田舎の駅の外れに転がっている、この黄色い物体に注目した人はどれだけいるのでしょうか…
私も友人に頼まれての調べ物をしている過程で発見したものですが。元ネタのブログでも、只の旧い保線機械が放置されている、という扱いでしたし。試しに、「タッグローダー」というキーワードでGoogle検索してみても、画像が数件掛かる程度のマイナーな形式です。造ったのは中善工業という富山の会社ですが、全国的に分布したアントと違い、報告されているのは西日本中心で、静岡県以東では恐らく存在しなかったと思われます。それまで確認していた最後の目撃情報が1996年の山陰本線湖山駅なので、件のブログのタイムスタンプが2009年、些か情報が古いものの、一応状況確認してみる価値はあるかな?と思って現地に行ってみました。
本当にまだあるのかな、と半信半疑でしたが、7年前の画像と同じ様に、駅外れの草むらの中にそいつは佇んでいました。
エンジンに車輪を付けた様なのがアントなら、タッグローダーは平トロの上にエンジンとミッションを搭載してチェーンで駆動する、と言う感じで、より鉄道車輛らしい出で立ちですが、被牽引車をジャッキアップして粘着力を稼ぐと言う基本的な原理はは両者とも同じです。この個体は屋根はありませんが、ビニールテントを載せた物や、手作りのキャブを後付けしたのもありました。
アントに比べると手作り感たっぷりですが、一応規格品です。
エンジンルームの扉のルーバーのデザインがちょっと洒落っ気を主張している?
ドライビングポジションが高いので、アントより見通しが良く運転し易いかも知れません。
左の計器が速度計、右が油量計、水温計などです。速度計は無い個体もありました。
程度も悪くなさそうだし、どなたか拾ってくれませんでしょうか? 今となってはかなりレアな逸品だと思います。と言うか、他に現存する個体ってあるのでしょうか?
これがある近江本線日野駅は、他にも年季の入った木造駅舎も見応えがあります。駅前にやってくるバスはこんな田舎の駅だから、ポンチョあたりか良くて中型と思いきや、11m長尺の富士7E/UDでした。
ホーム上屋も相応に年季が入っています。耐震強度がかなりヤバそうですが… 駅の貴生川寄りには姿を消して久しいレールバス用の車庫と給油施設が残っています。電車とLEの併結運転とか何回か目にしていたのに、結局撮りに行かないうちに姿を消したのが残念です。
(2016年3月20日 近江鉄道本線 日野駅にて)