レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

児童もの(?)3本

2011-12-22 15:05:27 | 
『鹿と少年』 光文社新訳文庫 上下巻  
 新刊でもなく、図書館頼りで。
 『小鹿物語』というタイトルで児童書として知られている作品だそうだけど、私は初めて読んだ。 森近くで暮らす少年が小鹿を可愛がってたが、成長して作物を食い荒らすようになってしまい、やむなく射殺するーーという話だとはきいたことがあった。
 実際その通りなのだけど、その小鹿が登場するのは物語上巻も終わり近くなってからだし、それ以外の、クマとの戦いとか隣人一家とのつきあいとか、たくましい両親とか、そういう要素のほうがむしろ印象に残った。


『そばかすの少年』 ジーン・ポーター
  これもまた光文社古典新訳文庫を借りて読んだ。
  「そばかす」と呼ばれる孤児の少年が、材木工場の支配人である紳士に雇われて、勤勉に誠実に働いて認められていく。
 鳥の写真を撮ってまわるご婦人「バードレディ」や、天然美少女で銃も操れてしまう「エンジェル」がやたらかっこいい。竹宮恵子がマンガ化してるらしいけど、なるほど少女マンガにも向いているだろう。
 ところで、この話といい、『家なき子』といい、児童ものではないけど『トム・ジョーンズ』に『ジョウゼフ・アンドルーズ』、実はいいとこの子だった! という結末はよくある。(古代ローマ喜劇もそうだ。) アメリカでさえこういう話が書かれるあたり、「貴種」に対する憧れは理屈でないのだろうか? 
 舞台が「リンバロスト」、これで思い出すのは、小学校の「学級文庫」で読んだ『リンバロストの乙女』、佐川節子の絵だった。同じ作家である。 


『川の名前』 by川端裕人 
  「ハヤカワ文庫の100冊」から。
  多摩川の支流「桜川」(架空)の流れる町で、小学生の男の子たちが川を観察するうちに発見したのはなんとペンギンだった。たちまち話題になり、マスコミもでしゃばってくる。
 川や自然をモチーフにした子供の物語ということで、小学生のときの課題図書『白い川の白い町』や『はしれ!おくめ号』を思い出して懐かしさを感じた。

コメント
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