レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

私家版 人形

2017-03-05 13:35:46 | 
『私家版』ジャン=ジャック・フィシュテル  創元推理文庫 2000
 借りた本の巻末広告で面白そうだと思って読んだ。
 イギリスの出版業者のエドワードは旧友のフランス人作家ニコラの作品を英訳して出している。影が薄くぱっとしないエドワードは、派手で傲慢で魅力的なニコラに、踏みつけにされながら屈折した感情がある。ニコラの新作を読んだ彼は、自分の過去の恋愛の不幸な結末がニコラのせいであったことを知って復讐を企てる。
 ひじょ~~に面白かった。結末も意外性があるし。
 連想したのは『太陽がいっぱい』。


デュ・モーリア『人形』
 創元推理文庫のわりに新刊。
 恋の始まりと盛り上がりと幻滅、ありそうな成り行きを語るいくつかの話はリアルに、少しおかしく感じられる。俗物牧師の話が二篇、こいつはいつかひどい目にあってほしいと思ってしまうけど、要領よく切り抜けてしまうのだろう、憎たらしいと感じさせるのは作品として上手いのだろう。


 このごろ図書館の「新着図書」に、去年出ていた「集英社文庫「ポケットマスターピース」がたくさん入っている。世界の文豪たちの名作選で、分厚い文庫である。
「集英社文庫 ポケットマスターピース」
 読んでみたくはある。
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