

撮影は火星の高度が60°を超えるのをまって2時45分頃から開始しました。気流は木星を撮影したときと同じで良好です。オリオン座のリゲルとベテルギウスは瞬いていないように見えます。
撮影システムは木星撮影時と同じで、大気補正プリズム(ADC)を使わない μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut)です。
露出時間はDe-rotation でコンポジットするので60秒露出にします。火星の撮影としては短めですが始めからDe-rotationありきでの露出設定です。
で、こちらが60秒露出を20枚De-rotationした画像です。

2024/11/10 μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=13050mm (F/55)
Shutter=9.253ms Gain=350 (72%) Duration=60s Autostakkert3 25% De-rotation 60s×20image
火星としては最もアルベド模様がない地域ですが、火星の最高峰オリンポス山とタルシス三山が正面にあるので山めぐりをするにはいい時間ですね。アルシア山にかかる雲も写っています。



CM=112°→127° De=14.9° Ls=358.6° Diameter=9.8"
↑ 中央経度は15度ほど移動(自転)しているのですがアルベド模様がないので自転している様子が分かりにくいですね。2020年の接近時に作った火星クルクルはアルベド模様がたくさんあるので自転の様子がよく分かります。そもそも視直径の大きさがちがうのでその差もありますね。↓


CM=228°→242° De=-22.9° Ls=306.3° Diameter=20.2"
2020年の接近時は中央緯度が-22°なのでドライアイスが溶けて氷だけになった真夏の南極冠がよく見えます。逆に北極地方はほとんど見えていないこともよく分かりますね。

本日、11月13日は火星における太陽黄経が0°なので火星歴の春分の日となります。

暑さ寒さも彼岸まで…と言いますが、火星ではどうなのでしょうね~。

〈追記〉
撮影時のシーイング
火星の山が3つも見えます。オリンポスだけでもすごいなぁと思うのに、3つも!しかもまだ衝前なのにねぇ。火星が欠けて見える位相なので山の影が分かることもあるわけですね。
ここ数日夜の天気がいいので土星を撮っているんですが、シーイングは今ふたつ、うまくいきませんね。距離が近くて大きな月がきれいです。
こんばんは~、私も気流が良さそうなときは土星に望遠鏡を向けているのですが、思ったほどシーイングが良くなくて撃沈しています。そんな中でも11/13は比較的気流が良かったので何とか形になるよう現在奮闘中です。今年は偏西風の南下が遅くてラッキーだったのですが、来週からはいよいよ冬の気流になりそうですね~。