生し、基部ちかくの葉には、
緑色地に濃緑色の斑状の模様がある。


花期は8~10月。茎先と葉腋に1-2個をつける。
花柄に毛が多い。
花被片は6個あり、上部が平開するが
反りかえることはなく、白色で内面に紫色の斑点があり、
下部に黄色の斑点がない。3個の内花被片と3個の外花被片は
同長で約2cm、外花被片の方が幅が広く、外花被片の基部に
袋状のふくらみがあり、花被片の外側に細毛が生える。


雄蕊は6個で、花糸は互いに寄り添って立ち、
上部で反り返って先端に葯を外向きつける。
花糸に紫色の斑点がない。花柱の先は3つに分かれ、
各枝の先はさらに2裂し、粒状の毛があり紫色の斑点がある。





果実は果で3稜があり、裂開する。



花被片の斑点を鳥の杜鵑の胸にある斑点になぞらえて
ホトトギスと呼ばれ、ヤマジノは山路でよく見かける
ことからつけられた。





参考までに

よく似たヤマホトトギス(Tricyrtis macropoda )は、茎先や上部の葉腋に散房花序をつけ、花被片が強く反りかえり、花糸にも紫色の斑点がある。
また、セトウチホトトギス(Tricyrtis setouchiensis )は、花被片の開き方はヤマジノホトトギスと同じだが、花被片の下部に黄色の斑点があり、花糸に紫色の斑点がある。



 ヤマホトトギス        ヤマジノホトトギス

  ・花被片が強く反り返る。         ・花被片が平開し、反り返ることはない。
  ・花糸の下部に紫斑点がある。   ・花糸の下部に紫斑点がない 。
  ・散房花序につく。                  ・花は葉腋に1~2個つく。
  ・茎には下向きの毛があるか      ・ 茎には下向きの毛が密生する。
    ほとんどない。






ヤマホトトギス

2018-09-05 12:00:00 | ユリ科
解説記事  

ヤマホトトギス(山杜鵑草)
<学名:Tricyrtis macropoda Miq.>
ユリ科 ホトトギス属 多年草









2018.08.26: 群馬県
先週 蕾が膨らんでいたので期待して見に行ったのですが・・・
もうすっかり終わっちゃっていました。
何とか残っていた1花を撮ってきました。

撮影日 2018.09.01: 群馬県






よく似たヤマジノホトトギスとの識別は ⇒ 






ウバユリ ~2018~

2018-07-30 06:00:00 | ユリ科
ウバユリ(姥百合)
<学名:Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino>
ユリ科 ウバユリ属 多年草


関東地方以西から四国・九州の藪の中や山地の森林に
多く自生する。
ユリに似た花をつけるが、葉が大きく異なります。
葉は長い柄があり、ハート形のような卵状心形で
輪生状に5-6枚つける。
長さ15-25cmで、網状の脈がある。

撮影日 2018.07.22: 群馬県-榛名山からの帰り道

地下には、葉柄の下部がふくらんだ鱗茎(球根)をもつ。
花をつける頃になると元の鱗茎は無くなり、新しい
鱗茎ができる。
若い苗は根出葉だけだが、鱗茎が大きくなると、直立する
高さ50-100cmの茎が伸びる。茎は中空で無毛。

花期は7~8月、花は緑白色で、茎の上部の総状花序に
横向きに花をつける。内部には褐色の斑点がある。
長さ12-17cmの細長い花びらがやや不規則に並ぶ。

百合の仲間のようにパッと開かきません。
百合は放射相称の花ですが、姥百合は左右相称(対称軸が1つしかなく、
左右に相称な花)のようです。


一秋の地元で咲いていたウバユリです。

撮影日 2018.07.29: 群馬県 - 一秋の地元



若芽は山菜として利用可・・・食べられます。

ウバユリの特徴は1回繁殖型の植物といわれ何年かは
葉だけ茂り、花が咲くと枯れてしまうのです。
もちろん種で増えますが球根植物で親球が枯れても小さい
子球が出来ていて増えます。

より大型で花数の多いタイプがありオオウバユリとして
分けられています。(分けない見解もあります。)



ウバユリの名は
花が満開になる頃には葉が枯れてくる事が多いため、
歯(葉)のない「姥」にたとえて名づけられた。  
・・・といわれるが葉が残ったものも多いです。





クルマユリ

2018-07-18 08:00:00 | ユリ科
クルマユリ(車百合)
<学名:Lilium medeoloides A.Gray>
ユリ科 ユリ属 多年草



北海道や本州の中部以北と大台ヶ原山と四国の剣山の
高山帯から亜高山帯の草原に分布している。
直径約2cmの白色球形の鱗茎があり、茎の高さは30~100 cm。
葉が茎の中央部で6-15枚輪生し、その上部に3-4枚まばらにつく。

撮影日 2018.07.15: 長野県
栽培目的の採集、シカによる食害などが要因で
減少傾向の地域があります。
ここは崖の途中でどちらの被害に遭いませんが土が少ない
ためか小さかったです。

花期は7-8月、茎先に赤橙色をした花を1輪ないし数輪、
横向きないし斜め下向きにつける。

花の大きさは5-6 cm、6枚の花被片はオレンジ色で、
先が強く反り返り、濃紅色の斑点がある。花粉は赤褐色。




和名は、茎に輪生する葉を車輪にたとえたもの。

オニユリやコオニユリと良く似るが、クルマユリは葉が車輪のように付き、花の反り返りが、花弁が後ろ手出で触れ合うほど強いのが特徴。




ノビル

2018-07-06 05:00:00 | ユリ科

しばらくぶりでノビルの花を写しました。


ノビル(野蒜)
<学名:Allium macrostemon Bunge>
ヒガンバナ科 ネギ属 多年草
(以前のエングラー体系ではユリ科)




北海道から沖縄までの人里近く、畑地周辺や土手などの
丈の低い草が生えているところによく自生している。
古い時代に作物と共に日本へ入ってきた、いわゆる史前帰化植物
ではないかとも言われるが、はっきりしたことはわからない。
地下の小さなタマネギのような球根(鱗茎)から、地上に
20~ 30cmの線形で細い葉数本を伸ばす。
雑草にまぎれて花茎が伸びてきてはじめて気がつくことが多いが、
葉の表面に白く粉を噴くので慣れると見つけやすい。

撮影日 2018.01.00: 群馬県
ムカゴが付いています。
まっすぐ立ち上がる花茎は60cmに達し、先端に一つの
花序(散形花序)をつける。花は長さ数mmの楕円形の
花被片が6枚、小さいチューリップのように集まったもので、
白または薄紫を帯びる。花柄はやや長い。
花は開花するが、種子ができることはごくまれである。
小っちゃいながらなかなか綺麗な花ですね。

代わりに花序には開花後ないしは開花前から小さな
球根のような珠芽(むかご)を着生し、それを散布して増える。
珠芽は紫褐色で固く密生する。
たくさん集まると表面に突起の出たボールのようになる。
むかごの着生が遅れれば通常の花序となるが、
開花前からむかごの肥大が始まり、開花がほとんど
認められないことがある。これは小型個体より大型個体で
はげしい傾向がある。






別名や地方名に「ねんびろ、ねんぶり、ののひろ、のびろ、ねびる」
などがある。
野に生え、生のネギのようにひりひりと辛いところから、ひる"蒜" の
名が付いた。



葉と、地下にできる球根が食用となる。
鱗茎は地下5~10cmにできるため、掘り起こさなければならない。
積極的に栽培されることは少ないが、野草として食用にされ、
タマネギに似た香りと辛味があり、鮮烈な香味を持つ。