EL COMPADRE

 

EL COMPADRE 、スペイン語で ” 相棒 ” という名前のワインでした。

軽やかで気軽に飲める。透明感のある赤い色。

コンパドーレの名に頷いてしまう気楽な、それは気が置けない1本でした。

中身そのものが好きな味わいでしたが、それと同じくらいに惹きつけられた

のは、ボトルに貼ってあるラベル。

ワインの壜には、それぞれにこだわりのデザインのラベルが貼られていて

ワインショップやワインコーナーの棚はいつだって見飽きず楽しいのですが、

それはイラストレーションのラベルだったのです。

色鉛筆のタッチと色使いが、

描かれている空間の板張りの床と、背もたれ付きの木製ベンチの簡素さが、

そしてそれらが並んでいる様子が、

右奥の光源のような入り口からの強い光の通路と、席空間全体を包む紺色の暗がりと、

その光と影のコントラストが、

なんとも魅力的で趣のある上手いイラストではないでしょうか。

教会?それとも教室? このワインと関係ある場所?

なんだろうこの空間は・・・?

答えは、イラスト横の小さな英文にありました。

 

「 このラベルのイラストレーションが描いているのは、マジェコ地区にある

カピタン パステネ町の映画館の内部です。それは、南米で最も古い映画館です

( 109歳 )。」

 

それは・・・映画館だったのでした。

この ” 相棒 ” ワインが造られたのが、チリの最南端の寒冷地・マジェコバレーで、

同地区のカピタン パステネは、120年前イタリアからの移民が作った町だそう。

2018年のワインでしたから、109+6=115、この映画館は、今年は115歳です。

ということは、今年生誕120年というカピタン パステネ町が誕生して5年目に

できた映画館なのでした。

イラストをよく見ると、ベンチは後ろにいくにしたがって、段が高くなっていました。

実に映画館の造りです。

しかも、きっと手作りの。全部木で作られた、115歳の!

大きな白い布を垂らして、当時の人気映画を上映して、満員御礼、大人も子どもも、

お痩せも太っちょも、みんなのお尻がぎゅうぎゅうのっかって、

泣いて笑っての日々の娯楽を提供し続けたベンチだったに違いありません。

 

土地と町の歴史への敬意と愛を、軽妙洒脱に表現してみせたワイナリーのセンス

に刺激を受けますし、伝えられた小さなストーリーに、映画ファンのハートは

ほっこりと感動するのでした。

Echeverria エチェヴェリア というチリの小さなワイナリーのワインです。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

金曜日は、カウンターの前を通ると、香ばしい小麦粉が焼けた匂いが

ふうわりと。

春は、軽やかなワインと、小麦を味わうシンプルなパンとで

親しい人とただただ語り合いたいですね。

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのお越しを

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

 

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