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John Keats, ("When I have fears that I may cease to be")

ジョン・キーツ
(「……もう死ぬんじゃないか、ってこわくなるんだ」)

……もう死ぬんじゃないか、ってこわくなるんだ、
頭のなかをペンで落穂拾いする前に、
まるで穀物でいっぱいの納屋みたいに
山積みの本がぼくの書いた字でいっぱいになる前に、ね。
……見えるんだ、星でいっぱいの夜空の顔に、
すばらしい騎士物語が、雲のようにぼやけた字で大きく書かれてるのが。
そして偶然なにかの魔法で、生きてるうちにそれを
なぞって書き写す、なんてことはもうできないのかな、とか思うんだ。
……それから、ね、思い知らされるんだ、一時間だけの恋人の
君のかわいい顔を見つめることももうできなくなる、
何も考えないでただ愛しあう、なんておとぎ話に浸ることも
もうできなくなる、なんて、ね。--そんなとき、頭のなかで、この広い世界の
いちばん端にひとりで立ちつくすんだ。そうすると、いろいろ考えてるうちに、
愛も名声も、みんな無の闇に沈んでいくんだ。

* * *
John Keats
("When I have fears that I may cease to be")

When I have fears that I may cease to be
Before my pen has glean’d my teeming brain,
Before high piled Books in charactery,
Hold like rich garners the full ripen’d grain―
When I behold, upon the night’s starr’d face,
Huge cloudy symbols of a high romance,
And think that I may never live to trace
Their shadows, with the magic hand of chance;
And when I feel, fair creature of an hour,
That I shall never look upon thee more,
Never have relish in the faery power
Of unreflecting Love;―then on the shore
Of the wide world I stand alone, and think
Till Love and Fame to nothingness do sink.

* * *
結核発症のだいぶ前、1818年1月の作品。

「一時間だけ・・・・・・」、というのは、
そのあいだだけお金で買ってて、ということ。
その女性に対して死を恐れる気持ちを語っている、
という設定。

* * *
英語テクストはLetters of John Keats to His Family
and Friends by John Keatsより。

http://www.gutenberg.org/files/35698/35698-h/35698-h.htm

* * *
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