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Rossetti, DG, "Passion and Worship", The House of Life (1870) 8

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
「情熱と崇拝」
『命の宮』(1870) 8

炎の羽の者が白い羽のハープ奏者をつれて、
あの人とぼくがふたりきり、休んでいるところにきた。
そしていった。「この者は場違いですから
追い出してください。ここで歌うのはわたしだけで十分です。
〈愛〉の神に愛された方々にふさわしいのはわたしの歌です」。
わたしはいった。「たしかに君のオーボエはきれいだ。威圧的なまでに
美しい。でもそのうしろで彼のハープも切なく歌っている。
ぼくの愛しい人はその深くて透明な音が好きなんだ」。

彼女もいった。「あなたは〈情熱〉で、この方は〈崇拝〉ね。
〈愛〉のなか、あなたがたふたり、本当は織りあわさっているはず。
あなたの歌はまるで支配者、太陽に照らされた海に響きわたる。
そして、森のなか、色のない湖の水が震えるとき、
色のない月の光しか明かりがないとき、
彼のハープがわたしの気持ちを歌ってくれる」。

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Dante Gabriel Rossetti
"Passion and Worship"
The House of Life (1870) 8

One flame-winged brought a white-winged harp-player
Even where my lady and I lay all alone;
Saying: ‘Behold, this minstrel is unknown;
Bid him depart, for I am minstrel here:
Only my strains are to Love's dear ones dear.’
Then said I: ‘Through thine hautboy's rapturous tone
Unto my lady still this harp makes moan,
And still she deems the cadence deep and clear.’

Then said my lady: ‘Thou art Passion of Love,
And this Love's Worship: both he plights to me.
Thy mastering music walks the sunlit sea:
But where wan water trembles in the grove
And the wan moon is all the light thereof,
This harp still makes my name its voluntary.’

http://www.rossettiarchive.org/docs/1-1870.1stedn.rad.html

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