晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

太田昌国 『さらば! 検索サイト 太田昌国のぐるっと世界案内』 その1

2020-03-09 15:10:18 | Weblog

3月のカレンダーにあった予定がほとんどキャンセルになった。適度なランニングと読書、「晴走雨読」生活をしている。惜しむらくは地区の図書館から本を借りる時間がほしかった。現前に生じているコロナ禍が及ぼす影響の全貌が見えない。後になって見たら、私たちはあの時一体何をしていたのかということがわかるだろう。「少年、少女たちよ、無為に時を過ごすな!」

 

『さらば! 検索サイト 太田昌国のぐるっと世界案内』(太田昌国著 現代書館 2019年刊) その1 

太田昌国氏は釧路市生まれで、僕と同郷で吸っていた空気が同じだったことからか、その考え方の根っこのところで共感を持てる書き手だ。このブログで、2016.7『新左翼はなぜ力を亡くしたのか?』(太田昌国 関西ルネ研講演記録 月刊『情況』2016年4,5月号)、2014.6『【極私的】60年代追憶 精神のリレーのために』、2013.5『テレビに映らない世界を知る方法』、2011.5『新たなグローバリゼーションの時代を生きて』、 2009.9『拉致対論』(蓮池透、太田昌国対談)、2008.6の『拉致異論』を取り上げている。

本書を通じて僕が著者から受けとめた思いは、本当にどうしようもない情況に思われるだろうが、あなたの感度を鋭く磨き、そして深く考えろ。あきらめたら終わりだ。感情のおもむくままに振舞ってはいけない、意図の伝わらぬ相手に対しても言葉を大切にして粘り強く伝えなければならない、というメッセージだ。

以下、本書から氏の重要な記述を引用して、僕なりに感じたことを付記したい。

(2016.2.9)「表面的には激しく対立しているかに見える日米の軍産複合体支配層と朝鮮(太田氏は北朝鮮といわない)の独裁体制は、その軍事優先政策を国内的に納得させるためには、裏面で手を結び合っている」『国際政治のリアリズムー表面的な対立と裏面での結託』(P19)

(*僕の感想)阿吽の呼吸というのがある。Jアラートを鳴らして危機を煽り選挙に勝利したのが今のアへ政権だ。その後、米朝対話の動きがあったが、それを一番恐れているのは親米保守のアへ首相だ。朝鮮戦争が終結すると米国から距離をおかれ、アジアでも孤立することで自らの存立基盤が崩壊することを本能的に感じているからだ。

(2016.4.5)「米韓合同軍事演習は通常の何気ない言葉で表現し、朝鮮が行なう核実験やミサイル発射のみを『挑発』というのと同じように、大国とメディアが好んで使うこの言語操作が、いつまでも(本当に、いつまでも)人びとの心を幻惑している」『米大統領のキューバ訪問から見える世界状況』(P23)

(*僕)彼我の差は如何ほどなのか。北朝鮮は、世界一の軍事大国が目の前で繰り広げる演習に対して、どれほど恐怖を抱いていることだろうか。小国はどんなに強がってもキャンキャン吠えることしかできない。視点を転換してみれば、見え方が変わる。

(2016.7.12)「日本国の現首相は、国民国家・主権・国境・独立・民主主義など『国家』が成り立つにあたって根源をなしているはずの諸『価値』を、大企業や大金融資本の利益の前になら惜しげもなく差し出すことを公言し、それを実行している」『グローバリゼーションの時代の只中での、英国のEU離脱』(P29)

(*僕)ダブルスタンダード、二枚舌、使い分け。国民向けには国家主義的な勇ましい言葉を吐くが、資本の儲けのためには特段の配慮をするアへ政権。本音が透けて見えてわかりやすい政治だと思う。それを覆すことのできない野党との差は、何を言われようと「死にもの狂い」でやっているのがアへだからだ。

 

 

 

 

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