長期連休をフルに使って遠出してきた人も、どうせどこに行っても激込みだから出掛けるのを避けていた人もいるでしょうが、それも今日で最後。私はどちらかと言うと後者の出掛けるのを忌避していた方ですが、後半の方でほんの少しお出かけしてきました。
以前から見てみたいと思っていた物件ですが、それだけの為に丸1日かけてここまで来るのも、と言う場所なので、他の目的地に向かう途中、少し大回りして組み込んでみました。駅舎は新しくなっていますが、構内はスカ色の省電が屯していた時代の面影を残していますね。省電は間に合わなかったにしても、その後も四半世紀前ならED62の貨物も、ED18やクモハ12の動態保存車もあって、それだけで十分訪問する動機になったはずなのに、何故か訪問せず仕舞い。この度のことでん旧型車の例を出すまでもなく、何時までも走ると思うな動態保存車、なのにねぇ…
目標は駅から歩いて10分程の場所にある郷土博物館の駐車場に鎮座しています。以前の写真を見ると、すぐ隣にプレハブの建屋があった様ですが、近年それが撤去されたので見易くなっています。
屋外保存にも関わらず、程度は非常に良好です。国の方針として旧い鉄道車輛は営業に使ってはならぬ、さりとて用途廃止になった車輛を解体せずにそのままとりあえず置いておくことも、静態保存目的で第三者に譲渡することも勘弁してくれ、みたいなスタンスなので、今残っている保存車は貴重なものになりそうです。
形態的にもメカ的にもEF52以降の国産電機に大きな影響を与えたことが見て取れます。
お馴染みWH-BLWの丸形銘板。当機ではレプリカになっていますが、ナンバープレートすら金属回収で鋳潰される中、多くの輸入電機、蒸機が「敵国」米、英の製造銘板を付けたまま戦時下を走り抜けたと言う事は、当時の鉄道官僚や現場の職員の戦争に対する考え方が見え隠れして興味深いところです。
静態保存機としては珍しく、ダミーの架線まで張られ、パン上げ状態での展示です。
ED14が全部鋳潰され、西武横瀬のコレクションすら今後が不透明な状況にあるなか、東海道電化の貴重な生き証人として残していって欲しいものです。
(2019年5月3日 箕輪町郷土博物館)