チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

久しぶりの飛鳥で「巨大方墳遺蹟」を見学

2015-01-20 20:34:27 | お出かけ・散策
1月20日(火)

 先週15日の木曜日、夜のテレビを見ていると、飛鳥の小山田遺蹟の調査で「巨大方墳」の掘割が見つかったというニュースが流れて来ました。

  翌日16日の朝刊
  

 どうも、蘇我馬子の墓とされている石舞台古墳より大きなものが推定されるようです。
 私自身、古代史にそれほど精通してはいないのですが、2010年から二年間、妻君が飛鳥の近くに隠棲していた時に一緒に散策することも何回かあったので、少しずつ関心が深まったことも確かです。

 新聞には18日の日曜日に現地説明会があるということが載っていました。もし妻君が奈良にいれば、さぞ胸をときめかして出かけるであろうに、明石の部屋でのんびりと広島の男子駅伝のテレビなんかを見ている場合でもありません。

 最寄り駅は近鉄の岡寺駅。そこで、大阪駅から天王寺へ向かい、阿部野橋から南大阪線に乗りました。電車の中には同じ目的と思われる人が何人か乗っていて、年配の人たちの会話で、橿原神宮駅から臨時バスが出ているということを知りました。

 小山田遺蹟は、岡寺駅から1㎞ほど東にある菖蒲池古墳とその先の甘樫丘の南端に挟まれた養護学校の敷地内にあります。

 橿原神宮駅からバスで10分、さすがに冬の飛鳥らしい冷え込みでしたが、風がなく気持ちの良い青空が広がっていました。

 久しぶりの飛鳥の里、まず菖蒲池古墳の丘に上ると、なつかしい景色が目の前に広がっていました。

  二上山と、左に葛城山
  

 さすがに、まだ菜の花は咲いていませんでしたが、

  黄水仙がのどかに日向ぼっこ
  

 発掘現場は
  明日香養護学校の敷地内でした
  

 昭和41年にできた養護学校ですが、建設当時は遺蹟指定地ではなく、考古学的調査は行われなかったそうです。その後、敷地内から木簡が出土し、橿原考古学研究所が継続して調査を行なって来たそうです。
 今回の巨大方墳の掘割は、教室棟の耐震化に向けての改修工事に伴って行われた第5・6次調査で発見されたもので、規模の大きさから、蘇我氏の大物か天皇の墳墓である可能性が高いと言われています。
 謎の解明はさらなる調査にかかってくるのでしょうが、なにしろ現場は学校の敷地内ですから、教育環境の維持と遺跡保存がうまく両立できるのかどうか、今後の取り扱いについて議論が起こりそうな感じもします。

 パネルの前で
  10分ほど説明を受けて
  

  校舎の裏に回ると長蛇の列
  

 翌日の新聞で知りましたが、この日、遺跡説明会では異例の8000人が訪れたそうです。私ごとき者まで行ったのですから、さもありなんというところでしょう。

 150人ずつ、
  順番に見学します
  

 手前から掘割の貼石と敷石。
  その向こうが墳丘の裾の部分
  

 重要なポイントは、墳丘の裾とみられる向こう側(南側)の石積みで、基底に緑泥片岩を置き、その上に「榛原石」と呼ばれる安山岩を段状に積んであるところです。この安山岩は桜井市の東方の室生で産出される石で、「室生安山岩」と言うそうです。

 この場所、蘇我蝦夷・入鹿父子の邸宅があった甘樫丘に隣接していることから、蝦夷の墓ではないかという見方ができる一方、「榛原石」を使った板状の石積みは、桜井市忍坂にある舒明天皇陵とされる段ノ塚古墳と同じで、他には例がないこと。さらに、舒明天皇の墓は一度改葬されたという記述が日本書紀にあることから、改葬する前の初葬地ではないかという見解も出てきて、古代歴史ロマンが一気に広がっているのです。

 発掘現場西側から。
  右(南)側に墳丘があったもよう
  


   往にし世も知るや飛鳥の黄水仙   弁人


 上の写真の前方左に甘樫丘が見えていました。丘の上に行けば発掘現場が見下ろせるかもしれないと、遺跡見学の後、気持ちのいい日射しに誘われて、甘樫丘へ向かってみました。

 凜とした空気に満ちた
  静寂な坂道
  

 少し雲が多くなってきた中、丘の上から
  橘寺方面を望んで
  

 南端に行くと、
  養護学校と発掘現場が見下ろせました
  


   甘樫も飛鳥の里も冬日中   弁人


 散策を終えて橿原神宮駅に戻ると、10分後に京都行きの特急がありました。どう考えても、阿部野橋経由が早く帰れそうなのですが、吉野からの特急には時間が合わなかったので、

  京都経由で明石へ帰りました
  


コメント
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