レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

気になる「いただく」

2014-01-22 12:52:02 |   ことばや名前
 紀行番組では、食事の場面がたびたび出てくる。私は食い意地がはっている「ので」というべきか、「けど」か迷うところである、ーーヒトが食べている様子など見せられてもぜんぜん嬉しくもないので、よほど関心を持っている舞台でないとさほど面白くはない。
 それはさておき、そういうときのナレーション、「○○さんは~~を頂きます」、「ソースをかけて頂きます」。
 「頂く」は謙譲語である。誰に対してのへりくだりなのだろうか。主語が明らかに番組側の人ならばいいのだが、一般論つまり不特定多数だとひっかかる。少なくとも、そこのお店のほかのお客さんたちの食習慣をさして使っていると、勝手に地元民に謙らせるなよ~と言いたくなる。
 誤用も含めて使いすぎていると、これが謙譲語だということを忘れて、単に「食べる・飲む」をきれいに言った言葉であるように錯覚されてしまう危険がないだろうかと心配になってくる。
 
 作家のくせに、「いただいてください」なんて言ったから不審がられるという場面が『相棒』にあったな。
 
 『動物のお医者さん』の期末試験の話で、カンニングペーパーを見つけられた学生が漆原教授に「もらってもい~い?」と怖い笑顔で取り上げられて、うろたえて「ハ・・・ハイどうぞいただいてください!」と答え、ハム&二階堂に「おいおい敬語が間違ってるぞ」と心中ツッコミされる場面があった。

 「給食費払ってるんだから「いただきます」なんて言わせないで」などとねじこむ親はもちろんマトモではない。


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