晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『論壇の戦後史』

2007-06-08 20:04:15 | Weblog
 夜の営業が続いていたが、久しぶりに落ち着いた週末。



 『論壇の戦後史 1945~1970』(奥武則著 平凡社新書 2007年刊)

 戦後の歴史と言っても様々な切り口がある。政治史、経済史、文化史、スポーツ史、ファッション史、野球史・・・と。

 本著は、「論壇の戦後史」である。論壇とは、学者、文化人、思想家などが評論を発表する場である。それは、総合雑誌と呼ばれる場である。現在では、「文藝春秋」「諸君!」「中央公論」「世界」「正論」などである。

 1945年の敗戦直後から新生日本のあり方が総合雑誌誌上で論争され、当時の論壇というものは、現在とは比べものにならないくらいの世論形成力を持っていた。

 天皇制、講和問題、60年安保、ベトナム戦争、大学闘争などが論じられた。
 しかし、本書の記述は1970年前後で終わる。当時、論壇の崩壊と言われた。なぜ、1970年なのかを考える必要がある。

 高度経済成長により、社会が豊かになるとともに、価値観も多様化し、世の中の中心的な話題が定まらなくなった。
 総合雑誌以外、テレビなどのメディアが発達し、近年ではインターネットの普及により、誰でもブログなどで考えを発信できるようになったことなどが考えられる。


 
 私の場合、物心付き社会的な関心が芽生えたのが1970年前後からであるから、本書で語られる論考にリアルタイムで接したことは無い。学生時代は、『現代の眼』が時代をリードしていた。



 今週末の札幌は、YOSAKOIソーラン一色なのでしょう。なぜか、興味から遠いところにありますが、近くで見たら感動ものなのかも。

コメント (2)
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