チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

海峡の朝霧、再び

2014-06-08 19:20:27 | 明石風物
6月8日(日)

 海峡を望む明石の部屋。海の手前には、国道2号線と山陽本線の線路が走っています。

 毎朝、6時を過ぎる頃から電車の本数が多くなるので、その通過音で目が覚めるという具合ですが、たまに、汽笛の音が聞こえてくることがあります。汽笛と言っても、もちろん蒸気機関車の汽笛ではなく、船の警笛です。
 「今朝は霧が立ち込めているのかな」と思いながら起きてカーテンを開けると、思った通りのことがよくあります。

  一週間前、5月末日の土曜日の朝でした
  


 明石海峡の朝霧については、3週間前の5月19日付の記事に載せましたが、その記事の中で紹介した濃霧の写真は3月27日のものでした。その間、何回か霧の朝がありましたが、視界数十メートルくらいの濃霧の朝はあれ以来かもしれません。

 さっそく新聞を買いに朝霧駅の売店へ行きました。

  朝霧名物?の「朝の濃霧」
  

 海に向かう歩道橋で線路を越え、
  駅方面を振り返ると
  

 正面の海のほう、
  もちろん明石海峡大橋は全く見えません。
  


   梅雨近く霞か霧か影仄か   弁人


  どうも、霧の中に海上保安庁の巡視船がいるようです
 


 視界200メートル以下という注意喚起の声が流れています。車だって濃霧の中は怖くて運転する勇気はありませんが、おそらく海上も同じでしょう。いったい船の舵を握っている人はどんな気分なんだろうと心配になりました。
 そのうち、霧の中で船が衝突でもするのではないかという不謹慎な野次馬根性から、しばらく海岸で新聞を読んでいようと、ベンチのほうへ行きましたが、

  露に濡れていて座れません
  

 仕方なく部屋に戻って、海上交通センターのサイトを開くと、「視界不良情報」なるものが出ていて、漁船などの小型船舶以外は運行を止められているもようでした。

 こんな指示です。
「31日06時30分より、明石海峡の視程が1,000メートル以下となりました。これにともなう、航路外待機対象船舶は次のとおりです。
 巨大船、特別危険物積載船、及び、長大物件曳航船。
 これらの船舶は、現在、明石海峡航路へ入航することはできません」

 この日の霧もしぶとくて、この警告はお昼近くになっても解除されていませんでした。前の日もこの日もお日様は出ていたのですが、風のほとんどない穏やかな天候だったからだと思います。


   警報も白き帳に紛れけり   弁人


 ところで、俳句の世界では、「霧(きり)」は秋の季語で、春の季語は「霞(かすみ)」となっています。それでか、「霧」というと秋を連想していたのですが、気象の世界では、「靄(もや)」という表現はあっても「霞」という言葉は使わないそうで、季節に関係なく視界が不良になると「霧」と言うそうです。

 そんなことを神戸海洋気象台へ問い合わせたついでに、いくつか質問をした結果を列挙すると、

 ○ 明石海峡は、西から瀬戸内海の上を、南の紀伊水道から大阪湾の上を風が通りやすく、その海風の影響で気温が低くなる傾向がある。
 ○ もともと海上で湿気が多く、前夜との気温差が大きくなった無風の朝は霧が発生しやすい。
 ○ 季節的には、春先から梅雨期にかけて多く、秋から冬にかけては湿度が低めで、風の無い穏やかな日が少なく、霧も発生しにくい。

 明石海峡には、そんな気象的な要素があるらしいのですが、気象庁が発表する明石の気象データーは、いったいどこで観測しているのか気になります。

 市役所が大蔵海岸沿いにあるので、その中かもしれないと出向いたところ、観測施設は市役所内ではなく、明石市二見町南二見にあるということでした。
 地図を広げると、明石のいちばん西の端にある人工島で、市の海浜公園はありますが、ほとんど工場ばかりの所です。
 とりあえず、島に渡って海浜公園に行きましたが、そこではありませんでした。公園事務所の人の話では、島の南端に県の水産技術センターという公共施設があるということなので行ってみると、「ありますよ、この建物の中に」といううれしい返事が。

 エレベーターで4階へ案内してもらうと、予想どおり関係職員のいない無人の施設で、ガラス越しに「気象庁アメダス」という気象台へ自動送信する機器がありました。
 その廊下の突き当たりの東側のベランダに出ると、同じ敷地内に「兵庫県栽培漁業センター」という施設が広がっています。観測機器は東側の海の手前の、

 海水濾過槽とかいう
  建物の上にありました
  

 近くから見ると、風向風力計とその下に
  観測機器らしきものが
  


   海峡を機器見守りて夏の風   弁人


 この水産技術センターは、明石海峡で獲れる魚について、さまざまな面から研究している施設で、そういえば、「イカナゴ」の漁獲予想などで何回かサイトを開いたことがありました。ここでは、実際に獲れる魚を生簀で泳がせているようで、

 海水濾過槽の手前に、
  大きな水槽が並んでいました
  

 ここは、海に突き出た島の端ですから、風も強く気温も低めに出そうな感じがします。それに、明石のいちばん東の端にある私の部屋からは、20キロ近く離れているので、ここの観測値をそのまま鵜呑みにはできなさそうですが、海風をまともに受けるという点では大差ないので、そんなに大きく異なることはないのかもしれません。
 そうは言っても、正直なところ、もっと市の中心部に近い所にあったほうが、市民の生活実感に沿っているのではないかと思ったりしますが、それは素人考えで、きっと何らかの事情があるのでしょうね。


コメント
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