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物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ミヤマエンレイソウ ~2018~②

2018-05-30 12:00:00 | ユリ科
ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)
<学名:Trillium tschonoskii Maxim.>
ユリ科  エンレイソウ属  多年草







全国の山林の樹陰などに生える多年草。太く短い根茎から、
高さ20-40cmの茎が1本伸び、その先端に3枚の葉を輪生する。

撮影日 2018.5.27: 長野県
葉は丸みを帯びたひし形、直径は10-20cm程度で葉柄を持たず、
茎から直接生ずる。

4~6月、葉の中心から短い花柄を出し、直径3~4㎝の花を
1個つける。

外花被片3個で緑色の披針形、先は尖る。
内花被片3個、白く外花被片より幅が広く長い。
6本の雄蕊をもち、花糸は平たく、葯(やく)は花糸より長い。
花柱の先は3つに分かれる。




別名、シロバナエンレイソウ(白花延齢草)とも呼ばれる。
古くは食あたりの薬草として用いたことから、エンレイソウ(延齢草)
の名があり、深山に生える白花から、シロバナエンレイソウ
(白花延齢草)やミヤマエンレイソウ(深山延齢草)の名がある。
中国では根茎を乾燥させ煎じ、高血圧・神経衰弱などに用いられ、
果実には甘みがあり滋養にはそのまま食べるとよいとされています。





内花被片が淡紫色を帯びるものもあり、ムラサキエンレイソウ
と呼ばれる。


ムラサキエンレイソウ(紫延齢草)
<学名:Trillium tschonoskii Maxim. f. violaceum Makino>


シロバナエンレイソウの花色変わりの品種になります。




ミヤマエンレイソウ

2018-04-13 20:00:00 | ユリ科
ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)
<学名:Trillium tschonoskii Maxim.>
ユリ科  エンレイソウ属  多年草







山林の樹陰に生える多年草。
高さ20-40cmの茎が1本伸び、先端に菱円形(丸みを帯びた菱形)
長さ6~15㎝の3枚の葉を輪生する。
4~6月、葉の中心から短い花柄を出し、直径3~4㎝の花を
1個つける。

撮影日 2018.04.7: 群馬県
名前は、エンレイソウに似ており、深山に生えることによる。

シロバナエンレイソウ(白花延齢草)の別名がある。








このところ色々と忙しかったりでなかなか更新できません。



皆さんの所へもうかがえずご無沙汰ばかりで失礼しております。









カタクリ ~2018~

2018-03-28 08:00:00 | ユリ科
     カタクリ



カタクリ(片栗)
<学名:Erythronium japonicum Decne.>
ユリ科 カタクリ属 多年草





スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれ早春に開花し
春を告げる植物です。

撮影日 2018.3.25: 群馬県
北海道、本州、四国、九州の平地~山地の落葉広葉樹林の林床に
広く分布し、群生していることが多い。

通常2枚の葉があり、通常暗紫色の模様がある。

早春(花期は3-4月)10cm程の花茎を伸ばし、薄紫色の花を先端に
一つ下向きに咲かせる。

日中花に陽が当たると、花被片が開き反り返る。
日差しがない日は終日花が閉じたままとなる。

種子にはアリが好むエライオソームという物質が付いており、
アリによって生育地を広げている。
(スミレと同じですね。)

白花やピンク色の花が見られました。








アマナ ~2018~ (3/25:更新)

2018-03-22 12:37:05 | ユリ科
スミレの観察に出かけました。
途中で
・・・ この辺りにはアマナがあったと思い出して探してみました。

ありました。
が、・・・


撮影日 2018.03.18: 群馬県

開いていません。まだ朝早く日が当たっていないため
開いていませんでした。


アマナには 晴れた日には花がよく開くが、曇りの日には閉じてしまう。
陽が陰ってくると閉じてしまうという性質のある花なんです。

アマナの観察は晴れの日の日中、昼前後がいいのです。
帰りにまた寄ってみようと考えスミレ探しにいそしんできました。



で、帰りには・・・
開いていました。

アマナはスプリング・エフェメラルとして人気の花ですが、
だんだん数が減ってきている植物です。
今年も出会うことができました。
(以下、写真は今年のものですが解説は以前記事にしたものと同じです。)


アマナ(甘菜)
<Amana edulis (Miq.) Honda >
ユリ科 アマナ属 多年草


春早く咲く花のひとつ。
~ 新春に葉を伸ばし、花を咲かせ、葉は夏頃まで残る
  いわゆるスプリング・エフェメラルと呼ばれる植物。 ~

福島県以西~九州、奄美大島に分布し、
日当たりの草地に生える。やや湿ったところに多い。

背丈の高い草地には生えないため、春先に草刈りやなどの行われるような、
里山的環境に見られることが多い。
水田の畦や河川の堤防などに生育地が多かったが、現在ではそのような
環境は大きく変化しており、見られる場所は少なくなっている。
鱗茎は卵形、地中深くにあり、 高さ2.5~5cm、外側に黒っぽい皮がある。
(10cm位の深さに埋もれており、しかもそれに繋がる茎が細いので、
掘り出そうとしても切ってしまうことが多い)
根出葉は2個、ほぼ同じ大きさのものが向かい合う。
葉鞘は地中に埋まる。線形で長さ10-25cm、幅は5-10mm、
中央がくぼんでUの字になっている。色は緑色で裏面は少し紫がかり、
全体に白い粉を吹いたような感じに見える。

花期は3~5月
葉の間から15cm程の花茎を立て、その先端に白い花を一つだけ
つける。(普通は1茎1花であるが、時に2~3花をつける。)
花の少し下には一対の苞があり、小さな葉状で緑色をしている。
花は日が照ると開く。(陽が陰ってくると閉じる。)

花被は六個、長さ20-25mm、披針形で先端がやや尖り、
白で背面には紫の筋が入る。上向きかやや斜めに咲く。
雄蘂は6本で花被片の半長、葯は黄色い。

アマナはチューリップに近い仲間です。
(花の見かけはごく小さなチューリップそのものという感じ。
以前はTulipa edulisとしてチューリップ属に入れられていました。)

チューリップとの違いは花柄に1対の苞が付いていること。
チューリップの花柄には苞は付いていません。


名前は球根が甘く食用できることから付けられた。
別名ムギクワイと呼ばれます。
これは球根の形をクワイになぞらえたものです。

アマナの仲間(アマナ属)の中でアマナに良く似たヒロハノアマナという
環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)に指定されている種があります。
だいぶ前に撮った写真ですが参考に紹介しておきます。
比較してみてください。



参考 ヒロハノアマナ

ヒロハノアマナ(広葉の甘菜)
<Amana erythronioides (Baker) D.Y.Tan et D.Y.Hong >
ユリ科 アマナ属 多年草

撮影日 2008.03.23: 埼玉
本州の関東地方から近畿地方、四国に分布し、草地や疎林の下に生育する。地下の鱗茎は長さ3~4㎝(2~4㎝)の卵形。葉は根出葉で2個あり、線形で長さ10-15cm、幅が10-20mmと広く、中央に白線がある。花期は3-5月。花茎は高さ10-15cmになり、先に1個の白色の花をつける。花被片は6個、雄蕊は6個。花茎に3個の苞があり、アマナと区別することができる。苞は花茎に常に3個が輪生(3~4個まれに2個)。



カイコバイモ  archive

2018-01-18 18:00:00 | ユリ科

カイコバイモ(甲斐小貝母)
<学名:Fritillaria kaiensis Naruh.>
ユリ科 バイモ属 多年草









名前の通り、甲斐の国(山梨県) を中心とした場所
(山梨県 静岡県 東京都の一部)に自生している。
非常に限られた狭い範囲であり絶滅危惧種に指定されています。
   環境省カテゴリ: 絶滅危惧ⅠB類(EN)
山地の林内や林縁に生え草丈は高さ10~15cm程度の多年草。


撮影日 2008.03.23: 静岡県

花は釣鐘形で花被片の外面の突起が無く、
丸い感じのコバイモである。
花被片の長さ1.2~1.5cm、淡紫褐色で網目状の斑紋がある。
内面基部に黄色い斑紋があるのが特徴。



よく似たミノコバイモには花被片の外側に突起があり、
この点でも見分けることが出来る。

内花被片の縁に、時に小さなギザギザが出ることがあるが、
コシノコバイモのようにハッキリした小突起ではない。
コシノコバイモのような、ふちにギザギザとした突起が無く
全縁で上品な感じである。




名前は甲斐の国(山梨県)のコバイモとのことで付けられた



1979年、富山大学の鳴橋直弘氏の研究によって
今までコバイモとして一括されていたものが、
いくつかの種として発表されました。
コバイモの類は分布が非常に偏っている。
種類によって生えている場所が限られている。



コバイモの類は葯の色が同定の重要な決め手となるので、
花の中を確認することも必要です。

カイコバイモの葯は白いです。