レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ちょっと、黒川あづさの話題

2010-10-23 11:38:32 | マンガ
去年あたりだったか、中公文庫で黒川あづさ『バングラデシュで玉の輿。』(『アジ玉。』改題)が出ていたので買った。作者の実録。姉のダンナがバングラの人で、その同国人の友達を紹介されて結婚した。ただのデバラのおっさんと思っていたが、彼の実家に行ってみたら大金持ちだった。(なんだかけっこう少女マンガのような展開。)
 こういう、国際結婚(どうもこの言葉は好かんなぁ)や外国暮らしをタネにすることは諸刃の剣かもしれない。ねたみ混じりで、題材に寄りかかっていると非難されることもありうる。珍しい体験をしたからといってそれを面白く描けるとは限らないのだけど。
(体験ということとは違うけど、題材ですべて決まるわけではないという例として、ジャンヌ・ダルクの退屈な映画もクレオパトラのつまらない小説もある!と大声で言っておきたい)
 このマンガで私が笑った点: クリリン(ダンナの通称)のお父さん(元一等書記官)が亡くなって、町中の男たち2000人が法事に来る、それをテキパキとさばいていく様子を見て作者の感想、「コミケスタッフ並みの誘導!」  
 コミケといえば、作者がサークル参加するときにクリリンに手伝わせて、そのあと彼はコスプレを見に行ったけど、人が多すぎて見えなかった、でも友達の間でコスプレ見たって自慢したら羨ましがられたという。   私は2004年の夏以来行ってないけど、コスプレにそんなに注目したことはなかったな。

 ところで、黒川さんは10数年前JUNEでの『ふたりの夏物語』がうけていた。庭師を本業とする青年平井さん、仕事がないので仕方なくホモポルノに出演したら相手役の男の子に惚れられてしまい、押しかけ女房(?)される。教職を生かして高校教師になったら、ちょっと不良の男子生徒に惚れられる。 家でも学校でも受難の日々ーーというコメディである。私もこれ好きだった。 どうも、ホモじゃないのにホモにつきまとわれるというシチュエーションが好みなのだろうか。少佐もそうだし。
 ほかに、『黒い羊』という作品もわりにヒットしていたかな。私はちょっとしか読んだことないが。NYが舞台で、金髪美形でけっこう過激な性格の神父と、つきあわされてトラブルに陥る日本人青年の話だったと思う。
 上記『バン玉。』(と勝手に略称)のあとでハーレクインコミックスが出たのでなんとなく買ってみた。 画風は、濃い薄いで言うと・・・どちらかといえば濃いほうか? 端正で大人っぽさがあるので、HQにはそれなりに合っている。
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2 コメント

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Unknown (サラ)
2010-10-24 09:06:33
漫画家・作家の周辺の人は、ネタにされてしまうから大変だな、と、私生活をさらされるのが大嫌いなわたしはそう思います。

>彼の実家に行ってみたら大金持ちだった。(なんだかけっこう少女マンガのような展開。)

デバラのおっさんでなく、細身の美青年であれば完璧少女漫画でしたね(笑)。いや、むしろ、ハーレクイン・ロマンスか?

>クリリンに手伝わせて

??クリリンて、「ドラゴンボール」のクリリンじゃないですよね。
旦那さんの名前ですか?
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ネタのためなら (レーヌス)
2010-10-24 15:54:44
 「ネタのためなら家族も売る」と佐々木倫子さんも、遠藤淑子さんも似たようなことを書いてらしたですね。
 佐藤愛子さんの周辺の変わったところでは、川上宗薫さんが、書かれて喜んでいたそうです。さんざんタネにされている別れた夫は、「あれは俺ではなくて、佐藤愛子が創作した俺らしい人物だ」と言っていたそうで、さすが文学に志した人間だ、と愛子さんは誉めていらっしゃいました。

 黒川あづささんの夫「クリリン」(本名も出ていたけど)(『ドラゴンボール』との関連は知りません)については、若いころの写真を見せられて「うそだーっ、この美青年がどうしてこうなる~~っ!」と叫んでました。
 日本人を配偶者に持つことの良さは、トシくっての変貌ぶりが異人より激しくないことかもしれない、とそのての話を見聞きすると思います。
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