こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

ヒカリの世界ってどんなもの?

2014年10月28日 | 博物館・科学館

 秋ももう本番で、木も葉が色づいてきましたね。そして、博物館も展示を変更するシーズンとなりまして、様々なところで企画展や特別展が新たに始まっています。「かはく」、「国立科学博物館 上野本館」も今日から「特別展」が開始されました。それが「ヒカリ展 光のふしぎ、未知の輝きに迫る!」なのです。

 さて、「光」ですが、皆さんが思うに「電灯」が一番に思いつくのではないでしょうか?確かにアレも「光」ですが、この展示は「光そのもの」についての展示でして、「光の波長」や「不可視光」、「蛍光鉱物」「蛍光タンバク質を利用した製品」など「電球」や「次世代光源」などはほとんど紹介されていません。「次世代光源」としては「有機EL」や「LED」程度ですからね。

 入り口から入るとまずは「光の科学 Part1」。ココはイントロダクション的で「太陽光スペクトル」や動画での「光とは?」といった「基礎」を紹介。「蛍光タンパク質」を遺伝子組み換えにより作れた「光るまゆ」が天井に埋め込まれた「コクーンアーチ」を通ると「宇宙と光」です。

 「宇宙と光」と聞くと「星の光」しかありませんね。でもその光は実は様々。一般的に「光」といわれると「可視光」であるものを思い浮かべるでしょう。でも望遠鏡には「電波望遠鏡」という「電波で見る」望遠鏡がありますね?「電波望遠鏡」は「X線」や「赤外線」「紫外線」など「見えない光」を見るのです。ココでメインとなる話は「光は波でもあり粒でもある」コト。波の性質を持っている「光」はその「波長」によって「見える色」が変わったり、「不可視光」になったりするのです。私たちが見ている「色」は「可視光」という大体「380nm~750nm」の範囲で見ています。それと「可視光」では星の表面温度が色によって違うコトも判断できます。コレは「クルマ」の「HID」で「4300K」とか「6500K」といわれている「色温度」、「K(ケルビン)」が書かれていますね?アレは「低ければ赤く」、「高ければ青く」なっており、星の表面温度の判断と同じなのです。不可視光線の一つである「赤外線」「X線」や「γ線」は「電波望遠鏡」でみる事ができ、これで「星雲」内で「ガス」で見えない部分で「星」を判別したりする事ができます。それと「光」が「粒」でもある事も紹介されています。また、「太陽」から放射される「太陽フレア」なども「不可視光」で、コレによって発生する「オーロラ」があります。後半では「オーロラ」に関する説明となり「立体メガネ」で見る「3Dオーロラシアター」があります。でも「3D」で見たからってどって事は無いんですけどね…。なおココでは「宇宙」に関係しているので「JAXA」から借りてきたと思われる「人工衛星」たちの模型があります。

 3つ目のゾーンは「光の科学 Part2」。「光」は「波長」である事が先ほど説明されましたので「波長」によって何に利用されているかが紹介され、「電磁波」の波長による様々な用途、例えば「携帯電話」でよく聞く「800MHz帯」や「Wifi」の「2.4GHz」など、「遠赤外線コタツ」なんかもそうですしCD、DVD、DBも「レーザー」によって読み取りますが、読み取りレーザーの波長は違っていますし。光の正体を探った科学者たちの著書も展示され、中でも「ガリレオ」の「星界の報告」の「初版本」があるのは驚きです。

 宇宙の光が解ったとこで、今度は「地球と光」です。「鉱物の光」「美しい生物」、今回の目玉でもある「光る絹糸」や「光る花」はココで展示されています。「鉱物の光」と言っても「暗闇で輝く」なんて鉱物はありません。「紫外線」で「鉱物」を見ると全く違う姿が見えてくるのですよ。地味な鉱物が紫外線レーザーを照射すると、とてもキレイな蛍光色で発光する二面性は驚きと美しさを体験できます。「美しい生物」では「光の屈折」で色を見せる「モルフォ蝶」の仲間や「メタリック」な輝きをする「カナブン」の仲間が展示されています。そして「遺伝子組み換え」により「蛍光タンパク質」のDNAを組み込まれた「カイコ」によって作られた「絹糸」を使って作られた絹織物製品は近未来的ですが、実用性には乏しそうですね。もう一つ「遺伝子組み換え」によって「光る」生物となったのは「トレニア」。こちらは「世界初公開」と大変貴重なものとなっています。

 ここで折り返し、通路では「インターバル」的な感覚で「日本の明かり」と称して「ろうそく」「行灯」から「ガス灯」、「白熱電球」から「蛍光灯」、最近の「LED」に「有機EL」へ移行して行く様々な「照明器具」が展示されていましたね。

 第一会場最後は「光と人」。「不可視光」で見るカメラ「赤外線カメラ」や暗闇でもほんのわずかな光で映像をとらえる事ができる「超高感度カメラ」が展示され、現在は「光」によっても「1秒」が決められているのですよ。「セシウム原子時計」を越える時計として現在研究されている「光原子時計」も紹介され、「セシウム原子時計」も原理として「波長」から1秒を決められていることから「セシウム原子時計装置」の実物展示も有ります。

 ここで第一会場が終わり、「第二会場」へ。第二会場はいつもの如く「特別展ショップ」と簡単な展示で「スバル望遠鏡」スーパーCCD が撮影したアンドロメダ銀河を中心としたパネルと通常では「青系」のイルミネーションを使用しているように見えるクリスマスツリーのイルミネーションが「偏光版」を通すと「緑・オレンジ・赤」に光る「まゆ」が登場。2つの楽しみが出来るツリーなんていうのもあります。

 展示物が多く説明も多いのでじっくり見るとかなりの時間がかかりますね。身近で当たり前な「光」でもそれだけでは無く、光と一括りでは言い切れない「光」の姿を知る事ができましたね。それに「天体」関連が多く、知っているもの多かったですが、詳しく知れたのは良かったです。性質上「光」としての関連する事が多く纏まりに欠けているのはしょうがないと思いますね。

 それでは、本日の登場人物はこの方。「ベルギー国立博物館 天体室」の「学芸員」で「ブリュッセル・グリフォン」の「Chefille」の「コレット・アバック」さんです。天体と言えば光。そんなワケで「ベルギー国立博物館」での「光」展では「コレット」さんが活躍。さぁ、光について知りましょ!

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