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Rossetti, CG, "Confluents"

クリスティーナ・ロセッティ(1830-1894)
「合流」

川は海を求めて進む、
自分よりずっと深い海を。
そのようにわたしの心は君を求めて進む、
遠くまで。
流れる川は悲しい声をあげる、
ひとりで流れながら。
そのようにわたしも悲しい声をあげる、
ひとり残されて。

か弱く美しいバラは、
やさしく強い太陽に、
みずからを開く、
横に、縦に。
そのようにわたしの心も、君に向かって開く、
何ひとつ隠さず。
君に対して、
何も隠さず。

朝露は蒸発する、
太陽に向かって、汚れなく、何にも邪魔されず。
そのようにわたしの心も消える、
君を追って。
朝露は跡を残さない、
緑の大地の顔の上に。
わたしも跡を残さない、
あなたの顔に。

どこに行けばいいか、川は知っている。
朝露も道を知っている。
太陽の光はバラをあたため、なぐさめる、
彼女が咲いているとき。
わたしは? ひとりで悲しいときが過ぎたら、
最後には君を見つけられる?
悲しみを通り過ぎたら、
君を見つけられる?

* * *

Christina G. Rossetti
"Confluents"

As rivers seek the sea,
Much more deep than they,
So my soul seeks thee
Far away:
As running rivers moan
On their course alone
So I moan
Left alone.

As the delicate rose
To the sun's sweet strength
Doth herself unclose,
Breadth and length:
So spreads my heart to thee
Unveiled utterly,
I to thee
Utterly.

As morning dew exhales
Sunwards pure and free,
So my spirit fails
After thee:
As dew leaves not a trace
On the green earth's face;
I, no trace
On thy face.

Its goal the river knows,
Dewdrops find a way,
Sunlight cheers the rose
In her day:
Shall I, lone sorrow past,
Find thee at the last?
Sorrow past,
Thee at last?

* * *

ポイントは、川も、バラも、朝露も、実際には
相手(海、太陽)にたどりつけない、ということでは。

川は、海に向かって永遠に流れつづける。
バラは枯れる(最終スタンザ4行目)。
朝露は、太陽にたどり着く前に消える。

* * *

英文テクストは、Poems by Christina G. Rossetti
(1906) より。
http://www.gutenberg.org/ebooks/19188

* * *

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