goo blog サービス終了のお知らせ 

晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ZTF彗星(C/2022 E3)と火星の接近 2/11

2023年02月12日 | 彗星
昨夜の南岸低気圧通過で8年ぶりの大雪となった仙台の積雪は21cmでしたが、日中の最高気温が3月上旬並みの9℃まで上がったのであっという間にとけて夕方には積雪が5cmまで減りました~。

 さて、2月11日は火星とC/2022 E3の接近日ですが…そのこと、すっかり忘れてました~。(^^ゞ

…ということで、21時過ぎに急いで常設赤道儀の周りの雪かきをして撮影準備開始です。火星はすでに西の空で薄雲もあるので期待できる要素は何もありませんが、とりあえず撮影してみました。

2023/2/11 22h15m02s. 22h15m17s. D810A SE200N ISO2500 10sec×2 コマコレクター(photo

 ふむ、たしかに火星と並んでいます。離角は53′のようです。撮影をしながら双眼鏡でZTF彗星を探したのですが…どこにあるのか全く分かりませんでした。どうして見えないの~?

2023/2/11 22h20m39s. D810A SE200N ISO2500 5sec コマコレクター(photo

 こちらはISO3200の20秒露出を4枚コンポジットした写真です。火星は飽和してますが右下に伸びている彗星のテイルが僅かですが写ってます。(火星と彗星の間にあるドーナツ状の模様は火星のゴーストです)

2023/2/11 22h25m10s~22h26m45s D810A SE200N ISO3200 20sec ×4 コマコレクター(photo

 とりあえずはZTF彗星(C/2022 E3)と火星の接近を写すことができましたが、どれも付け焼き刃的な撮影でダメダメですね。月が昇って東の空が明るくなってきたので22時30分をもって撮影会は終了です。久々に見た火星はだいぶ暗くなりましたが、本日の光度はなんと0.0等星でした。ジャスト0等星の星を見たのは初めてかも…

96P/マックホルツ第1周期彗星 捜索隊 2/6

2023年02月06日 | 彗星
 1月31日に近日点を通過して明け方の東空に現われた96P/マックホルツ第1周期彗星を探してほうき星捜索隊が出動しました~。その1回目の記録です。

 2023/1/31.2:02UTCに0.12395AUの近日点距離をMax speed 118km/sで通過した96P/Machholz 1 は急速に太陽から離れて東の空にやって来ているはずですが、太陽に近すぎると見えないのでいつから見えるかをデータから推測してみると…

 ふむふむ、日ごとのデータはざっとこんな感じなので捜索できる時期は2月4日~2月8日までかな…と思って計画を立てたのですが、2/4と2/5は曇りで断念、もうあとがない本日はダメ元で決行!

日付  太陽離角 等級 日心距離 彗星高度2°の太陽高度
2月1日  4°  1.8等  0.12AU 
2月2日  7°  2.7等  0.15AU 
2月3日  10°   3.8等  0.18AU -7°(市民薄明) 
2月4日  12°   4.8等  0.21AU -10°(航海薄明)←曇でプチ遠征断念  
2月5日  14°   5.7等  0.25AU -11°(航海薄明)←曇でプチ遠征断念  
2月6日  16°   6.4等  0.28AU -13°(天文薄明)←雲はあるがダメ元で決行! 
2月7日  17°   7.1等  0.31AU -14°(天文薄明) 
2月8日  18°   7.6等  0.35AU -16°(天文薄明)
2月9日  19°   8.1等  0.38AU -17°(天文薄明)
2月10日  21°   8.6等  0.41AU -18°(天文薄明)

しか~し、結局、雲に阻まれ撃沈でした~。(_ _)

 こちらが本日のファーストショットです。雲量はこんな感じでした~。

2023/2/6 05h31m46s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f185mm ISO1600 f5.3 1.3sec

 こちらはラストショット。ずっと変わらずの雲量でした…トホホ

2023/2/6 05h42m08s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f185mm ISO1600 f5 1.6sec

 家に戻ってから、そういえば一瞬だけ明るい星が見えてカメラを向けて撮影した写真があったなぁ~と思い出して画像を確認すると…

ありました。一瞬だったので飛行機かなとも思ったのですが…、水星でした。

2023/2/6 05h40m08s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f340mm ISO1600 f5.6 1sec(Photo

 この10秒後に撮影した写真にも雲に隠れる直前の水星が写っていたのですが、よく見るともう一つ星が写っています。ステラナビで調べてみると… なんと、いて座の恒星で明るさが4.87等級です。

2023/2/6 05h40m18s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f420mm ISO1600 f6 1sec(Photo

 恒星はどこにも写っていないと思っていたのですが、カメラは星の光をしっかり捉えていたようです。ということは、写っている星を同定すればマックホルツ彗星の位置を特定できるはずです。

 ということで、写っている星の同定をすること数十分… おお、うわ~、6.68等級の恒星も写っています。ということは、雲さえなければ96Pマックホルツ1彗星を捉えることができたかもしれません。

2023/2/6 05h41m56s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 f5 1sec(Photo

 う~む、ざんねんです。明日は天気が悪いので捜索隊の出動はないと思いますが、まだ2~3日はマックホルツ1彗星観望のチャンスはあるので天気の具合を見ながらチャレンジしてみることにしましょう。

96P/マックホルツ第1周期彗星(96P/Machholz 1)

2023年01月30日 | 彗星
2023年見たい天体現象「2023年に明るくなる彗星」で紹介した96P/マックホルツ第1周期彗星(1/31に近日点通過)がSOHO LASCO C3 の視野内に入ってきたようです。

 本来 LASCO C3 の視野に写り込む彗星は太陽に突入するサングレージング彗星と言われるものがほとんどですが、96P/Machholz 1 のような短周期彗星が写るのは非常に希なことです。というよりはナンバー/Pの称号が付いた彗星では、96P/Machholz 1 がLASCO C3 に写り込むただ一つのほうき星です。

 その理由は 96P/Machholz 1 彗星の特異性にあります。96Pの周期は5.28年ですが、近日点距離は0.12AUで番号付き短周期彗星の中では最も近距離です。さらに軌道も変わっていて、異常なほど高い軌道傾斜角と高い離心率の両方を持つ唯一の短周期彗星となっています。


 さらに特筆すべきは彗星の化学組成が既知の彗星とは全く違う点です。96Pは1986年の発見から毎回帰ごとに観測されているため詳しい組成が分かっていますが、その観測によると太陽系の他の彗星では普通にある炭素とシアンが96Pでは異常なほど少ない結果が出ています。

 そのため、96P/Machholz 1 はエイリアン(太陽系外からやって来て取り込まれた)彗星ではないかと考えられているようです。もっとも、シアンが少ない理由としては、何度も太陽にあぶられたため揮発したという仮説とカイパーベルトの最も外側の非常に寒い領域で形成されたという仮説もありますが、軌道の特異性から太陽系外からやって来て木星に捕まったという考えは納得いくものでもありますね。

 炭素とシアンが少ないホントの理由は分かりませんが、直径6kmのこのほうき星は今回の近日点通過でも消滅することなく日の出前の東の空にやって来るはずです。近日点通過は2023年1月31日のはずですが、上記軌道図では2月6日に最も太陽に近づくシミュレーションになっています。正確な近日点通過日は分かりませんが、SOHO LASCO C3 image で見ることができますのでここ数日は96P/Machholz 1 ウォッチングを楽しむことにしましょう。
(SOHOのWeb pageはこちら→https://soho.nascom.nasa.gov/data/realtime-images.html

〈1/31 追記〉
1月29日14時~1月31日07時(JST)の様子


〈2/2 追記〉
1月29日9時54分~2月2日0時54分(JST)の様子


〈CME放出の様子〉
2月1日14時54分~2月2日0時54分(JST)

ZTF彗星(C/2022 E3)観望&撮影記録 1/27

2023年01月29日 | 彗星
 ホントに晴れてきた… 毎日雪空が続いていたが、SCW予報に1/27深夜の晴天エリア通過予報が現われた。ホントか?半信半疑であったがテレビを見ながらスマホでATOM com2の映像を見ていると、11時過ぎにオリオン座が見えてきた。

 しかも晴れエリアが奥羽山脈がある西側からやってきている。SCW予報どおりだ。この時期としてはめずらしい… さっそく外に出て晴天域が広がるのを待って、まずは赤道儀の位置からZTF彗星が見えるかチェックです。今宵のC/2022 E3 はこぐま座 β星 コカブの近くにあります。

 う~む、隣家の屋根と庭木はクリアしていますが、北側道路のLED街灯の真上ですね~。トホホ… ま、とりあえず双眼鏡で探索してみましょう。 …あれ? 見えませんね… そんなはずは… 明るくなっているはずだが… はて、LED街灯があっても双眼鏡では5等級まで見えてますが…

 ということで、いつものデジカメで撮って捜索です。

2023/1/28 0h58m27s D810A  Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO10000 f4.5 6sec
 …ありました。まだ雪雲が流れてますが、しっかり写っています。あらためて双眼鏡で見ると… あー、ありますね。かすかにしみ状の広がりが見えます。高度はまだ40°でLED街灯の影響もあるのでかすかにしか見えませんが、暗い空では簡単に見つかる明るさだと思います。

 では。ここから本格的に撮影です。今日の機材は Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm(オールドレンズ)とSIGMA150-600mm f5-6.3 です。撮影は0時55分から04時09分まで行いました。撮影開始時は高度43°でしたが4時過ぎには高度54°になったので撮影条件はやや良くなりました。

こちらは04時過ぎ、高度54°、焦点距離500mmで撮影したZTF彗星(C/2022 E3)です。

2023/1/28 04h01m55s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f500mm ISO3200 f6 30sec × 2

 この時間に街灯を外して双眼鏡で覗くと、尾は見えませんが淡く広がるコマがしっかり見えました。尾が見えないので17Pホームズ彗星の超ミニチュア版といった感じですね。

これは焦点距離600mm、露出60秒を彗星核基準コンポジットしたものです。

2023/1/28 03h16m43s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1600 f6.3 60sec × 3

 ダストテイルがもう少し明るくて長かったら光害地でもそこそこ写って見栄えがいいのですが… ちょっと残念ですね~。撮影時の地心距離は0.32AU(約4900万km)です。

で、こちらが120秒露出2枚をコンポジットして強調画像処理したものです。

2023/1/28 03h11m01s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO3200 f6.3 120sec × 2

 120秒露出でほぼ飽和状態をかなりの強調画像処理であぶり出した彗星頭部です。仙台市郊外の光害地ではこれが限界ですかね~。イオンテイルがまっすぐ上に伸びているようにも見えますが、アンチテールは全く写ってません。

双眼鏡で見た感じに近いのがこちらの画像、眼視では緑色には見えず白色です。

2023/1/28 03h39m28s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f390mm ISO10000 f6 10sec × 6

 ZTF彗星(C/2022 E3)の観望は今回で3回目ですが、遠征撮影は一度もできずじまいでした。当初は1/30と1/31に晴れ間があるという予報もありましたが、大寒寒波が居座っていて天気は良くないようです。

 2023年に見えるほうき星としてはC/2022 E3 が一番明るいので、暗い空でしっかり見ておきたかった気持ちは強いのですが、雪道を考えるとハイリスクなので残念ですが遠征はやめることになりそうです。まー、この天気の中で3回も撮影できたのですからむしろラッキーと考えた方がいいですね。 (^^ゞ

ZTF彗星(C/2022 E3)観望記録 1/19

2023年01月19日 | 彗星
1月19日早朝のC/2022 E3 観望記録です。

 観望を始めたのは03時を少し過ぎた頃…月出時刻は4時09分なのでまだ月明かりはありません。今日の月齢は26なので昇ってきてたとしてもそれほどは気にはなりませんが、さて前回は双眼鏡で確認できませんでしたが、今日はどうでしょう? さっそく双眼鏡で覗いてみると…

 おっと、すぐ見つかりました。近くにあるうしかい座の2つの恒星と並んで正三角形の頂点のように見えてます。明るさは…う~ん、6等級~7等級の間くらいでしょうか。コマは見えますが尾は双眼鏡では見えません。

 本日の観測場所は、またしても自宅からのお気楽観望です。なので、バリバリの光害がある場所なので6等星が見える暗い空ではもっと明るく見えることと思います。で、今日の観測機材ですが、本日は20cm反射望遠鏡をすでにセッティング済みです。

 天気が良くなることが分かっていたので、昨夜からセッティングして温度順応をがっちりしてあります。では導入です。正立ファインダーでかんむり座からたどっていくと… ほう、今日は目印になる星が近くにあったので思いのほか簡単にたどり着きました。

 25mmアイピースを入れて40倍で覗いてみると、おおー、光害の空でもしっかり見えます。尾が伸びている様子は見えませんが、尾が伸びている方向ははっきりわかります。距離はまだ0.54AUなので接近時はさらに明るく見えるのでしょうね。

 おっと、撮影を急ぎましょう。時間に余裕はありません。撮影はコマコレクターを装着しての直焦点です。記録を見ると撮影は4時8分から4時59分まで行っていました。撮影はけっこうの枚数を撮りましたが、今日は取り急ぎ画像処理の終わった3枚をご紹介します。

1月19日のZTF彗星(C/2022 E3) 地心距離0.54AU

2023/1/19 04h11m16s. 04h11m56s. D810A SE200N ISO3200 30sec×2

 撮影時高度は55°です。右方向にイオンテイルが伸びている様子がかすかに分かります。ISO感度を上げて撮りたいところですが光害があるのですぐ飽和してしまいます。さらに彗星の移動速度が速いので長時間露出では彗星が流れてしまいます。自宅からの撮影としてはこの辺が限界のようでした。

2023/1/19 04h17m02s. 04h17m41s. D810A SE200N ISO2500 30sec×2


 こちらは光害フィルター(LPS-P2)を装着して撮影した画像です。月が高く昇ってきたからか、画像処理が適切でないのか、LPS-P2を装着した方は尾の写りがイマイチ良くないように感じます。

2023/1/19 04h44m08s. 44m46s. 45m59s. 46m46s. D810A SE200N ISO3200 30sec×4

 1枚目と3枚目の時間差は約30分ですが、彗星の位置が大きく変わっていることが分かります。今日の彗星の移動量は273秒/時間ですが地球接近時は約1000秒/時間なのでおそろしく速いことがわかりますね。お天気次第ですがチャンスがあれば遠征撮影に行きたいと思っているのですが、大寒波が来る予報もあるのでやや弱腰になってます。次回も自宅からの撮影になってるかも… (^^ゞ

〈1月19日 3時00分の天気図〉

ZTF彗星(C/2022 E3)初観望記録 1/13

2023年01月14日 | 彗星
 …昨日のブログの続きです。

 ヤバイヤバイ…時刻は4時12分です。目覚ましを4時にかけていたはずなのに誰かがアラームを止めたのか!?… なんてことがあるわけ無く、保険としてかけておいた睡眠アプリアラームがセットされていなかったためルーティーンで?無意識にアラームを止めた後に二度寝をしてしまったようです。

 本日の薄明開始は5時19分です。急ぎ外に出て赤道儀ピラーからとりあえずの1枚を撮影すると… あら!? ZTF彗星は屋根も庭木も超えてますが、なんと電柱でござる!
 
2023/1/13 04h39m39s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 2sec f5.6

 あちゃ~こりゃあかん… ということで少し離れたところに三脚を立てて固定撮影でZTF彗星撮影をしながら双眼鏡で彗星探索です。星図で位置は確認しているのですが… う~む、月明かりがあるせいかZTF彗星はまったく見えませんね~。まだ7.1等級なので無理ですかね…。

 しか~し、デジカメではご覧のとおりあるべき所にしっかり写っていました。今日のC/2022 E3は、ギリかんむり座にありますが明日14日からはうしかい座エリアに入ります。

2023/1/13 04h53m37s D810A NIKKOR 24mm-70mm F2.8 f62mm ISO2000 6sec f2.8(トリミング)

 05時を過ぎた頃からは赤道儀の位置でZTF彗星を撮影できるようになりました。まだ写野に電柱が残ってますが薄明開始まであと20分なので撮影を急ぎましょう。こちらは焦点距離200mmで撮影した画像です。位置確認のために撮影した写真なので露出は6秒程ですがコマもうっすら写っています。

2023/1/13 05h04m43s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO2000 f200mm f5.6 6sec  

 05時の高度は45°なので十分高い位置にあります。1月13日現在の地心距離はまだ0.7auですが、2月1日-2日の地球接近時には0.28au(約4200万km)まで近づきます。光度が4.8等級まで明るくなる予報が出ていますが、そのころは満月に近い月が出ているのが惜しいところですね。

2023/1/13 05h09m46s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 f200mm f5.6 10sec  

 こちらは300mmで撮影した画像をトリミングして400mm相当の画角にしたものです。露出60秒の1枚画像ですが、わずかにダストテイルが伸びている様子が写っています。

2023/1/13 05h18m18s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1000 60sec f5.6(トリミング 400mm相当)

 こちらは4枚をコンポジットした写真です。(総露出時間140秒)

2023/1/13 05h12m48s~05h16m41s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5
f300mm f5.6 ISO3200 20sec、ISO3200 30sec、ISO1600 30sec、ISO1600 60sec、(トリミング 600mm相当)


 さて、ZTF彗星は1月12日に近日点を通過してすでに太陽から遠ざかりつつある状況なので肉眼で尾が長く伸びて見える巨大ほうき星に大化けすることはありませんが、地球接近時の距離が0.28auとかなり近いので観望中に見える位置が変わっていく様子を楽しむことができます。

 最接近時は見かけ上の移動距離が1時間で約15′(満月の直径の約半分)なので、まさに星空を駆け抜けていく様子が見られます。ダストテイルがどのくらい伸びて見えるかは分かりませんが、2021年12月に西空で見えたレナード彗星のダストテイルに近い形で見えるのでは…と勝手に妄想しています。

*2021年12月22日に撮影したレナード彗星(5枚コンポジット:総露出時間50秒)

2021/12/22 17h38m35s~39m35s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO3200 f8.0 10sec×5

 地球接近時にZTF彗星(C/2022 E3)がどのような姿を見せてくれるのか今から楽しみですね。観望好機は彗星の高度と接近距離、そして月没後の時間であることを考えると1/30と1/31がベストだと思うのですが、そのどちらかが晴れてくれるといいですね。(2日とも晴れるのが一番いいのですが…)

 今後、月が新月になる1/21頃から大寒寒波が来る予報もありますが、晴れ間を探しながらZTF彗星(C/2022 E3)のウオッチングを続けることにしましょう。

C/2021 O3 パンスターズ彗星 捜索記録

2022年05月05日 | 彗星
5/3に撮影した画像に5等星の恒星が写っていたのでC/2021 O3を捜索してみました。



 上記写真の右上部分を拡大した画像がこちら。これを見ると6.88等級の恒星が写っている
ことが分かります。さらに右上部を拡大してC/2021 O3の位置を特定してみましょう。



 C/2021 O3の位置が特定できました。7.79等級の恒星まで確認できましたがC/2021 O3は
写っていませんでした。このことから考えられる仮説は2つ、
 ① 光度が8等級以下だったため写らなかった。→今後撮影できる可能性あり
 ② C/2021 O3は近日点を通過できずに消滅した。→今後の撮影でも写らなければ確証

ここで疑問発生!そもそもC/2021 O3 パンスターズ彗星は近日点通過時のサンバーンに耐えられる彗星だったのでしょうか?

 そこで、彗星が太陽に近づいて崩壊するか否かの境界線を判断する法則「ボートルの限界」で調べてみました。*公式→H=7+6×q、H=彗星の絶対光度(等級)、q=近日点距離(au) 

 C/2021 O3の 近日点距離は0.287AUなので計算すると、7+6×0.287=8.722 になります。つまり、C/2021 O3 パンスターズ彗星の絶対光度が8.722等級より明るければ太陽の熱に耐えて生き残るということになりますが… C/2021 O3の絶対等級って何等級だっけ?

 えーと、天文年鑑には標準等級H10=9.5等級くらい、天文ガイド5月号にはH10=10.0等級くらい と記載されてますね~、ということはサンバーンに耐えられず消滅した可能性は大… かもですね。

 しか~し、マックノート彗星(C/2006 P1) のようにボートルの限界値を超えて生き残った例もあるのでまだ分かりませんね。今後の推移を見守ることにしましょう。


レナード彗星 観望記録ファイナル!(2022/1/5)

2022年01月06日 | 彗星
1月5日、沈む金星を撮影した後にダメ元でレナード彗星の撮影にチャレンジしてみました~。

 レナード彗星は1月3日に近日点を通過して少しずつ太陽から離れています。仙台では日没から1時間後の17時30分時点での高度がわずかに3°なので大気減光も考えると写真撮影も限界を超えている気がします。

 しか~し、今宵は雪雲も流れていないので画像処理次第ではレナード彗星の姿が浮かび上がるかもしれません。…という淡い期待を持ちつつ撮影機材をベランダに持ち込んで、さあ撮影開始です。ベランダ定点観測はレナード彗星のおよその位置が分かるところが最大のメリットです。いざ、いでよ、レナード彗星!

 さて、日没から50分後、つる座の3等星 γGruをカメラが捉えました。レナード彗星が近日点を通過後にバーストしたという情報は聞こえてないので当初の予報光度5.6等級前後と思われます。5等星が写るのはもう少しあとのようです。

2022/1/5 17h21m45s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f220mm ISO1600 f5.3 1.6sec

 日没から1時間がたちました。カメラは6等級の星まで捉えていますがレナード彗星は写っていません。星図で確かめているのでレナード彗星のあるべき場所は分かっていますが、全くその存在が感じられません。残念ですがそろそろ低層に広がる靄に沈むので撮影は終了です。あとは画像処理であぶり出してみましょう。

2022/1/5 17h30m52s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f170mm ISO1600 f5.0 6sec

…ということであれやこれやと画像処理をすること十数分、ありました! レナード彗星はちゃんといるべき所でじっと待っていました。地心距離0.99AU、1億4850万km彼方のレナード彗星です!

2022/1/5 17h35m24s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f280mm ISO1600 f5.6 4sec

 近日点を過ぎたレナード彗星は太陽圏離脱コースにのって深淵の宇宙へ向かって進み始めました。暗く冷たい宇宙を進むレナード彗星は二度と長い尾を伸ばすことはないでしょう。

 bon voyage!レナード彗星…

レナード彗星 観望記録(12/28)

2021年12月29日 | 彗星
12/28日のレナード彗星観望記録です。

 冬型の天気が少し弱まって思いのほか天気が良かったのでベランダからレナード彗星の撮影を試みました。カメラがレナード彗星を捉えたのは17時20分ごろ… この時の高度は約7°です。レナード彗星はかなり暗くなっているようです。

2021/12/28 17h23m04s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 f5 2sec

かなり強めの画像処理をかけてやっと尾が浮かんできました。(撮影時高度5.9°)

2021/12/28 17h33m09s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f240mm ISO1000 f5.3 4sec

こちらは4枚をコンポジットして画像処理をしたものです。

2021/12/28 17h34m54s-35m09s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1600 f6.3 2sec×4

上記写真をさらにハイコントラストの強調処理をかけたら少し尾が浮かび上がりましたが…

2021/12/28 17h34m54s-35m09s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1600 f6.3 2sec×4

高度5°では尾はなかなか姿を現してくれません。

2021/12/28 17h35m17s-35m23s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1600 f6.3 3sec×2

赤道儀の極軸合わせがテキトーなので5秒露出では星が流れてしまいました。

2021/12/28 17h35m32s-36m00s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1600 f8 5sec×5

長いイオンテイルが出ているはずですがその光を捉えることは結局できませんでした。

2021/12/28 17h46m22s-46m46s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO8000 f7.1 1.3sec×9

レナード彗星の高度は4°を下回りました。この高度でこれだけ写るのはむしろスゴイことかな。

2021/12/28 17h48m35s-48m54s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO6400 f7.1 1.6sec×7

レナード彗星は当初予想された光度曲線を上回っていて現在もその明るさを維持しています。多くの彗星は予報光度を下回ってがっかりすることが当たり前になっていたのでレナード彗星はいい意味で期待を裏切って長期間楽しめる彗星になりました。日本からはまもなく見えなくなりますが近日点通過後の姿がどのようになるのか、南半球にいる方々からの報告が楽しみですね。

レナード彗星 観望記録(12/26)

2021年12月26日 | 彗星
午後から急速に晴れたので…

2021/12/26 16h59m09s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 f6.3 1/10sec


レナード彗星の撮影を試みたが…

2021/12/26 17h14m49s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 f6.3 1.3sec


風速9mの風に乗って雪雲があっというまに南西の空を覆い始めて…

2021/12/26 17h18m22s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 f6.3 1.3sec

 17時30分には吹雪になってしまった。宮城県南部は晴れていたので遠征も考えたが、風速10mの強風と気温 -3° はさすがに厳しすぎるのでやめたが、今日は尾が10°以上も伸びていたらしいので撮影できなかったことはとても残念…

 近日点通過まであと1週間、それまでにさらに尾を延ばす可能性もあるので目が離せない状況である。天気予報を見ると晴れマークの日もあるのでチャンスを待つことにしましょう。