レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

図書係 海岸の女たち 異界名古屋

2017-08-13 07:45:00 | 
『アウシュヴィッツの図書係』アントニオ・G・イトゥルベ
 スペインの作品。
 アウシュヴィッツで囚人たちが本を所持することなどは禁じられていたが、8冊だけ密かに隠し持たれていて、その他に「語り部」として子供たちに物語を語る「生きた本」が数人いたという。そういう過酷な舞台でなんとか心をささえて生き抜こうとする人々の物語。
 囚人の少女に恋して、彼女とその母を脱出させるために命を落としたルーマニア人SSの話が脇筋ながら心に残る。
(ところで、ダッハウには立派な図書館が存在したそうだ。『ダッハウ収容所のゲーテ』という本があった。絶滅収容所と一応そうではないところの違いだろうか。)


『海岸の女たち』 トーヴェ・アルステルダール
 創元推理文庫の割合新刊。
 NY在住の舞台美術家のアリーは、フリージャーナリストの夫の行方を捜してパリへ飛ぶ。彼は人身売買組織を追っていたらしい。

 ・・・クライマックスの復讐が過激で良い。


『日本の異界 名古屋』清水義範 ベスト新書
 ヨシノリンの初期の代表作のひとつ『蕎麦ときしめん』は、東京から名古屋に転勤したサラリーマンの語る怒りの比較論という体裁である。
 で、本書も、適度に距離を置きつつ愉快に紹介している。

 唐突に、『ローカル女子の遠吠え』の瀬戸口みづきさんと対談してもらいたくなった。これは静岡県だけど愛知寄りの地方もあるし。
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