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青山透子 『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』

2020-10-01 14:56:00 | Weblog

「来年9月の総裁選でアへ再々登板」と書いておこう。黒川を検事総長に据えることができなかったことで、桜とマルチ商法、アンリ1.5億円・・の捜査がアへに及ぶぞ!という大ピンチを、病気を理由にして逃亡退陣。スガは居抜き内閣でアへ政治を継承し、1年間の時間稼ぎの中でアへ待望論を醸成。アへはすでに元気みたいだが「超画期的新薬」の効果があり復活、そして総選挙、悲願の憲法改悪へ、これ以上の悪夢は、「日航123便墜落」しかないだろう。

 

『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』(青山透子著 河出書房新社 2021年刊)

青山氏の著作は、このブログで2017.8.22に『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』(河出書房新社 2017年刊)を書いた。氏はその後の3年ほどの間に『日航123便 墜落遺物は真相を語る』、『日航123便 墜落の波紋―そして法廷へ』と矢継ぎ早に著作を出しているが、僕は未読。

3年前の著作には、ひとりの書き手として純粋に真実を求めたいという氏の情熱が感じられ共感を持って読んだ。僕もずっと以前から、『疑惑 JAL123便墜落事故―このままでは520柱は瞑れない』(角田四郎著 早稲田出版 1993年刊)を読み政府の正式見解である圧力隔壁説に疑問を持っていた。

しかし、本書における青山氏の論理展開は少し雑になっていると感じた。政府の文書に「事故」ではなく「事件」と記されていたこと、事故調査報告書の別冊に「異常外力着力点」と書かれていたことを新しい発見として自説にかなり強引に繋げていくくだりは、氏の中においては既に結論ありきであるとともに少々論理に飛躍が見られると感じた。また、現在の政権を批判するくだりなどは本書で特にページを割く必要がない埋め草的な文章にしか読めなかった。

では、どうして氏のスタンスが変わったように感じてしまうのか。逆説的なことだが、最初は孤立無援に見えた氏の勇気ある発言が、この間で多くの人々の共感を得たからだと思う。氏の言説が真実を求める運動のようになってきていることと、氏を批判する挑発的な著作も出ていることからそれに対するある種の政治性を帯びた活動がメインになってきたことが原因だと考える。僕は氏がもう一度原点に立ち戻って、冷静な気持ちを失わず様々な協力者を得ながら一歩一歩真実に近づいていってほしいと願う。

僕は、本書に書かれている現段階の内容からは、墜落の真実を明らかにする方法は、相模湾に沈んでいる123便の尾翼の残骸を引き揚げて検証するということの一点につきると思う。では、引き揚げの課題は何なのか。海中からの引き揚げは技術的に可能なのか、残骸の所有者は誰なのか、他者による引き上げは法的に可能なのか、費用負担が課題なのか。

僕は、真実を知りたいという気持ちを持って青山透子氏を応援し続けたい。

 

 


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