北陸本線平行区間三連発の最初は浜加積、競合区間で、且つ比較的人口密度が高そうな区間に、何でこんな旧い駅舎が立て続けに存在している?と疑問に思いたくなりますが、この区間では速度でも運賃でも地鉄は話にならない状況なので、ローカル輸送における存在意義が希薄になっている故なんでしょうね。貨物や長距離優等列車の合間を縫って、2時間おきにEF70やらが旧客を牽いて優等列車の退避を繰り返しながらのんびり走っていた時代なら、30分毎に走る地鉄電車が運行頻度でも速度でも圧勝でしたが、国鉄末期に至り、大量に余った急行型電車や寝台電車をローカル転用して高頻度運行を始めたあたりから、地鉄の旗色が悪くなってきました。同様の現象で福井鉄道や一畑電鉄も苦境に陥りましたね。
駅舎は近郊住宅地の裏手に忘れ去られたように存在しています。こちらも典型的富山電鉄タイプですが、各駅少しづつ細部に変化があるのがまた楽しいですね。ここも駅舎に合わせた様な木造の便所が有った筈なのですが、撤去されてしまった様です。
車寄せの庇を支える柱の意匠は、この手の駅舎の多くに共通します。
すぐ隣が北陸本線なので、時代に取り残されたローカル駅をよそに、521系や高速貨物が轟音と共に突っ走って行きます。
地鉄の他の駅にも多く見られるように、駅舎からホーム上屋まで屋根で覆われており、雨の日でも一応ほぼ濡れることなく電車に乗ることが可能…です。上屋は古レール組併用の木製で、ちょっと風変わりな構造です。
一応最低限の保守はなされているようです。寺田と同じ様な造りですが、人の息吹を感じないとこうも寂しくなるものか、と感じました。