チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

気が気でない熊本の大地震

2016-04-18 14:31:30 | 身辺雑記
4月18日(月)

 東北の大震災からまだ5年だというのに、またまた起こった大地震。

 熊本にはKAZU君の大好きなもう一人のおばあちゃんがいるのでとても心配です。

 一回目の大地震は14日の夜でした。アムステルダムはお昼過ぎだったのですが、テレビニュースで知った後、すぐにメールで知らせました。
 今はインターネットで世界中瞬時にニュースが流れる時代。すぐに実母の安否確認ができたKAZU君のお父さんから「大丈夫そう」とのメールが返ってきました。

 とはいえ、おばあちゃんのお家は熊本の中心部から北東へ10キロほど、熊本空港へは数キロ、車で10分ほどの所です。すぐ南には白川の清流がとうとうと流れています。
 幸い、今回は津波は起こらず川の逆流もなさそうですが、本当に大丈夫なのか、暗い中でどうしているのか、心配は尽きませんでした。

 可能なら、余震の心配もなく安穏と暮らせる明石に避難してほしいところですが、はたして、新幹線が動いている博多までたどり着く方法があるのか、あるいは迎えに行く方法はないものかと、ずっと考え込んでいました。

 思えば5年前、逗子の家に一人でいた妻君が、電気の停まった中、ただ毛布にくるまって、たび重なる余震の恐怖に耐えていると聞いて、すぐに明石に来るように言ったのですが、人間の心理というものは複雑なもので、なかなか自分のいる場所から離れる気にはなれないらしく、全く動き出そうという気配がありませんでした。
 とはいっても、外にいる者としてはやはり心配。じっとはしていられず、私のほうが妻君の反対を顧みず、小田原から路線バスを乗り継いで、真っ暗な我が家へたどり着いたのを思い出します。その翌日でした。福島の原発が爆発したのです。

 そんなことを思い出すと、熊本のおばあちゃんにしても、ご兄弟や親戚の方が近隣にいるわけで、自分一人だけ他所へ移ることなんか考えられないでしょう。家はなんとか大丈夫とはいっても、家財は散乱しているはずで、余震が収まれば片付けもしたいでしょうし、一時的とはいえ、その家をそのままに離れるというのには、かなりの決断が必要なのでしょう。

 熊本とメールが通じました。「無事に生きているので大丈夫」とのことなので、ひとまずは静観することにしてテレビで現地の様子を見ていました。

 そして土曜日の朝。テレビを点けると、熊本では一回目より大きな地震が起きて大変な状況になっていました。なんとこの地震が本震で、一回目の地震が聞いたことのない「前震」とかに訂正される始末。さらに、2~3分にごとに余震が起き、そのほとんどが震度3以上、震度4や5の揺れもたび重なり、これはいよいよ本腰を入れておばあちゃんを救出しないとと思い連絡を取りました。
 熊本からは、夜はご近所の方と車の中で過ごしたことや、その日(土曜)の夜は新築のしっかりとしたマンションにいる姪の所に身を寄せるということが伝えられました。

 一方、アムステルダムのお父さんからは、家もだいぶ傷んでしまい、また戻れるかどうか、落ち着くにしてもかなりの時間がかかりそうという情報も入りました。

 考えてみると、当面は危険のない所にいられるとはいっても、ライフラインは止まったまま、しばらくは、食料や物資の調達もままならないでしょう。今日、明石からもと取り敢えずの物資を用意したのですが、運送会社も郵便局も受け付けてくれません。いろいろな苦労を思いやると、やはり、被災地から抜け出せれば、それがいちばんいいのかもしれません。

 でもやっぱり、静観するしかありません。
 被災地では被災地での人間関係があるからです。この数日間の間にも、助けたり助けられたり、苦難の中で「絆」というか新しい心のつながりができているはずで、集団移住ならともかく、個別に自分の居場所から離れるのは簡単ではないのですから。

 外にいる者が、いくら冷静に考えたとしても、事態が切迫すればするほど、当事者でないとわからないことがあるのです。

 振り返ると、阪神淡路大震災の時は逗子でまだ寝ていました。5年前の3・11の時は明石でのんびりイカナゴを炊いていました。そして今回も明石でと、幸いなのかどうか、私は三回ともよそ者としての場所にいて当事者にならず、外の世界から「なんとかならないかなぁ」とやきもきしているだけですが、こればかりは仕方ありません。
 今は、ただただ早く余震が収まって、いち早く復興に向かって立ち上がれる時が来るのを願うばかりです。

 さてさて、もしかすると、次に大きな地震が襲う時は私も当事者になるかもしれません。その地震は東南海でのプレートが動く時なのか、南関東の活断層がずれる時なのか、とにかく、今新築している家、耐震基準は万全とはいっても、しっかりと地震保険に入らねばと気を引き締めています。


コメント
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