雪うさぎのJunk Yard

へタレ地方私鉄モデラーの独り言と撮り鉄日記

地鉄味わい駅舎紀行 UN-20 内山駅

2016-05-30 21:02:25 | 撮り鉄日記

 長かった地鉄駅舎探訪の旅ですが、やっと終わりです。これでまともな木造駅舎のある駅はほぼ網羅したはずですが、隣の音沢も見ておけばよかったかな? でも富山地方鉄道成立の歴史を駅舎を通じ遡る旅は、普通の撮影旅行とはまた違った楽しさがありました。いっそ地鉄公式サイトに、観光列車に続く新たな観光コンテンツとして、駅舎探訪ガイドページを作成すれば食い付く人も出てこないかな、とか。

   

谷間の狭隘な土地に造られているだけあり、駅を出るといきなり階段というバリアフルな構造。道路側から見るとトタンに覆われ安普請感たっぷりですが、線路側からは味わい深い昔の駅の風景そのものです。またシンプルな切妻屋根に戻りました。雪国のトタン屋根には、雪止めのアングル材が不可欠なディテールでしょう。

  

ホームの待合室は小ぶりなもの、便所は撤去されたり、新しくなったりしている駅が多いですが、絶滅危惧種の旧いタイプが生存しております。中も旧いままですが、地鉄のトイレは旧いものでも、完全放置プレイにならず大抵それなりに手入れされ、紙も備え付けがあるのは褒めても良いかな?

 

かなり狭隘なスペースにローカル駅の要素が詰め込まれ、レイアウトを作る方にも参考になるかな? 宇奈月温泉方には変電所らしき小さな建屋があり、その脇には安全側線...の割には中途半端に長いです。貨物側線だったのかな?

朝方ここに来ると、列車交換シーンを見ることが出来ます。雷鳥色同士のすれ違い。

 

駅舎内は薄暗いですが、荒れた感じではありません。一見秘境っぽいですが、集落には比較的近いので、そこそこ利用者数はあるみたいです。

本来の役割は終えていますが、「傳言板」の文字が渋いです。駅の伝言板も、携帯電話の普及とともに、いつしか見なくなっちゃいましたね。


それ全部頂戴!

2016-05-29 23:42:24 | 撮り鉄日記

 今日はどこかに出掛けるか、でもゆっくり寝ていたので、着替えたり何だりしたら、結局10時位になってしまいました。それから行けるところといえば高が知れていますが、そう言えば流鉄って行ったことないよな? 私の興味の対象となる電車は姿を消して久しいし、沿線のロケーションが素晴らしい訳でもない、と言うことで近くても遠い存在になっていました。でも、注目すべきは、全駅で硬券の入場券だけじゃなく、乗車券も一通り揃えている、首都圏最後の硬券の楽園?であることです。路線が短いので、全駅全口座大人買いしても7000円位で済むので...

で、やっちゃいました。近江や秩父で同じことをやると、とんでもないコストが掛かりますが(日野1駅だけで軽く突破しちゃいます)、これ位ならまあ...興味の無い方から見れば何れにせよ馬鹿な行為ですが。新型の券売機も全駅完備なのに、窓口で硬券を売り続けているのは、収集目的での購入が無視できない程度はあるのでしょうね。「一通り頂戴」とオーダーしても手慣れた感じで用意してくれるし。

大分新社名に切り替わりましたが、旧社名のも小児券を中心にまだ残っています。

残念なのは、新社名に切り替えと共に、ここの硬券入場券の象徴だった、真ん中に印刷された社章が無くなってしまったことで、一応幸谷に先代「明星」就役記念(平成7年だから21年前!)の旧券が残っているのと、平和台と小金城趾にセット品(レギュラー券とは若干様式が異なる)が残っているだけで、レギュラー券で社章入りはもうありません。社名変更しても社章は旧来のをずっと使い続けているのだから、無くさなくても良いのでは?と思っちゃいます。どうせ需要の大半は収集目的なんだろうし、入っているのと無いのでは満足度が違うと思います。

   

これが電車特定区間の範囲にある路線とは思えない位です。特に馬橋とか、ここを見ると、電鉄富山駅が都会の駅に見えます。


地鉄味わい駅舎紀行 UN-19 愛本駅

2016-05-29 20:27:41 | 撮り鉄日記

 黒部川扇状地の最末端、これより先は峡谷沿いを走る本格的な山岳路線の様相を呈しています。駅舎もそれに相応しく、山岳リゾートをイメージさせる可愛らしいものです。でも、この駅の立地条件が、集落から少々離れた場所にあるだけでなく、巨大な変電所の隅っこに隠れるようにあるため、現地の地理に疎い人が道路側からこの場所に辿り着くのは結構苦労しそうな感じです。

  

この形なら、明るい色調でも許せちゃう感じかな? ホーム側出口の風防の形状も参考になります。

   

待合室はごく標準的な片流れ屋根のタイプ。対向式なら線路側に雪を落としたくないから片流れ、島式ならどっちかに落とさなきゃいけないけど、どっちでも結果は同じだから三角屋根、と言う基準でいいのかな? 雪が滅多に積もらない所ならY字型や平屋根という選択肢もあろうけど。

 

ここもかつては交換可能駅だったので、廃ホームが残っています。2段式の立派な鉄柱も、電力資本によって建設された名残なのかな。

 

秘境駅感たっぷりのムードが漂う駅ですが、室内は綺麗に整備され、窓ガラスや窓枠も整備されています。単にペンキ塗り潰しにするだけでなく、レトロ感を生かして手を入れている感じです。旧事務所部分は公民館か集会場的に活用されているみたいで、こちらも整備されています。

今回は駅探訪が主目的でしたが、それでもこれがやってくると気になって仕方ありません。


地鉄味わい駅舎紀行 UN-18 浦山駅

2016-05-28 23:49:06 | 撮り鉄日記

 このシリーズも終わりが近付いてきました。地鉄の駅舎を一通り見てきましたが、造りも立派で、デザイン的にも凝った駅舎が多いことから、この鉄道に込めた意気込みと、投入されたコストの大きさが伺えます。例えば、かつては経済的に裕福とは言えず、鉄道の建設も、開業後の運営においても資金難との闘いだった北東北の私鉄などは、一部主要駅を除きまともな駅舎があるほうが少なく、それも実用本位な簡素なデザインのものが多数を占めたのとは対照的です。富山平野の端に近付き、バックに山が迫ってきたところ、駅舎も山の駅っぽくなってきました。

  

表は舌山と似ているようですが、裏は全く違う印象、駅前からホームへ出るのは駅舎内を経由しないで直接構内踏切で出る構造です。妻面のハーフティンバー風の飾りなどデザイン的にはこちらの方が凝っています。窓や扉がほとんどアルミ化されているのが残念ですが。

便所は新しい様ですが、山の駅にマッチしたデザインのものが誂えられています。

 

バックの架線柱が面白い形をしています。

 

ホームは島式1面2線、待合室も駅舎と同レベルに更新されています。

  

室内も更新され、あまり旧さを感じませんが、病院の広告看板だけはレトロ感バリバリです。これいつの時代のかな?


地鉄味わい駅舎紀行 UN-17 若栗駅

2016-05-27 22:35:59 | 撮り鉄日記

 長屋駅と似た様な形態の駅舎と言うか、待合室と言うか。

  

長屋と同じ形態の建物を基本に、入り口部分に一回り大きい部分を建て増した様な造りです。これで長屋より少し駅舎らしくなった感じかな? この位なら有人駅としての設定でも使えそうです。入り口部分を寒風対策でトタンと塩ビ波板で覆ったのは共通です。

 

中は狭いけど(地鉄本線には音沢という更にこの上をいく恐ろしく狭い待合室のある駅もあるのですが、今回は行きそびれました)綺麗になっており、清掃も行き届き、座布団も、漫画も本棚付きで完備。あまり旧い感じはしませんが、ベンチの広告がさりげないレトロ感を醸し出します。この明治のロゴも前世代のものになってしまいましたね。

  

現在は棒線化されていますが、ホームの対面には本線と切り離された線路が残されています。で、その脇には製材所があります。ホームの痕跡も見当たらないので、この線路は製材所の貨物側線だったのかも知れません。

田園の中にある小駅を駆け抜けるレッドアロー。


地鉄味わい駅舎紀行 UN-16 舌山駅

2016-05-26 20:29:59 | 撮り鉄日記

 隣の新黒部駅との距離は300mしか無いのですが、統合すると交換設備も新駅に設置しなくてはならないので、こっちも存置した、といった感じの位置付けでしょうか。駅舎自体は小ぢんまりとした好ましいものです。

 

屋根が急傾斜になり、雪国の駅らしくなりましたが、窓が小さく位置も低いので、荻生駅と比べると鈍重な感じが否めません。ここも近年パステルカラーに再塗装されてしまい、何だか昔の米軍住宅みたいになっちゃったのが少し残念ですが、建物自体はアルミサッシ率が低く昔の面影を留めています。

室内もパステルカラーになっています。

 

ホームは対向式2面2線、好ましい形態の待合室も完備しています。外側のつっかえ棒はお約束ですね。

旧い駅舎に旧い鉄柱、模型的な情景です。


地鉄味わい駅舎紀行 UN-15 長屋駅

2016-05-25 23:59:20 | 撮り鉄日記

 駅舎というより、待合室のみですが。この辺りも、隣に新幹線の駅が出来て雰囲気が変わった気がします。

  

トタン張りになっていますが、典型的なローカル線の無人駅、といった感じです。嵩上げされたり、延長されたりと歴史を物語るホームの地層?が面白いところ。模型でも市販の樹脂成型品をポンと置いてお終い、じゃ面白くないよね。隣に便所があった様ですが、既に撤去されて土台だけ残っています。

電気鉄道には変電所が付き物、駅のすぐ隣に少し古風な四角いRC建屋のがあります。この種の建屋は、乗客が直接利用する訳ではないので、大手私鉄でも旧い建屋を大事に使っている例が多いです。

 

元から無人駅だったらしく、出札口などの痕跡は無さそうです。ベンチには長ーい座布団...いくつも作るの面倒だったのかな?

駅前すぐにある酒蔵には貨車倉庫、なぁーんだワラ1とパワムか...と思ったら、奥の方にはレム5000やワム70000が...


地鉄味わい駅舎紀行 UN-14 荻生駅

2016-05-24 20:14:56 | 撮り鉄日記

 旧黒部鉄道の区間に入ると、駅舎のテイストがガラッと変わる感じです。これはローカル私鉄らしい造りの駅舎ですね。

  

今までは重厚な瓦屋根のが多かったけど、これはトタン屋根で軽快な印象です。新魚津を過ぎると、何故か駅舎が明るい色に塗られている場合が多いのは何故でしょうか。左半分ののっぺらぼうの部分も気になります。

 

線路側からだけ見ると、単純な切妻構造に見えますが、裏側に回ると結構凸凹ですね…

黒部鉄道及び、富山県営鉄道のホーム高さは富山電鉄より低かったようで、旧富山電鉄の区間ではほとんど無い、嵩上げした痕跡がある駅が散見されます。そう言えば旧黒部鉄道引継車のモハ12510形の原形にはステップがありました。因みに現在は棒線化されていますが、もとは対向2面2線で、廃ホームも残っています。

 

室内はかなり改修された感じですが、鏡の広告が良い味わいがあります。

  

駅前にある商店や農業倉庫もなかなか良い感じ...


地鉄味わい駅舎紀行 UN-13 東三日市駅

2016-05-22 19:01:23 | 撮り鉄日記

 今回は現地取材をしなかったので、前回撮った写真で紹介しますが、現況もほとんど変わっていない筈です。1面1線の小さな駅ですが、黒部市の中心市街地にはこちらの方が近いです。駅舎は戦後改築した物だと思われるモダンデザインで、駅舎前の階段の処理が特徴的です。

  

一見二階建てにも見える背の高い建物です。壁面の上の方にベンチレーターがあるので、屋根裏もあって、物置かなんかに利用されているのかな?

 

味わいのある駅名標のフォントと、ローマ字標記が撤去された痕跡。時代的には電鉄黒部駅と同じ位なのかな?

  

ベンチが所狭しと置かれているところを見ると、ピーク時には結構利用者が居るのかな? 駅舎の庇がホーム上屋を兼ねている例って、地鉄では比較的少ないです。

(2014年1月4日撮影)


地鉄味わい駅舎紀行 UN-12 電鉄黒部駅

2016-05-22 13:24:54 | 撮り鉄日記

 ここで長かった旧富山電鉄区間も終点、これより先は旧黒部鉄道となります。かつては黒部鉄道はこれより先、北陸本線三日市(現黒部駅)~石田港へ至る路線が存在し、廃止後も近年まで路盤が残っていましたが、後の区画整理で痕跡はほぼ消滅してしまいました。

   

主要駅だけあって堂々たる佇まいの2階建て木造駅舎で、車寄せの柱が印象的です。

  

コンコースも2階吹き抜けの主要駅らしいものですが、売店はシャッターが降りたまま、広告看板はとっくに業界再編で消滅した金融機関のもの...ただでさえ寂しい駅前も、目の前にあった廃墟然としたビルが解体されてしまい、更にがらんとしてしまいましたが。

ホームは有名な大屋根のある物だったり、構内には木造の車庫や保線詰所があったり、見どころは尽きません。

今回の改正で新設された、電鉄黒部―宇奈月温泉間のエリア特急くろべ号、電鉄富山方面から来た普通列車が、ここからこのヘッドマークを付けて特急として走ります。