毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
アリスンの百日草
2012-04-04 / 本
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/80/064dba972a8d74de3a9a7a3f22ce8e53.jpg)
ときめきの出会いです。
アニタ・ローベル 『 アリスンの百日草 』。
花と、少女と、アルファベットが、優しく 「 ・・・のために ( 〜 for ) 」で
繋がっていく、という、にっこりせずにはいられない内容の絵本なのです。
作者は『 がまくん と かえるくん 』 のシリーズの 故・アーノルド・ローベル氏の
夫人、アニタ・ローベルです。
彼女の描く絵に、最近とっても心惹かれておりました。
いきいきしているのです。力強いのです。そして、愛に満ち溢れていて、優しい。
この、『 アリスンの百日草 』 は、アニタの、「 私の愛する花たち!! 」 という思
いが、じわーっと伝わり、私の気分を上げてくれます。
花・花・花。
アルファベット順の名前の頭文字を持つ少女達が、次にくる頭文字の少女のために、
花仕事をするのです。そして、次々と、リレーのように、繋がっていき、
最後の ” Z ” の少女は、最初の ” A ” の少女のために・・・。
ページの三分の二くらいに描かれた大きな花の絵、その下に英文、その下に頭文字と
少女の絵、そして、最後に日本語訳文が一行、です。
細やかに書き込まれた花達は、花びら一枚一枚、葉っぱや茎、雌しべや雄しべに至る
まで、その花の個性を描ききり、常に次のページ・・・つまり右向きの視線をしながら
花仕事にいそしむ少女達の、ちょっと愉快な表情と仕草、着ている洋服や
部屋、庭などの背景や小物などの書き込まれた愉しさ!
アニタ・ローベルの世界です。
どんな風か、といいますと ・・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/55/db734f821e5e6fbef684b8bcc36aabfe.jpg)
ドーンは エミリーのために らっぱすいせんを掘りました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/63/8e386d6811bcf41bc64190757506bff7.jpg)
マリッサは ナンシーのために もくれんに きりをふきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/ed/a994633265baefa7eaa623a7bfe71c5e.jpg)
ヘザーは アイリーンのために ヒヤシンスに 水をやりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/89/0a83892c9c74a69690a0f1867c109e18.jpg)
ジーナは 百日草を しらべました。 アリスンのために ・・・・・・
ここ札幌で、これから咲く、もうすぐ咲く花たちと、最後の ” Z ” の百日草を選ん
でみましたが、このようなページ構成で、アルファベットの順番にしたがって、
” A ” のアリスンは、” B ” のベロルのために、” B ” のベロルは、
” C ”のクリスタルのために、・・・・・・ と、少女が花を繋げていくのです!
なんて素敵なアイディア!
アニタは、友だちを訪ねたフロリダからニューヨークへ帰る飛行機内で一気に書き上げ
てしまったそう( 花たちの絵は、1年以上かかったそうですが )。
23 X 31cm の大判の絵本です。
一冊の、豪華な花の画集のようでもあり、子供のための ABCブックでもあり、
英文レッスン集にもなるでしょう。
それにしても、花・花・花!!!
『 アリスンの百日草 』 は、 花とはなあに? というシンプルな問いを、初めて
私に投げかけてくれた本でした。
花って、一体 なにかしら?
なにゆえ、花は咲くのだろう?
考えたこと、ありますか? 私、一遍もありませんでした、今まで。
結構深い問いだと思うと同時に、その答えは、言葉になる前に一瞬のうちに閃くもの、
解っている人は、ただ、解っている・・・・とも思います。
アニタと少女たちは、ただただ、解っているのです。言葉になんかはしないけれど。
花は、考えるものではありませんね。でも、じゃあ何?という、それから先が自分の中
でまとまらない。 まとめなくってもいいのでしょうけれど・・・。
『 アリスンの百日草 』 は、ときめきの理由の中に、そのようなテーマを導いて、
自分にとっての 「 花 」 を思うきっかけをくれました。
わたしにとって、そういう本です。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« 掲載誌のお知らせ | ONE DAY » |
先だって読んでいた数学者の先生のエッセイに、
「何故数学など勉強するのか、と聞かれるが、
すみれはただすみれのように咲くだけであって、
私もただそこに数学があるので、勉強するだけだ、
と答えることにしている。」
というような一節があり、なるほどなあ…と、
深く感心しました。ただそこにあるように。
いいですねえ、それ。数学は、苦手でしたけど。
店にいらっしゃるのは主に女性で、小さい子も若い方も、
人生の大先輩な方も、それぞれ皆さんきれいです。
テレビや映画で見る女優さんや、タレントさんのような
花屋さんで売られている派手で立派な花のようではなく、
それは野に咲く花のようなのです。
すみれも、オオイヌノフグリも、ちっちゃいハコベの花も
よく見るとそれはそれは可憐で可愛らしい。
きれいで可愛らしいもの、は、私達の身近に確実に
あるんだなあ、と、そんなことにひとり納得する
春のはじめです。
fika.さんは、野草や野の花への愛をいつも季節感
たっぷりの楽しいお便りに綴って伝えてくれますね。
目立たないけど、命輝く小さな野の花たち、私は全然
名前も種類も知らないのですが、出会うと本当に心と
体が良い感じになるのがわかります。素晴らしい力を
持っている野の植物です。
己の運命を何も言わずに引き受けて、その環境で自分
のベストを尽くそうとする・・・そこに感動するんで
すね。自然のなかの花たちにも、店頭の花たちにも。
今日、大好きな綱木生花店で、黄色のフリージアと
白のスナップを買ってきましたよ。
とびきり新鮮な切花が、またもや店内に素晴らしい
気を漂わせてくれております。
お庭はもう雪はなくなりましたか?
春は庭仕事も忙しい?
fika.さんと小さくてかわいい花たちの顔合わせが
目に浮かびます。