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戦後左翼史 その7 1960年③ アカシアの雨がやむとき

2016-01-30 20:36:26 | Weblog

 部屋の整理をすると、忘れていたものが出てくる。このお面、豆まきの鬼でもしましょうか。

 甘利辞任、週刊誌の力に驚くとともに、他力本願の野党の無力にも妙に納得。今回の件は、単に脇が甘かっただけなのか、米国の意向なのか、そのうち見えてくるのだろうか。

 

 戦後左翼史 その7 1960年③ アカシアの雨がやむとき

 *(*は、僕の考え)今回で激動の1960年が終了。8月、安保闘争の高揚期が過ぎ去り、日共では野坂―宮本体制による異論排除が進む。トロツキストというレッテルを貼り排除、続くは党内構造改革派の駆逐へと、物言えぬ体制づくりが進む。

1960.8.1アカハタ 「貿易、為替の自由化と日米経済関係」中央委員会経済調査部

1960.8.2アカハタ トロツキズム批判の立場の問題、津田道夫著『現代のトロツキズム』(青木書店)について

1960.8.2アカハタ 主張「安保闘争会議の今後の発展方向について」

1960.8.2アカハタ 解説「農民運動に若い力を 期待される「青年運動研究集会」」(8.5~8.7)

1960.8.4、5アカハタ 解説「国民をしぼりあげる物価と税金」

1960.8.12アカハタ 意識的な挑発集団、反革命の本質をつかめ

1960.8.14アカハタ 「日本共産党全国活動者会議における宮本書記長の報告と結語」十一中総決定の実践のために総選挙をめざして統一戦線を強め党を拡大しよう

1960.8.21アカハタ 解説「再編進む日本独占資本」、「財閥復活」を達成、膨大な合理化計画も、10大銀行(富士(旧安田、浅野系)、三菱、住友、第一(旧古河、川崎系)、三井、三和、興銀、東海、勧銀、長銀)

1960.8.22アカハタ 日本共産党の選挙綱領(8.18)

1960.9.1アカハタ号外 日本共産党の選挙綱領(8.18)

1960.9.2アカハタ 1960.7.22日本共産党遠賀地区委員会、谷川雁(サークル村宣言)、杉原茂雄(中間市議)、小日向哲也(大正炭鉱細胞)、沖田活美を除名処分

1960.9.10アカハタ 「安保条約反対闘争と知識人・文化人の活動について」中央委員会文化部

1960.9.12アカハタ 日本共産党総選挙予定候補者一覧

北海道関係、(1区)西舘仁(炭労)、(2区)五十嵐久弥(全日農)、(3区)谷内盛治(全逓)、(4区)豊島俊男、(5区)日光福治(国労)⇒結果は、全員落選

(参考)・西舘仁(れんだいこ氏の記述によれば、「1975から76年にかけて、袴田がしばしば北海道を訪れ、西舘仁(元北海道委員会委員長)、中川一夫(前北海道委員会委員長)、豊島俊男(同副委員長)、水落恒彦(同常任委員)らと会合する。」「1977年11月から翌年4月にかけて、西舘仁は統制委員会に三度呼び出され、袴田私案「北海道独立共産党案」について調査を受けた。」とあるが、その意味するところは不明、1963年の北海道知事選挙に立候補し落選)

・五十嵐久弥(1946年入党、1984年死去)

・谷内盛治(1958年、1960年総選挙に立候補し落選)

・豊島俊男(1960年、1963年、1967年総選挙に立候補し落選、1997年第21回党大会で顧問に再任(87歳))

・日光福治(1952年、1953年、1955年、1958年、1960年、1963年、1967年、1969年の各総選挙に立候補し落選)

*選挙カーから聞こえてくる万年落選候補「ニッコー・フクジ!」の名前は子どもの頃の僕の記憶に刷り込まれている。

1960.9.13アカハタ 主張「トロツキスト擁護者の論理」、「現代思想研究会の共産党批判」について

1960.9.13、14アカハタ 「安保闘争の「主役」のすりかえー清水幾太郎氏の果たす役割」岡正芳前衛編集委員、『現代思想研究会』(清水主宰、鶴見俊輔、浅田光輝、樺俊雄、香山健一、三浦つとむ)を批判

1960.9.15アカハタ 「『現代思想研究会』についてー『週刊新潮』誌への回答の全文―」宮本顕治中央委員会書記長

1960.9.16アカハタ 偽装されたトロツキスト擁護の試みー「さしあたってこれだけは」というよびかけについて(六月行動委員会、谷川雁、吉本隆明、鶴見俊輔、藤田省三、武井昭夫(てるお)、関根弘)

(参考)・関根弘(1961年除名)、武井昭夫(1961年除名)

1960.9.16、17アカハタ 「指導の失格という中傷―武井昭夫の安保総括についてー」

1960.9.27アカハタ 解説「日教組の方針~荒木文政の弾圧と対決」

1960.10.6、5アカハタ 「民族の独立をあいまいにする新しい理論―佐藤昇氏の見解についてー」豊田四郎宣伝教育部長『経済評論』(1960年9月号)討論会「新安保条約と日本帝国主義」、広沢賢一(社会党)、川崎巳三郎(日共)、佐藤昇、大橋周治、塩田庄兵衛、この討論で、佐藤昇は日本独占資本による自発的従属論を批判した。

(参考)・川崎巳三郎:昭和期の経済評論家 プロレタリア科学研究所常任中央委員、東京商科大学(現一橋大学)講師

・佐藤昇:1950年代に日共内で構造改革論を主張、のちに脱党

1960.10.8アカハタ 「教育基本法改悪のねらうものー「教育基本法を守る講演会」からー」、丸岡秀子、田畑忍(同志社大)、長田新(日本子どもを守る会会長)、小林武(日教組委員長、北教組出身)、松岡洋子、宗像誠也(東大)、荒木文相を批判。

1960.10.8アカハタ 解説「新潟会談を振り返って」竹本記者、朝鮮民主主義人民共和国赤十字代表団来日、クリリオン号、政府と日赤の帰国協定は帰国事業のスピードアップを妨害

*この北朝鮮に関する10.8と10.31の記事は重要。現在は沈黙している日共が、かつて北朝鮮帰国事業に積極的だった証拠である。僕は、当時の北朝鮮、韓国からの情報がともに乏しかった情況のもとでは、在日朝鮮人の方々が帰国を希望しそれを援助したことは間違いではなかったと思う。結果から見ると、帰国後の生活苦など大変な情況になってしまったのだが、それに対して知らん顔を決め込む日共の態度が無責任極まりないと考える。日共は、どんなにいいことを言っても、過去への真摯な総括なくして大衆からの信頼は決して克ちえることはないだろう。

1960.10.10道新 13日に社会党大会、総選挙体制を確立、「護憲・中立」を浸透、反独占資本闘争展開、浅沼委員長、江田書記長体制

1960.10.11道新 「教育基本法を守る講演会」の発言から 一人一人が意見を、改正は憲法問題に関連

1960.10.13アカハタ 「社会党臨時大会に寄せて」土岐強中央委員会経済調査部長

1960.10.16道新 歴史を血で汚す右翼、その系譜を探る

・玄洋社(明治10年)平岡浩太郎、頭山満、福岡で創立、尊皇攘夷、文明開化に反対

・黒竜会(明治34年)内田良平、三国干渉に憤激

・浪人会(明治41年)吉野作造東大教授、村山竜平朝日新聞社長に暴行

・大日本国粋会、床竹徳三郎(原内閣内務大臣)、西村伊三郎、青山広吉ら侠客60万人

・大和民労党、河合徳三郎(大都キネマ社長)が設立、堺利彦襲撃

【国家社会主義】

・猶存社(ゆうぞん)(大正8年)北一輝が創立、大川周明、西田税、鹿子木員信(かのこぎかずのぶ)

・建国会(大正15年)赤尾敏、会長上杉慎吾東大教授、顧問頭山満、永田秀次郎、平沼騏一郎、書記長津久井竜雄

【戦後右翼】

・大東塾、景山正治

・愛国党、赤尾敏

・国民総連合、大森曹玄

・護国団、井上日召

・新日本協議会(1959.3結成)自民党岡崎英城、木村篤太郎、高山岩男神奈川大教授

(参考)10.12浅沼委員長が右翼山口二矢に刺殺される。

1960.10.16~18アカハタ 「最近の経済情勢について」(上、中、下)中央委員会経済調査部、恐慌不可避

1960.10.20、21アカハタ 「「経済成長」の総決算―国民経済白書からー」柏木保雄(統計学者)

1960.10.22アカハタ 「炭鉱合理化と災害―労働者の生命を守るために」矢田文男(労働問題研究)

1960.10.28アカハタ 「三池闘争の新課題」(韮澤)、全産業へ合理化の波、意義を持つ今後の三池闘争

1960.10.31アカハタ 国際解説「六年目に入ったアルジェリア戦争」

1960.10.31アカハタ 帰国協定延長調印、日朝人民の勝利、政府よぎなく後退、在日朝鮮人、日朝両国赤十字は、協定を一年延長で合意、南朝鮮の張勉政権は「北進阻止」を主張(重要!)

1960.11.1、2アカハタ 「中立化で日本の経済は破綻するかー自主平和経済の展望―」土岐強(経済調査部長)

1960.11.28、29アカハタ 「西ドイツ軍国主義復活の経済的基礎」席林生11.16人民日報掲載論文

1960.12.7アカハタ 「中立の道と社会主義」カンボジア・シアヌーク首相、ラオス・プーマ首相、キューバの教訓、岩村三千夫(中国研究所理事)

19060.12.10、11、12アカハタ 「ドル危機はアメリカの世界政策の危機である」ソ連アカデミー会員E.バルガ

1960.12.12アカハタ 国際解説「ルムンバ首相逮捕とアメリカの策動(コンゴ)」世界の世論憤激高まる

1960.12.12道新 比重増すソ連共産党中央委員会、一月総会を前に展望、フルシチョフ首相(党第一書記)体制確立に活発な討議や批判を利用、農業が重要議題、7か年計画の成否をかける。次世代候補:ブレジネフソ連最高会議幹部会議長、コズロフ党書記、スースロフ党書記

1960.12.19、20、21アカハタ 「アメリカの恐慌とドル危機」渡辺武(経済評論家)資本主義の全般的危機と社会主義体制の優越性

(参考)・渡辺武:1946年入党、1968年から2期参議院議員

1960.12.20アカハタ 国際解説「NATO核武装の危険な動き」

1960.12.29アカハタ 「1960.12.27第十四回中委総会決議 総選挙の結果と当面の任務」 3議席、115万票

1960.12.30アカハタ 「1960.12.27第十四回中委総会決議」、「「共産党・労働者党代表者会議の声明」及び「全世界諸国民への呼びかけ」に関する決議」

 

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