英語の詩を日本語で
English Poetry in Japanese
Pound, "An Immorality"
エズラ・パウンド (1885-1972)
「不道徳な話」
愛と怠惰なくらしをたたえて歌おう。
他に価値あるものなどない。
多くの国を見てきたが、
愛と怠惰なくらしが生のすべてだ。
バラの花びらたちが悲しみで死ぬことがあっても、
わたしはよろこびと快楽を味わっていたい。
ハンガリーで、人の想像を絶するような
気高いことをするよりも。
* * *
Ezra Pound
"An Immorality"
Sing we for love and idleness,
Naught else is worth the having.
Though I have been in many a land,
There is naught else in living.
And I would rather have my sweet,
Though rose-leaves die of grieving,
Than do high deeds in Hungary
To pass all men's believing.
* * *
たわいもない作品のようなので、訳注などは後回し。
* * *
「不道徳な話」というタイトルがついているので、
パウンドも、人にすすめられる内容ではない、
という意識で書いているのだろう。しかし同時に、
口には出さないし出せないが、誰でもふと
思ったりするような内容として。
しかし、個人的に思うのだが、「恋愛こそすべて」的な
思考がかなり(あるいは、ある程度、くらい?)支配的な
現代の社会や文化のなか、実のところ「恋愛こそすべて」
と感じたり、考えたり、行動したりすることができない人も
少なくないのではないか。
つまり、道徳という基準抜きでもこの詩の内容に
共感できない、たとえ道徳的に許されても、
わざわざ愛と怠惰なくらしにおぼれたいとは思わない、
というような人が。
(極端な例をあげると上の話のニュアンスが変わって
しまうが、考えてみればバイロニック・ヒーローも、
愛と怠惰なくらしにおぼれ、そしてそれに飽き飽きして
しまった人だったりする。)
* * *
英文テクストは、Ezra Pound, Ripostes (1912) より。
http://archive.org/details/ripostesofezrapo00pounrich
* * *
学生の方など、自分の研究/発表のために上記を参照する際には、
このサイトの作者、タイトル、URL, 閲覧日など必要な事項を必ず記し、
剽窃行為のないようにしてください。
「不道徳な話」
愛と怠惰なくらしをたたえて歌おう。
他に価値あるものなどない。
多くの国を見てきたが、
愛と怠惰なくらしが生のすべてだ。
バラの花びらたちが悲しみで死ぬことがあっても、
わたしはよろこびと快楽を味わっていたい。
ハンガリーで、人の想像を絶するような
気高いことをするよりも。
* * *
Ezra Pound
"An Immorality"
Sing we for love and idleness,
Naught else is worth the having.
Though I have been in many a land,
There is naught else in living.
And I would rather have my sweet,
Though rose-leaves die of grieving,
Than do high deeds in Hungary
To pass all men's believing.
* * *
たわいもない作品のようなので、訳注などは後回し。
* * *
「不道徳な話」というタイトルがついているので、
パウンドも、人にすすめられる内容ではない、
という意識で書いているのだろう。しかし同時に、
口には出さないし出せないが、誰でもふと
思ったりするような内容として。
しかし、個人的に思うのだが、「恋愛こそすべて」的な
思考がかなり(あるいは、ある程度、くらい?)支配的な
現代の社会や文化のなか、実のところ「恋愛こそすべて」
と感じたり、考えたり、行動したりすることができない人も
少なくないのではないか。
つまり、道徳という基準抜きでもこの詩の内容に
共感できない、たとえ道徳的に許されても、
わざわざ愛と怠惰なくらしにおぼれたいとは思わない、
というような人が。
(極端な例をあげると上の話のニュアンスが変わって
しまうが、考えてみればバイロニック・ヒーローも、
愛と怠惰なくらしにおぼれ、そしてそれに飽き飽きして
しまった人だったりする。)
* * *
英文テクストは、Ezra Pound, Ripostes (1912) より。
http://archive.org/details/ripostesofezrapo00pounrich
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