下段から釜ヶ淵にかけては立山連峰をバックに、常願寺川の扇状地の緩やかな勾配を上って行く好撮影地で、立山線で一番通った撮影地かも知れません。下段の駅舎も派手さはありませんが、これこそローカル私鉄の駅と言うべき風情のある情景が展開されています。
旧富山電鉄で出入り口が妻面側にある木造駅舎は他に早月加積がありますが、何れも出入り口が側面側にある西魚津や釜ヶ淵、寺田とかの様な個性は無く、どちらかと言うと癖のないデザインです。相変わらず永年の風雪に耐え、静かに朽ち、自然に還ろうとしている姿が…良く見ると、以前は極限まで傷んでいた屋根が直っています! 全体の枯れた風情は変わらず、最低限の維持措置は取られている…個人的には理想的ですが、利用する側からすると、いい加減新しく綺麗にしてほしいと言うのが本音かも知れません。まあ駅舎の機能で最も大切なのは雨風を凌げることでしょうから、雨漏りを放置するよりはサービス上は好ましいことでしょうが。屋根を補修するコストも馬鹿にならないでしょうし、取り壊してプレハブ待合室を置けば良さそうな気もしない訳ではありませんが、地鉄としては直して使えるものは直す方針なのかな? 今後他の部分も補修を進めるのか、他の木造駅にも波及するのか、興味深いところです。
中は以前と余り変わっていない様です。柱や梁は雪国仕様らしくしっかりしたものです。
ホーム上屋は富山電鉄標準の片流れ屋根、石積みのホーム擁壁と相まって、素晴らしいローカル線の情景を演出しています。
こんなセクションを模型化してみたいですね。京阪特急や14720形もも良いけど、やっぱりここは朱とクリームのツートンに塗られたモハ7540形やモハ10050形とかの重厚な戦前型がベストマッチかな? 一番場違いなのはやっぱり東急? いや681系サンダーバードもなかなかミスマッチかも…