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Fanshawe (tr.), Horace, Ode 3.30

リチャード・ファンショー (1608-1666) (訳)
ホラティウス、オード 3.30

真鍮より長持ちし、偉そうな
王のピラミッドよりも高く聳(そび)え立つものを
わたしはつくりあげた。大嵐も、
塔を呑みこむ海も、
無限につづく日々も、
攻めたてる〈時〉も、わたしの詩を葬り去ることはない。
わたしが完全に死ぬことはない。
わたしは完全には墓に入らない。
後世の者はわたしの名を誇らしげに語るだろう、
ローマにおいてローマが滅んだとしても。
アウフィドウス川が王の如く、怒涛の如く流れる国で、
ダウヌスが治める
水の足りない田舎の国で、わたしは語り継がれるだろう、
小さな頭の泉から詩を
奔流のごとくあふれさせ、はじめて
ギリシャの竪琴(リラ)にあわせてローマの魂を歌った男、と。
わたしの仕事は称賛に値するはず。
さあ、さあ、詩神よ、月桂の冠をわたしに。

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Richard Fanshawe (tr.)
Horace, Ode 3.30

A Work out-lasting Brass, and higher
Then Regal Pyramid's proud Spire,
I have absolv'd. Which storming Winds,
The Sea that Turrets undermines,
Tract of innumerable daies,
Nor the rout of Times can raze.
Totally I shall not dye,
And much of me the Grave shall flye.
Posterity my name shall boast,
When Rome her self in Rome is lost.
Where like a King loud Aufid reigns,
Where Daunus (poor in Stream) complains
To neighb'ring Clowns: I shall be sed
The Man, that from an humble head
T'a Torrent swoln did first inspire
A Roman Soul in Grecian Lire.
I labour with deserved praise:
Crown, Crown Me (willing Muse) with Baies.

http://quod.lib.umich.edu/e/eebo/A86558.0001.001

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「詩のなかで名声は永遠に」という主題の起源のひとつ。

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