チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

つぶやきNo5 「早く総選挙を」

2009-07-02 10:14:46 | つぶやき
7月2日(木)

 一昨年の秋だったでしょうか。総理大臣が安倍晋三氏から福田康夫氏に変わった時に、早く総選挙をして新しい体制で日本社会の閉塞感を打破してほしいと痛切に思いました。
 しかし、結局解散できずにその首相も辞め、当初は選挙管理内閣っぽい色彩を持って発足した現政権は、ただひたすら権力の延命を図る中で自らを窮地に追い込み、9月には任期満了も迫っているというのに、マニフェストをまとめる機能も失っています。
 そして、つまらない駆け引きに時間を費やしているうちに、国民全体をも泥沼の中に引き込んでいるかの様相、どうにも我慢がなりません。

 だいたい給付金では自動車はおろかテレビも買えません。1000円で列島を走り回ってご満悦のあとのお盆明けに選挙とかを考えているとしたら、本当に国民はバカにされたものです。
 景気対策と言いながら、「給付金」も「高速1000円」も「エコポイント」も、どう考えても一時しのぎの関心集め、一部の人はほくそ笑んでいるかもしれませんが、税金の無駄遣いと温暖化促進の愚策としか言いようがありません。

 もともと小選挙区制というのは、二大政党制を促進するための制度だったはずなのに、その方向で行われる選挙を目前にして、今、一つの政党が崩壊寸前の状態になりました。原因は、政権与党の中で権力を行使したいという気持ちを捨てきれない議員一人ひとりのエゴからきています。
 やはり日本では二大政党制は無理なのかもしれません。でも、そのことは今後の課題として、とにかく現制度下で一方の政党が崩壊する前にちゃんと選挙をしてほしいものです。

 心配なのは、明日からの天皇の海外訪問中の2週間です。この間に政権与党の党内抗争が激化すると細胞分裂のような事態になりかねないということです。
 先日更迭された前総務大臣の言動からもわかりますが、多くの議員が負組から抜け出したくてうずうずしているのです。内輪もめの果てに離反者が続出し、組織としての体をなさなくなる可能性も否めません。
 ちなみに天皇の海外訪問中でも解散はできるのです。代行なさる方がいらっしゃるのですから。ただ、そんな時に解散すると、計画性のなさを非難され反発を招きかねないということなのです。でもこの段階まで来て、そんなことを言っていられるのでしょうか。もともと今の内閣に計画性などということを求める人などいないし、躊躇しているうちに本当に自民党自体が空中分解しかねないのですから。



 ところで、今度の日曜日の7月5日、こちら兵庫県では県知事選挙が行われます。全国的には、同じ日の静岡県知事選挙が総選挙の前哨戦ということで注目され、兵庫県のほうは話題にもなりません。
 なぜかというと、現職の知事が共産を除く自民、公明、民主等の相乗り推薦を受けていて、政策を含めて対立の図式が見えないからです。選挙はゲームではないので「面白くない」と言うのは不謹慎ですが、有権者の興味が向かないのは事実でしょう。
 県議会の構成を見ると、各政党の会派が存在しているのですから、国政レベルで対立している政党が県政レベルでどういう一致点があるのか、つまり、政党として或る候補者を推薦する理由を明らかにすべきだと思います。選挙公報では無理でしょうが、有権者にわかりやすい形で伝わるようにしてほしいものです。


 私は今まで投票所に行かなかったことは一度もありません。でも白票を投じたことがあるのです。
 かつて神奈川に革新知事が誕生したことがありました。ところがやがて、この知事が保守派からも指示されてオール与党になったのです。地方自治レベルではそのほうが住民のためになるのかもしれませんが、状況によっては、「革新」を標榜していても、体制側のご都合にも縛られるようになったりするのです。
 神奈川のこの知事は、逗子市の森林に米軍住宅を建設する問題で、初めは市民の意思表示を尊重する姿勢を見せながら、結局は国の圧力に屈して容認の立場に回りました。その結果、有権者の中に、違う考えの人を知事にしたいという意識が生まれても、オール与党の無風選挙ではどうにもならないのです。
 それだけではありません。有権者の関心が高まらない低投票率の中で、小都市が抱える問題を県民レベルではどう考えていくのかということを問う機会も失われてしまうのです。
 最近、二つの市にまたがる同じ森林の、もう一つの市の地域に計画された米軍住宅の建設を巡って、隣接する自治体同士が対立するという問題が生じています。こういう場合、国家の安全保障の問題が直接地域社会に重荷となってのしかかってくるのです。もし県民レベルでの支援があったらといつも思うのですが、そういう意識の有無が確認できません。


 話を戻します。
 兵庫県知事選はここ何十年もの間、何回も非共産対共産という図式の選挙が続いているそうです。どうも、神戸の市長選挙も、私のいる明石の市長選挙も同じ図式のようです。道路脇の掲示板には二人の写真が並んでいますが、見向きする人も少なく、公共施設の前の棄権防止啓発ののぼり旗がのどかにはためいています。このあいだ県立高校の正門にこの旗が並んでいる光景を見ましたが、関心の高まらない選挙戦と若者への啓発?、ちょっと滑稽だと思いませんか。
 今の県知事は「首都圏で大震災が起これば、関西の振興のチャンス」という発言で、石原都知事ともめた人物です。個性もあり、きっと手腕もあるのでしょう。でも地方とはいえ、保守的な支持基盤の中で権力を持っていれば、中央政権や企業などの利権とのしがらみもあるはずなのです。それが県民にどういう利益を与えるのかということを明らかにするためにも、有権者にとってもっとわかりやすい対立軸が必要なのではないかと思います。

 そんなことを思いながら新聞を眺めていたら、片隅に横須賀市長選挙の結果が載っていました。その後テレビでも報じていましたが、自・公・民・社・国新の五党相乗り、その上地元での人気が抜群の小泉元総理も応援した現職が敗れるとの報でした。負けた政党、みんな仲良しだったんですか。どう考えてもわかりづらい。不可解。そして滑稽な結末。

 国政レベルでの野党もしっかりしないと、有権者の中には予想もつかない新しい風が吹き始めているのかもしれません。「その人の政策でいいから」、あるいは「候補者を立てても勝ち目がないから」と、理由はいろいろあるでしょうが、庶民は「相乗りの無風選挙なんかには、なんとかして一矢を」という気分になっているのかもしれません。

 先日、NHKのローカルニュースで、前回の兵庫県知事選は33%という史上最低の投票率だったが、今回の調査では、投票に「必ず行く」「行くと思う」と答えた人が60%に及んでいるというようなことを言っていました。本当かなと首をかしげつつ、横須賀の例も考えると、もしかしたら有権者の中に今までとは違った意識が生まれているのではないか、圧勝と思われていた人が落選でもしたらどうするのだろうと、兵庫県では選挙権のない部外者が勝手に心配したりしているのです。


 それはともかく、

拝啓、総理大臣殿。
 追い詰められてどんな策を弄してもあがきにしか見えません。どうか、明日の日本のために、一刻も早く、国民が自分の投票の結果で誕生したと思えるような政権にして下さい。
 不況は長引くかもしれません。増税もあるのかもしれません。しかし、選んだ覚えのない人の政策で押しつけられるのはまっぴらです。
 あなたの率いる内閣は、私たちの投票の結果で生まれた政権ではないのです。


コメント
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