多くの人が、自分の名前に劣等感を持っているという。私はといえば、自分の姓はすこぶる嫌いである。下の名前は好きだ。
ドイツ語会話を習いに通っていた時、テキストに、ドイツ人の名前の話が載っていた。やはり、自分の名に不満を持つ人は少なからずいるらしい。ある少女が「ジークリンデなんて、暗い森をのし歩くいかついゲルマン女みたい」とモンクを言っていたので私は驚いた。「ジークリンデ」といえばまず浮かぶのは、『ニーベルングの指輪』の『ヴァルキューレ』の悲恋の主人公。この連想がなくとも、むしろロマンティックな響きだと思うのだが。もっとも、よそものにとっては物語の中の名前であっても、現地人にはそのへんにあって珍しくもなんともないということは大いにあるだろう。または、古すぎておかしいとか。『銀河英雄伝説』のアニメがドイツで上映された時、ドイツ語もどきの人名がまるで時代劇のようだと笑いがあがったという話をきいたことがある。私がポーランドでお会いしたドイツ系の高齢のご夫妻はレオンハルトとヒルデガルトというステキな名前をしていたが、こういうのも古めかしい名前なのかもしれない。 ある『ベルばら』サイトの掲示板で、このマンガのキャラ名を、現代フランス人から見て古い・古くないに分類していたことがある。詳しいことは忘れたが、「ロザリー」なんて、おばあさんみたいな名前だそうだ。あのマンガの可憐な少女として覚えた読者としては驚く。そういえば『女の一生』の主人公ジャンヌの女中がロザリーだったか。『ベルばら』のロザリーの姉の悪女が「ジャンヌ」だったので、どうもこの名の組み合わせを奇妙に思ったものである。ありふれた名前だとわかってはいても。
『人名の世界史』(平凡社新書)によると、2003年度のドイツの新生児の名前は、男子が マクシミリアン、アレクサンダー、レオン、パウル、ルーカス、フェーリクス、ルカ、ダーフィト、ティム、ヨーナス 、女子が マリー、ゾフィー、マリア、アンナ、レア、ラウラ、レーナ、レオニー、ユリア、サラ。(「サラ」はあちこちの国でポピュラーですよ)
ドイツ語の教科書でも多い名前の上位10はたびたび載っている。「ケヴィン」なんて名がはいっていることもあったが、よその国の俳優の影響だろうか。「アンナ」と「アンネ」は同じ名として扱われているのに、「マリア」と、フランスふうの「マリー」が別ものになっている点が興味深い。「ミシェル」がはいっていることもあった。日本でも異人のような名が珍しくないことを考えれば異なことでもないけど。 でもやはり聖書起源は不滅なようだ。日本人で仏教神道縁の名前なんてまずないだろうけど。
ドイツ語会話を習いに通っていた時、テキストに、ドイツ人の名前の話が載っていた。やはり、自分の名に不満を持つ人は少なからずいるらしい。ある少女が「ジークリンデなんて、暗い森をのし歩くいかついゲルマン女みたい」とモンクを言っていたので私は驚いた。「ジークリンデ」といえばまず浮かぶのは、『ニーベルングの指輪』の『ヴァルキューレ』の悲恋の主人公。この連想がなくとも、むしろロマンティックな響きだと思うのだが。もっとも、よそものにとっては物語の中の名前であっても、現地人にはそのへんにあって珍しくもなんともないということは大いにあるだろう。または、古すぎておかしいとか。『銀河英雄伝説』のアニメがドイツで上映された時、ドイツ語もどきの人名がまるで時代劇のようだと笑いがあがったという話をきいたことがある。私がポーランドでお会いしたドイツ系の高齢のご夫妻はレオンハルトとヒルデガルトというステキな名前をしていたが、こういうのも古めかしい名前なのかもしれない。 ある『ベルばら』サイトの掲示板で、このマンガのキャラ名を、現代フランス人から見て古い・古くないに分類していたことがある。詳しいことは忘れたが、「ロザリー」なんて、おばあさんみたいな名前だそうだ。あのマンガの可憐な少女として覚えた読者としては驚く。そういえば『女の一生』の主人公ジャンヌの女中がロザリーだったか。『ベルばら』のロザリーの姉の悪女が「ジャンヌ」だったので、どうもこの名の組み合わせを奇妙に思ったものである。ありふれた名前だとわかってはいても。
『人名の世界史』(平凡社新書)によると、2003年度のドイツの新生児の名前は、男子が マクシミリアン、アレクサンダー、レオン、パウル、ルーカス、フェーリクス、ルカ、ダーフィト、ティム、ヨーナス 、女子が マリー、ゾフィー、マリア、アンナ、レア、ラウラ、レーナ、レオニー、ユリア、サラ。(「サラ」はあちこちの国でポピュラーですよ)
ドイツ語の教科書でも多い名前の上位10はたびたび載っている。「ケヴィン」なんて名がはいっていることもあったが、よその国の俳優の影響だろうか。「アンナ」と「アンネ」は同じ名として扱われているのに、「マリア」と、フランスふうの「マリー」が別ものになっている点が興味深い。「ミシェル」がはいっていることもあった。日本でも異人のような名が珍しくないことを考えれば異なことでもないけど。 でもやはり聖書起源は不滅なようだ。日本人で仏教神道縁の名前なんてまずないだろうけど。