馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

キューバの医療制度のもとになったバイク旅行

2007-11-19 | 人医療と馬医療

Motorcyclediaries01 以前、「モーターサイクルダイアリーズ」という映画をBSでやっていて何気なく見た。

南米の革命家チェ・ゲバラが若い日に親友とバイクで南米を旅行した話の映画だった。

映画としてのできはともかく、良い映画だった。

若さの無謀さ、若さの純粋さがあふれていて、そして二人の医学生の個性が表現されていて、そして片方は、のちのチェ・ゲバラなのだ。

ゲバラは喘息に苦しんでいて、それもひどい発作を起こす。

たぶんそのことが医学を志したことや、彼の死生感にも影響を与えたのだろう。

Motorcyclediaries03  過去のことと見てしまうと私たちにはわからないが、ゲバラの目から観た南米は貧困と差別に満ちていたようだ。

アルゼンチンの名家で教育熱心な母親に育てられ教養を身につけていながら、社会の矛盾に気付き、それを許せない純粋さも失わなかった。

チェ・ゲバラを革命へ駆り立てたのが人間愛なら、ご両親の教育は成功したのだろうか?

ご両親は息子の生涯をどう思っていたのだろうか。

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映画の最後に字幕で出てくるのだが、ゲバラはこの南米を一緒に旅行した友人を革命後のキューバへ呼びよせ、友人もその期待に応えて、キューバの医療制度の確立に貢献したそうだ。

キューバは今も豊かな国ではないだろう。

しかし、その医療制度は世界中がまなぶべきところがあると注目されているようだ。

USAは世界で一番豊かな国だろうが、その医療制度は資本主義と効率主義に毒されている。

一時、チェ・ゲバラの肖像のTシャツが流行ったが、USAでは今も大々的には販売できないそうだ。

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 今日は寒い!

 車は冬タイヤに交換した。論文は再投稿した。ついでにもう一つ新規投稿した。シンポジウムと研究発表のスライドも送信した。

 来月の講義の準備は・・・・・まだだ。

 来月は年賀状に、クリスマスに、大掃除だ。勘弁してくれ!


5 コメント

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初めまして! (農業高校生)
2007-11-20 14:53:04
初めまして!
私は現在受験を目前に控えた農業高校3年生なのですが、この12月に獣医学科の推薦入試を受けたいと考えています。
私は大家畜の獣医師になりたいと強く思っているのですが、そのきっかけとなったのが疝痛で馬を亡くしたことでした。
農業高校の畜産科の先生には、疝痛に対する確実な治療法などないと言われました。でも、現在私にとって一番身近な馬の病気は疝痛で、また獣医師になって疝痛という病気を治せるようになりたいと考えています。
自分でも浅い知識の中でいろいろと考えて、便秘疝には人間と同じように下剤を使ったらいいのではないかとか、使う薬品も内臓器官にやさしそうな漢方のほうがいいのではないかとイメージトレーニングをしています。
馬には長年触れてきたのでその扱いには自信もありますし、簡単な治療(フレグモーネなど)は手伝わせてもらったことがあるのですが、いざ獣医さんの治療となると体験したことがありませんでした。
先生は、疝痛馬に対してたとえばどのような治療をされているんですか?
また、現在大家畜の獣医師・馬の獣医師に求められていることは何だと思われますか?
あつかましく質問ばかりで申し訳ありません。
>農業高校生さん (hig)
2007-11-20 18:11:47
>農業高校生さん
 若い君からのコメント。うれしいです。馬に長年触れてきて、大動物の獣医師をめざし、馬の疝痛を治したい。素晴らしい!

 私の治療についてはこのブログのカテゴリ「急性腹症」を選ぶと読むことができます。ただ、あなたが馬の疝痛を獣医師として治せるようになるためには、まず獣医科大学に入って勉強し、国家試験に合格して獣医師となり、知識と経験を積んだ上で技術を身につけるのが、遠回りなようでも一番の近道です。

 生産地の馬の獣医師が果たしている、果たしていく役割については、来週東京で講演します。できれば、そのうち内容を紹介しましょう。

 PCV,LPS,DIC,LCT,LDDLC,RPI。これらの略語の意味がわかるようになるころには、馬の致死的疝痛さえ治せるようになっているでしょう。
 
お返事ありがとうございました。 (農業高校生)
2007-11-20 19:16:31
お返事ありがとうございました。
早速、急性腹症のページを拝見させていただきました。
疝痛は知れば知るほど、辛い病気です。疼痛おが続くほど馬は辛いはず。
絶対に馬を救える獣医師になりたい!疝痛の苦しみを少しでも無くしてあげたい!とさらに思うようになりました。
獣医学科の入学は私にとって非常に難しいものですが、馬への気持ちをいっぱいにして絶対合格したいと思います!
また、お邪魔させていただきます。
理想と純粋さを何処までも突き通すだけの能力をチ... (zebra)
2007-11-20 22:46:19
理想と純粋さを何処までも突き通すだけの能力をチェゲバラも備えていたのでしょう。
ただ、特定の思想が社会を構成し始めれば新たな矛盾が生じ始めることは間違いないことかと。
その思想の中枢は権力となり社会はこれに支配されるだけであると思います。
相互に理解すれども利用も支配もしない。社会の構成単位を個人のレベルにすれば破滅的な集団や抗争は生じないのでは?
もはや脱線ですね。この映画一度見てみたいです。

再投稿の論文に新規投稿がついてきたらレフリーが舌を巻くことでしょう。
Hig先生のご活躍には脱帽するしかありません。。
>zebraさん (hig)
2007-11-21 06:25:52
>zebraさん
 キューバ革命を終えて、政府の高官となった時も、休日に労働奉仕に出ていたという逸話が残っています。そして、カストロとの方針の違いもあり、他国の革命闘争へ身を投げ、南米で射殺されます。
 共産主義国の腐敗のようすは、民主主義の国を上回っていたように思います。ゲバラのように純粋な人は少ないということなのでしょう。そのゲバラがバイク旅行しているときのようすとして観るのも面白い映画です。

 新規投稿の論文は別送しました(笑)。内容が異なるので、別の担当編集委員、レフリーへ行くでしょう。馬の臨床に理解のある先生のところへ行くことをせつに願います。

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