チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

カープファン、今年は大きな期待と一抹の不安

2014-06-27 11:42:37 | つぶやき
6月27日(金)

 プロ野球は、セパ交流戦が終わって小休止。今日からリーグ戦再開です。カープは現在66試合を終えて36勝30敗。年間の試合数の半分まであと6試合、全部負けることはないと思うので、勝ち越しで折り返すのはまず間違いありません。

 なにしろ、ここ何年もの間、貯金を持って後半戦に突入なんてことは全く記憶にありませんから、一時「12」もあった貯金を半分にしたとはいえ、首位ジャイアンツに2・5ゲーム差の2位というのは、なかなかの好成績なのです。

 ということで、今年のカープファンは大いに盛り上がっていて、ワールドカップで日本代表が負けてしまっても、まだ夢に胸踊らせていられる幸せ者なのです。

 その夢というのは、もちろん、1991年以来23年ぶりのリーグ優勝と30年ぶりの日本一ですが、その夢に向かって頑張っている選手の活躍を生で見たいと思いつつも、残念ながら、なぜか今年はまだ一回もその機会がありません。
 実は、5月22、23日にあったオリックス戦、明石から近くの「ほっともっとフィールド神戸」だったので、シーズン前から楽しみにして、カレンダーにも印を付けていたのです。ところが、神奈川での通院の日とか飲み会とかに重なってしまい行けなかったのです。まあ、ちょうどチームが調子を落として連敗を喫した時だったので、ブログにぼやきの記事を載せずに済んでよかったのかもしれません。

 ところで、その昔、天王山で秀吉が光秀を蹴散らしたのは旧暦の6月13日だそうで、今で言うと7月初旬になります。ちょうどその時期の、来週1日の火曜日からジャイアンツとの3連戦があるので、はたして、カープファンの夢が現実味を帯びているのかいないのか、なんとなくわかりそうな気がします。一週間後の気分はどんなものになっているのやら。理由は次に記しますが、あんまり自信はありません。


   七夕の願いやいかに天王山   弁人


 実際、数字を見れば、「今年のカープは好調」ということになるのでしょうが、本心はそんな呑気な状態ではありません。去年までの弱いカープに、いつ戻ってしまってもおかしくないという一抹の不安が拭いきれないのです。

 というのは、3月のオープン戦を見た時も思ったのですが、基本的には、戦力的に去年とあまり変わっていない印象があるからです。
 オープン戦の日のマウンドは野村だったのですが、ストレートは130キロ台で、微妙なコントロールが乱れると打ち込まれそうな気配。
 新人の大瀬良・九里の二投手が元気そうでしたが、新人二人に、巨人に取られた大竹の穴を埋めろというのも酷かもしれません。
 野手では、三振とエラーの多かった堂林が一皮むけた感じがしたのですが、シーズン直前にまた三振の山を築き出して期待できず。
 といった具合。

 ところが、いざ始まってみると、主砲エルドレッドが打つは打つは。新人二投手もそれなりに投げ、巨人から大竹の見返りで来た一岡と、去年までパッとしなかった中田と永川が中継ぎでがんばる、菊地・丸の「菊丸コンビ」もうまく機能し、開幕からひと月も経たない23試合目には貯金が「11」になりました。

 でも、今年は本当に強くなったのかというと、どうもそうでもなさそうな感じもするのです。

 まず投手陣。エースマエケンと守護神のミコライオは150キロ以上の球を投げますが、続く140キロ台後半の球を投げる新人の大瀬良を除くと、あとはバリントンも野村もコントロールが生命線の内容。ところが、二人とも防御率は4点台ということは、やはり信頼感は今一つなのです。新人の九里も初めは二勝しましたが、これもストレートの球速が140キロやっとで連休前から全く勝てません。今の野球、投手は140キロ台後半の球を持っていないと、マリナーズにいる岩隈のように、よほどのコントロールがない限りローテンションに入るのは難しいようです。
 球の速い今村君、前半はほとんど二軍暮らしでしたが、何とか制球力を磨いて、中継ぎでも先発でもなんでもいいから出てきてほしいと去年から待ち続けているのですがね。

 さて攻撃陣。勝っている時は、確かに好調のように見えますが、ホームランは多いものの、実はタイムリーはそんなに多くないのです。それに、速球派の投手にめっぽう弱いのは今までどおりです。幸い、セリーグにはジャイアンツの菅野ぐらいしかいないので何とかなっていましたが、交流戦でパリーグの好投手を相手にすると、昨年までの貧打線そのままに全く手も足も出ませんでした。

 要するに、開幕ダッシュに成功したのは、とにもかくにも、シーズン当初全く調子の出なかったドラゴンズとDeNAとヤクルトのおかげなのです。この3チームは連休の頃から少し上向いてきたものの、なんとか五分五分に渡り合っているうちに、貯金を「12」にして交流戦を迎えることができたのです。

 シーズン当初に「10」以上の貯金を持つ、これはなかなかすごい。3連戦1勝2敗の負け越しをを10回以上経ないと5割を切らないわけですから。したがって、多少チームの調子が落ちてきても、それなりに勝ちを拾っていけば簡単に転落するはずがないのです。

 そんなわけで、交流戦のスタートでつまずいた時も、あわてず騒がずでいたのですが、さすがに9連敗となると穏やかではありませんでした。でも、今年はそんなにだらしがないはずはないと念じていると、最後は5連勝で締めくくり、貯金は半分になったものの、まだ6つ残っています。やはり、貯金「12」は大きかったということでしょう。

 ここで、一つだけカープ選手を弁護しておきます。それは交流戦序盤の4連敗についてです。
 セリーグの本拠地は、広島が一番西で東は東京。札幌から福岡まで広く分布しているパリーグより移動が楽に見えます。
 たしかに移動距離は短いのですが、札幌も福岡も空港からのアクセスはとてもよいのです。ところが、広島空港は尾道に近い三原市にあって、アクセスが非常によろしくありません。結果、カープナインは新幹線移動に頼ることになります。

 交流戦の前、カープは米子の地方遠征でタイガースと戦い、米子からどこで新幹線に乗り換えたのか、東京ドームでのジャイアンツ戦に臨みました。結果、マエケンが菅野に投げ負けるも、大瀬良バリントンが踏ん張って2勝1敗。
 ここで交流戦に入りました。最初の相手は、パリーグでダントツの首位争いをしている絶好調のソフトバンクとオリックス。それも敵地です。
 巨人戦を終えたナインは、まず東京から福岡へ移動。ここは飛行機だったのでしょうか。次は、福岡から神戸です。多分新幹線でしょう。とすれば、本拠地マツダスタジアムの前を素通りしての移動となります。マツダスタジアムでの試合は11日を最後にして移動の連続の中だったのです。
 つまり、阪神に1勝1敗、巨人に勝ち越したものの、投手総力戦の果てに始まったのが強いソフトバンクとオリックス戦だったのです。心配していたとおりの4連敗でした。本拠地に戻ってライオンズに連勝はしたのですが、チーム全体が疲労骨折の感、泥沼にはまって、その後9連敗を喫する結果になりました。

 とにもかくにも、日程の厳しさに押しつぶされた感じは否めません。

 よく夏の甲子園の期間中に、「タイガースが死のロードに出る」とか言いますが、その間、京セラドームでの試合が入っていて、「移動の大変さはカープには及ばない」と、広島から阪神へ移った金本・新井両選手も言っています。

 ここで、カープナインがよく味わうハードスケジュールを紹介しましょう。

 時間は試合開始時刻ですが、例えば、
 5月5日マツダ13:30、翌6日神宮18:00というパターン。これは前日の夕方に試合が終わるので比較的楽なのかもしれません。
 ところが、6連戦の真ん中のいずれもナイターで、4月10日東京ドームの翌日にマツダというパターンは、時間の推移を考えると、とてつもなくハードなのです。
 試合が終わるのが22時頃ですから、その日の列車はもうありません。たぶん夜中に寝て、翌日の早朝の新幹線で移動し、午後の練習を経てそのまま試合へということなのでしょう。広島-東京は「のぞみ」で約4時間、前日のことを考えると、6時の列車は無理でしょう。でも、9時の列車では、バス移動と食事タイムを考えると遅すぎます。
 実はこのパターン、4月中にまだ二回もあったのです。17日マツダで翌日横浜。24日神宮で翌日マツダと三週連続でした。

 (僕だったら、9時の列車でも早すぎて、体調維持が難しそう・・)

 もしかして、「条件は相手も同じじゃないか」と思いますか? ところがどっこい、そうではないのです。4月10日東京にいたジャイアンツ、翌日は横浜なのです。同じように、17日のDeNAは名古屋から横浜へ行けばよく、24日のヤクルトはそのまま神宮という具合。

 そうそう、5月始めの9連戦も大変でした。最初に挙げた例もその期間中だったのですが、まずマツダで3連戦。ただし、最初に記したように3試合目はデーゲームでした。続いて神宮でナイター3試合、そして、連続ナイターの例のパターンで、翌日の早朝に広島へ移動しての3試合が待っていました。
 この過酷な9連戦を5勝4敗で乗り切ったのですから、とにかく「偉い!」の一言。でも、やっぱり相手は、DeNA、ヤクルト、中日で、前半戦はこの三球団に「感謝、感謝」といったところでしょうか。。

 私もしょっちゅう新幹線に乗りますが、「ひかり」に乗ることが多く、「のぞみ」のグリーン車に乗ることは滅多にありませんので、選手に遭遇することは望むべくもありません。でも、もし仮にそんなことがあったとしても、ねぎらいのことばをかけるのも控えたくなってしまうでしょう。


 さあ、リーグ戦再開まであと6時間。鯉軍団は横浜に陣取っています。投手はみな休養十分、今日はマエケンですから、まずはエースで貯金を一つ増やしてほしいと楽しみにしています。


   東へ西へ流離ふ鯉の夏の陣   弁人


コメント
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