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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)5th 観望記録 10/13

2024年10月14日 | 彗星
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の 5th 観望記録です。

 今回の観望場所は山形県遊佐町の西浜海水浴場駐車場です。現地に着いたのは16時30分頃、ここは周りに視界を遮るものがなくてとても眺望のいいところです。

 後ろを振り返ると夕日を浴びた鳥海山がキレイに見えていて、水平線の彼方に目をやると… お、飛島が見えます。真っ平らですね~。(φ(.. ):飛島は島の平均標高が約50メートルの平坦な台地状地形です)

さて、遊佐町の日没17時05分でしたが、カメラが 紫金山・アトラス彗星を最初に捉えた時刻は17時47分でした。40分過ぎには写ると思ったのですがなかなか見つからず少々焦りました。(^^ゞ

2024/10/13 17h47m09s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f56mm F2.8 ISO1250 1/5sec (photo)

 今日の天文薄明開始は18時02分です。彗星の尾は17時50分頃から写るようになりました。

2024/10/13 17h53m49s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f56mm F2.8 ISO8000 1/8sec (photo)


 18時を過ぎると双眼鏡を使わなくても彗星頭部が肉眼で見えたので、尾も肉眼で見えたらいいけど、それは無理だよね~と思いながら目をこらして見ると、

2024/10/13 18h10m23s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO12800 1sec×5 (photo)

 なんと、いとも簡単にコメットテイルがはっきり見えました!超オドロキです。わぉ!

2024/10/13 18h12m31s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO12800 1.6sec×3 (photo)


 肉眼で見えたコメットテイルの角度は約5°でした。天文薄明が進んで空が暗くなると同時に月明かりが明るくなった影響なのか尾が5°より長く見えることはありませんでした。(それでもスゴイ!)

2024/10/13 18h12m31s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO12800 1.6sec×3 モノクロ反転 (photo)


 こちらは画像処理なしの1枚画像です。

2024/10/13 18h23m16s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f60mm F2.8 ISO6400 3sec (photo)

 この頃が一番条件が良かったようで頭部から下に伸びるアンチテールが写っていました。

2024/10/13 18h24m14s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f60mm F2.8 ISO6400 3sec×3 (photo)

 地球から見てループ状になっているダストトレイルは明日以降はまっすぐ見えるようになるので、尾はさらに長く見えるはずですが月明かりがどれくらい影響するかビミョーなところですね。

2024/10/13 18h24m14s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f60mm F2.8 ISO6400 3sec×3 モノクロ反転 (photo)


紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は、ネオワイズ彗星(C/2020 F3) に引けを取らないみごとな大彗星になりました。これが新月期だったらもっとスゴイことになっていたと思うのですが… おしいなぁ~。

2024/10/13 18h29m59s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 5sec×4 (photo) 


水平線に近づいても頭部と彗星の全体がはっきり写っています。これもスゴイ!

2024/10/13 18h34m39s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO6400 5sec+8sec×2 (photo) 


 こちらは眼視で見た様子を再現した画像です。尾の全体はこんな感じに見えました。

2024/10/13 18h34m39s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO6400 5sec+8sec (photo) 


水平線から尾だけが立ち上がる紫金山・アトラス彗星!これぞグレートコメットの証ですね!

2024/10/13 18h38m00s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO4000 4sec×2 (photo) 


本日のラストフォトは砂浜を肉眼で見た色に忠実に合わせて画像処理した超リアルカラーです。月明かりの中で見た星空と水平線から立ち上がるコメットテールも再現していますよ~。

2024/10/13 18h40m43s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 10sec (photo) 



紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)4th 観望記録 10/12

2024年10月13日 | 彗星
夕方の西空にやって来た紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の初観望記録です。

 本日の観望場所は石巻市の上品山です。標高は460mほどで西空の眺望がとてもいい場所です。
 
 紫金山・アトラス彗星の光度はたぶん1等星くらいなので、1等星が見え始める時間の17時40分頃にはカメラに写るはずと信じてシャッターを押してはモニターを確認すること数十回…

 お、ありました! 17時45分にカメラがC/2023 A3を捉えました。彗星の高度は約5°です。

2024/10/12 17h45m23s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1000 1/4sec (photo)


 ここからは望遠レンズに切り替えて撮影です。尾がしっかり写っていますね~。

2024/10/12 17h52m06s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f210mm ISO8000 F5.3 1/5sec×3 (photo)

 双眼鏡でも尾が上に伸びている様子がはっきり見えました。とってもキレイに見えてプチ感動です。

2024/10/12 17h55m17s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO12800 F6.3 1/8sec (photo)


 おとなりさんが肉眼でもはっきり見えますよー。と教えてくれたので目をこらして見たのですが私の目ではかすかに存在が分かる程度でした。トホホ…

2024/10/12 17h55m17s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO12800 F6.3 1/8sec (photo)

 天文薄明の時間、17時58分になりました。彗星の高度が2°を下回る時間です。

2024/10/12 17h57m54s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO8000 F5 1/2.5sec×5 (photo)


 まもなく低層のもやに突入します。大気減光で暗くなったのでもう肉眼では見えませんが、

2024/10/12 17h57m54s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO8000 F5 1/2.5sec×5 (photo)


 これぞ、ほうき星!という姿を見せてくれた紫金山・アトラス彗星に拍手ですね!

2024/10/12 17h58m27s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO8000 F5 1/1.6sec×2 (photo)


 頭部が山の端に沈んだのを見届けて観望会は終了となりました。

2024/10/12 18h07m58s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO12800 F5 1sec (photo)


 観望開始から終了までの空の様子はこんな感じでした~。

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)3rd 観望記録 10/2

2024年10月03日 | 彗星
紫金山・アトラス彗星の3rd 観望記録 です。
 
 3回目となる今回の観望にはテーマがあります。それは、ジャジャ~ン「尾の長さを実測せよ!」です。外国のサイトでも尾がかなり長く伸びている様子が投稿されていますからね~。

 え!? 尾の長さを測るといっても、薄明の中では尾は薄くしか見えないので無理ですよね~ と思いのあなた… そのとおりです!空が明るい薄明では実際の尾の長さを撮影することはできません。

 では、どうするか? 思いついた方法は、夜明け前に見えるグレートコメット(DAWN COMET)だけに与えられた特権「尾から昇ってくる」を利用して薄明が進む前の暗い空で尾の先っちょを撮影して、頭部が昇った後の写真と重ね合わせて尾の長さを実測する…です。

 う~ん、それってうまくいくか~?という疑問はありますが、為せば成る為さねば成らぬ何事も、なのでとりあえずチャレンジしてみることにしました。

 ということで、観測場所はなるべく空の暗いところがベストです。今回は東の水平線が見えるところでソラノクラサが SQM21.79、標高170m、自宅からは車で90分ほどの場所をチョイスしました。

 で、現着後の4時12分に撮影した夜空はこんな感じでした。あらら,スターリンク衛星祭りです。(-_-;)

2024/10/2 04h12m41s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f32mm F2.8 ISO8000 10sec

 おっと、薄明開始時間は04時03分でした。撮影を急ぎましょう!こちらの写真は4時16分に撮影した3秒露出の画像を8枚コンポジットした写真です。

雲があるので分かりにくいのですが、うっすらと尾が伸びている様子が分かります。拡大photo

2024/10/2 04h16m-04h17m D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO8000 3sec × 8

 モノクロ反転画像にすると雲の流れと違う方向に伸びているテイルが浮かんできます。

2024/10/2 04h16m-04h17m D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO8000 3sec × 8(photo

 こちらは4時21分に撮影した画像(5秒×5枚)ですが、空がかなり明るくなっています。

2024/10/2 04h21m-04h22m D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO6400 5sec × 5(photo


 彗星の頭部をカメラが捉えたのは04時35分でした。すでに空は航海薄明になっています。

2024/10/2 04h35m29s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1.6sec(photo


 この雲ではしかたないですね~。雲越しでこの明るさなので光度は2等級台に突入したかも…です。

2024/10/2 04h35m26s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1.6sec トリミング(photo

 では、本題に戻って、暗い空で写った尾の先っちょと頭部が写った写真を重ねてみましょう。ステラナビで星の位置を確認して計測すると、尾の長さは約16°のようです。

本日のまとめの写真

2024/10/2 04h35m29s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1.6sec(photo

 本日のラストフォト(彗星高度 約4°)


2024/10/2 04h42m30s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 1sec トリミング

 見かけ上の位置が太陽に近づいたのでC/2023 A3の夜明け前ウオッチングは今回で見納めになります。透明度が良くない中での撮影だったので尾の長さ16°はあくまでも推定値ですが、少なく見積もっても10°はあるので条件が良ければ夕刻の西空でも同程度の尾が撮影できそうです。

 すでに近日点を通過しているのでこれ以上明るくなることはないと思いますが、西空では太陽から遠ざかる様子を見ることができるので長期間楽しむことができます。10月末までは等級上は肉眼彗星なので眼視で見えるかも要チェックですね。


〈おまけの画像〉
 天文薄明が始まる前に撮影した冬の大三角とオリオン座、15秒露出の1枚画像


2024/10/2 03h54m57s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f24mm F3.5 ISO6400 15sec photo

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)2nd 観望記録 10/1

2024年10月01日 | 彗星
紫金山・アトラス彗星の2nd 観望記録 で~す。

 本日の観測場所ですが、さすがに連日の遠征は無理~なので超近場の高台です。(^^ゞ

 観測場所に着くと月齢27.7の二十九夜月が見えてました~。ふむ、晴れてはいますが低層にもやがありますね~。今朝は県内全域に濃霧注意報がでているのでさらに透明度が悪くなる可能性があります。

2024/10/1 04h18m51s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 2sec

 現在時刻は04時18分なので、紫金山・アトラス彗星が地平線から顔を出しているはずです。撮影は薄明が進んで星が見えなくなる04時50分まで続けます。撮影可能時間はわずか30分間ですので気合いを入れて頑張りましょう!ファイト~

 ふう、撮影はあっという間に終わりました。で、結論から言うと… 今回もまったく見えませんでした~。やはり光害のある仙台市郊外では無理…というか紫金山・アトラス彗星とボクの相性がたぶん良くないんだなぁ~などと思いながら帰宅して画像を確認すると…

 わぉ!小さいながらに写っています!カメラは紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)をしっかり捉えていました。それでは、仙台の街灯りの中で写した紫金山・アトラス彗星をどうぞご覧くださ~い。

カメラが最初に紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)を捉えた(写っていた)時刻は04時27分でした。

2024/10/1 04h27m07s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 2.5sec


↓ この画像を撮影時したときの彗星の高度が2.4°で太陽高度は-12°、航海薄明が始まりました。

2024/10/1 04h31m20s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 3sec


 彗星はまだもやの中にありますが、中央集光が強いので核が明るく写っています。

2024/10/1 04h34m52s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 2sec


 彗星の高度は3°を超えました。地表が霧で覆われて行く様子が見えます。こっちに来ないで~。

2024/10/1 04h35m11s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 3sec


 月の下にあるしし座の77番星と比べると、彗星の光度は3等級台に入っていると思われます。

2024/10/1 04h38m43s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 3sec+4sec トリミング


  こちらは2枚コンポジットして画像処理したものです。長い尾が伸びている様子が分かります。

2024/10/1 04h39m09s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 3sec+4sec トリミング

 画像を反転してステラナビで確認してみると、写っている尾の長さは約5° でした。

2024/10/1 04h39m09s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 3sec  トリミング

 彗星の出があと30分早かったらもっと見栄えのするほうき星になったと思うのですがね~

2024/10/1 04h46m36s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 1/2sec トリミング

 C/2023 A3 紫金山・アトラス彗星はマイナス等級になると予想された2024年期待度MAXのほうき星でしたが、う~む、ちょっと期待外れでしたね。頭部の明るさはまあまあありますが何より小さすぎ(尾の派手さがない!)ですね。

 これに比べるとC/2020 F3 ネオワイズ彗星はこれぞほうき星!と言えるグレートコメットでした。下の写真は今回と同じレンズ、同じ画角(f70mm)で撮影しています。

2020/7/17 20h32m21s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F4 ISO2000 60sec

 しか~し、落胆するのはまだ早い!C/2023 A3 紫金山・アトラス彗星が本領を発揮するのはこれからです!(…と思いたい)そう、C/2023 A3が日没後の空にやってくる10月12日以降は薄明の終わった暗い空で見ることができます。

 これで、もし、百武彗星のように地球近傍で核の崩壊などを起こしたら、空前絶後の大彗星になります。その可能性はゼロではありません!ほうき星は水物です。大いに期待しましょう!

 個人的には10/12と10/13に見えるであろうムチがしなったようなダストテイルとまっすぐ伸びるアンチテールが見えるかに大注目です。相変わらず不安定な天気が続くようですが気象情報とにらめっこしてチャンスの神様の前髪を掴む勢いで撮影に臨むことにしましょう。


紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) 1st 観望記録 9/30

2024年09月30日 | 彗星
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の初観望記録です。

 結論を先に言うと…まったく見えなくて、写真も撮れませんでした~。トホホ…

 観望に出かけたのは9月30日未明のこと、天気が良くなる気配がないので晴れ間を探して遠征することを決めたのは昨日で、遠征先は天気と疲労対効果を考えて陸前高田の箱根山展望台にしました。

 02時に出発して三陸道を順調に北上していると道路表示の電光掲示板に「9月30日から夜間工事のため区間通行止」の表示が… なぬ~、これから下道では間に合わないぞ~、と思ったのですが…

 冷静に考えると、今現在は9月30日で時間的には夜だけど…9月30日の夜間工事は今日の日没以降のことなのでセーフです!ふう、箱根山展望台(標高447m)には03時45分頃に到着しました。

 で、こちらが展望台からのファーストショットです。高度6°付近まで雲がありました。

2024/9/30 04h07m47s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f40mm F2.8 ISO3200 5sec

 結局、その雲がおじゃまで紫金山・アトラス彗星はまったく見えません。

2024/9/30 04h20m45s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO6400 5sec

 空は航海薄明になりました。雲がなければ3等級のほうき星は十分写る明るさですが、

2024/9/30 04h29m56s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f40mm F2.8 ISO3200 2sec

 雲がその位置を変えることはなかったので、早めの撤収となりました。

2024/9/30 04h37m30s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 2sec

 本日のラストフォト、空に見えるのは寂しげに傾く二十八夜月(月齢26.7)だけでした。

2024/9/30 04h52m15s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO1600 1/30sec

 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の見かけの位置は日々太陽に近づいています。日の出前に見えるビフォー・サンライズの姿を見たいところですが、そのチャンスはあと数日です。

 その後、紫金山・アトラス彗星が日没後の西の空で見えるようになるのは10月12日以降ですが、10月9日には前方散乱効果で光度が-4~5等級になって昼間の空で見える可能性があると言われているのでこちらも要チェックです。

 さて、日々注目されている紫金山・アトラス彗星ですが、その話題が霞んでしまうほどのビッグニュースが本日飛び込んできました。「数日前にATLASサーベイで発見された彗星(仮称:A11bP7I)がサングレージング彗星で発見時の明るさから推測して池谷・関彗星(C/1965 S1)のように明るくなる可能性がある」とのことです。(参照→SpaveWeather.com

 池谷・関彗星(C/1965 S1)は白昼に-10等級で見えたというグレートコメットですが、仮称:A11bP7I彗星は同じ距離で池谷・関彗星よりは少なくとも4〜5等分は暗いのでやや小降りのようです。それでも肉眼彗星になる可能性は十分あるようなので期待したいですね。

 A11bP7I彗星の観望好機は10月下旬から11月上旬のようです。今後の情報を待つことしましょう。

二日月と12P/ポン・ブルックス彗星の接近 観望記録(4/10)

2024年04月12日 | 彗星
4月10日は2024年見たい天体現象「月と惑星の接近(1月~4月編)」で紹介した「二日月と木星、天王星、12P/ポン・ブルックス彗星の接近」の日です。

 ここ数日天気が良くなかったのですがタイミング良く移動性高気圧がやって来て快晴となり、日中は満開の桜見日和となりました。(船岡城址公園から見た一目千本桜→ photo1photo2photo3

 夕方も雲ひとつない快晴となって二日月と木星がマジックアワーの紺空を背景にキレイに見えました。今宵の月は二日月と言っても月齢が1.7で、輝面比は0.04もあります。日没の10分後には肉眼ではっきり見えました。

二日月(月齢1.7)と木星の接近

2024/4/10 18h52m54s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED AR  f70mm F4.5 ISO1250 1/6sec

 12Pポン・ブルックス彗星はやや暗くなったのか眼視ではまったく見えません。もっとも薄明が終わって夜空になる時刻が19時41分なので薄明中の空での観望です。12P/ポン・ブルックス彗星の明るさは4.3等なので肉眼彗星といってもこの時間に見ることは叶わない願いですね。

 カメラが12P/ポン・ブルックス彗星を捉えたのは日没から1時間を過ぎた頃… 画像ではかすかに尾が上に伸びているのが分かります。

木星と12P/ポン・ブルックス彗星、二日月の接近

2024/4/10 19h23m15s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO4000 f5 4sec


 そうそう、天王星のコトを忘れていました。そもそ今宵は「二日月と木星、天王星、12P/ポン・ブルックス彗星の接近」の日でした。天王星を入れて撮り直した写真がこちらです。

「二日月と木星、天王星、12P/ポン・ブルックス彗星の接近」

2024/4/10 19h24m28s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO8000 f5 1.6sec

 こちらは2秒露出の画像を7枚コンポジットした「二日月と12P/ポン・ブルックス彗星の接近フォト」です。コンポジットは「加算平均(σクリッピング」にしたので人工衛星の光跡が消えていい具合になりました。彗星と地球照のツーショットはなかなかレアな現象ですね。

「二日月と12P/ポン・ブルックス彗星の接近」

2024/4/10 19h29m03s~19h29m52s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f440mm ISO8000 f6 2sec × 7


 19時30分を過ぎると画角に山並みが入るようになりました。天文薄明が終わるのは19時41分です。その時刻までまだ10分もありますが月高度は4°で 12P/ポン・ブルックス彗星の高度は5°しかありません。月が赤みを帯びて眠そうな顔をしてきたのでそろそろ撮影会も終了です。

2024/4/10 19h35m03s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO6400 f5.6 3sec

 日没後の西空はとにかく人工天体がひっきりなしに横切るので最後に広角にしてどのくらい人工衛星が写っているのかカウントしてみました。

 結果はスターリンク衛星が14基、ワンウエブ衛星が1基でした。(OneWeb衛星:一般ユーザーではなく企業や政府、既存の通信会社向けに通信衛星サービスを行っているOneWeb社の衛星)

 まだ天文薄明中なのでこの数ですがステラナビでシミュレーションするとこの3倍以上の数の人工衛星がうごめいて、じっと見ていると車(衛星?)酔いになりそうです。笑

2024/4/10 19h43m28s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f55mm F2.8 ISO6400 1.6sec

 彗星がだいぶ太陽に近づいてきたので12P/ポン・ブルックスの観望は今回が最後になりそうです。次の回帰は71年後の2095年の9月頃です。遠い未来ですが宇宙の時間を考えるとあっという間です。

 次の回帰時に12P/ポン・ブルックス彗星が見る地球はどのような世界になっているのでしょう。火星に人類が進出しているか気になるところです。

〈12P/ポン・ブルックス彗星データ〉


 軌道図を見ると12P/ポン・ブルックス彗星が太陽のムコウガワの遠いところにいるのが分かりますね。


12P/ポン・ブルックス彗星 観望記録(4/5)

2024年04月07日 | 彗星
12P/ポン・ブルックス彗星の観望記録です。

 観望に出かけた4月5日の天気はやや黄砂の影響が残る空でしたが雲量は0~1程度で良好といえるお天気でした。今回の観望撮影グッズは望遠レンズ3本とセレストロンMAK90の小望遠鏡と双眼鏡です。

 MAK90はF13.9なので彗星の観望には適していません。赤道儀のアライメントを取るための望遠鏡です。遠征用の赤道儀は20年近く前に買ったケンコーSEⅡですがSky-WatcherのSynScan Wi-Fiアダプターを差し込むとSynScan Proアプリで自動導入ができるので最近はスマホでお気楽導入を楽しんでいます。

 さて、空がだいぶ暗くなってきました。木星が見えてから写真を撮り始めましたが、カメラが 12Pを捉えたのは日没から50分後の18時53分でした。

本日の12P/ポン・ブルックス彗星ファーストショット

2024/4/5 18h53m01s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED AR  f50mm F2.8 ISO1600 1/1.6sec

 19時を過ぎた頃から北極星が見え始めました。ではここで赤道儀の極軸を合わせて、木星でワンスターアライメントをかけます。この日の木星の視直径は33.9秒です。かなり遠くなりましたね~。

 で、木星を望遠鏡の視野の中心に入れてアライメント成功です。SynScan Proアプリは今見える彗星を明るい順にリストアップしてくれるので便利です。一番上にある12Pをポチッと押して導入です。

 12Pは木星の近くにあるので望遠鏡は少しだけ動いてすぐに止まりました。さあ撮影です。ここでMAK90を外して望遠レンズを載せるのですがその前にMAK90で12Pが見えるか覗いてみましょう。

 …と軽い気持ちで覗いてみたのですが超ビックリです。なんと視野のど真ん中に緑色のほうき星の頭部がくっきり見えます。え、F13.9なのにこんなに明るく見えるの? 驚きは明るさだけではありません。予想を超える大きさです。

 先ほどの木星と比べると中心の真円上の核っぽいところの直径は木星の2倍(推定60秒越え)あって、その下には半円状のコマがクッキリ見えて上の方はコマが伸びて薄くなっています。

 アウトバースとして3等級台に入ったというのは確かなようですね。下記の写真でもさんかく座のアルファ星(3.42等)と同じくらいの明るさに写っています。

2024/4/5 19h14m07s D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED AR f70mm F4.5 ISO1600 8sec

 では、ここからは撮影した写真をご覧ください。これは300mm望遠レンズで撮影した1枚画像の12P/ポン・ブルックス彗星です。露出は30秒です。

2024/4/5 19h12m40s Nikon D90  Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm  f300mm ISO2500 f4.5 30sec


 こちらは同じ300mmレンズで撮影した1枚画像ですがややトリミングしてあります。MAK90で見たときは頭部がこの写真のように見えました。

2024/4/5 19h15m45s Nikon D90  Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm  f300mm ISO2500 f4.5 30sec(トリミング)


 ここからは11枚コンポジットした画像です。

2024/4/05 19h18m40s~19h25m11s  30sec×11(330秒) D90  Zoom-NIKKOR*ED f300mm f4.5 ISO2500

 さらに強調して画像処理をかけてみました。

2024/4/05 19h18m40s~19h25m11s  30sec×11(330秒) D90  Zoom-NIKKOR*ED f300mm f4.5 ISO2500

 さらにガリガリに処理をかけるとイカの足のような尾が浮かんできました。

2024/4/05 19h18m40s~19h25m11s  30sec×11(330秒) D90  Zoom-NIKKOR*ED f300mm f4.5 ISO2500

 破綻寸前の限界まで強調してみると。ふむ、かなりダイナミックな尾を伸ばしているようです。

2024/4/05 19h18m40s~19h25m11s  30sec×11(330秒) D90  Zoom-NIKKOR*ED f300mm f4.5 ISO2500


 あっという間に時間は過ぎて、19時18分には12Pの高度が10°を切ってしまいました。ここからは沈みゆく12Pの写真です。大気減光でテイルも薄くなっています。

2024/4/5 19h36m41s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO10000 f5 15sec

 高度が7°になりました。山の端が近づいてきます。

2024/4/5 19h39m39s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO10000 f5 15sec


 これは1枚画像ですが高度6°でこれだけ尾が写るのはなかなかの大物と言えますね。

2024/4/5 19h41m42s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f200mm ISO12800 f5.3 30sec(トリミング)

 地球と彗星の位置が良かったらグレートコメットとして見えたのかな~と妄想してしまいます。

2024/4/5 19h45m18s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f200mm ISO12800 f5.3 30sec

 気になるので次回の回帰、2095年9月の接近をステラナビでシミュレートしてみたら地心距離は1.46AUで、位置は太陽のムコウガワで… 今回とまったく同じような感じでした。

2024/4/5 19h46m10s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO12800 f5 30sec

 いや、尾の見え方は今回の回帰の方がいい感じがするのでむしろラッキーだったのかな、12Pの近日点通過は4月21日です。条件は厳しくなりますがもうしばらくは観望できるのでチャンスを見てウオッチングしてみることにしましょう。


12P/ポン・ブルックス彗星 撮影記録(4/2)

2024年04月04日 | 彗星
4月2日にプチ遠征して12P/Pons-Brooks 彗星を撮影してきました~。

 12Pは初観望なのでどのように見えるか興味津々でしたが当日は黄砂がひどく透明度はよくありませんでした。なので双眼鏡で見ても…え、これなの? という感じでした。

 撮影時の高度は13°なので仕方ないと言えば仕方ないのですが、彗星までの距離が1.6AUもあるのですからこれでも見えてる方ですかね~。

 で、本日の撮影システムは20cm反射望遠鏡です。彗星の尾の全体像を捉えることはできませんが頭部から伸びるダストテイルがどのように出ているかを撮影するのが目的です。

 こちらは20秒露出を5枚コンポジットした画像です。4月2日時点での彗星の高度は4.4等級なので頭部はかなり明るく写っていますがダストテイルはかなり淡い感じがします。

12P/Pons-Brooks彗星(周期71年)

2024/4/2 19h08m30s~ 20sec×5  総露出時間100秒 D810A  ISO1600

こちらは画像処理をガリガリに行ってダストテイルをあぶり出した12P/ポン・ブルックス彗星です。なかなか複雑な形のダストテイルが出ているようですね。

2024/4/2 19h08m30s~ 20sec×6  総露出時間120秒 D810A  ISO1600

 今後、撮影条件は日に日に厳しくなっていきますが天気のいい日に再度プチ遠征して今度は望遠レンズを使って彗星の全体像の撮影することにしましょう。





2P/エンケ彗星 観望記録

2023年10月15日 | 彗星
2P/エンケ彗星の観望記録で~す。

 時は少し戻って10月12日夕方のこと… 何気なく天気予報を見てると、ほひょ、移動性高気圧の到来で2日連続で快晴が続く予報になってる…。こ~れは、待てば海路の日和ありだ~。

 エンケ彗星の観望好機は月の影響を受けない9月25日頃までと月が細くなる10月11日以降なので、撮影の機会を待っていた身としてはこれはまたとない絶好のチャンスです!

 早速、遠征計画を立てましょう!エンケ彗星は、太陽に近いので日の出前の低高度での撮影になります。…ということで今回の遠征地選定のポイントは…

1.撮影地から見た東側の空が開けていること
2.撮影地の東側に街明かりなどの光害がないこと
3.撮影地まで自宅から1時間以内の場所であること
4.土地勘のある場所であること…です。

 1と2は説明するまでもないのですが、3については疲労対効果を考えた場合の今回の適正値として、4はかなり大事で突発的な事象で撮影予定地が不可になった時に短時間で代替撮影場所を探すには絶対的な土地勘が必要なので、です。

 で、結果として選んだ撮影場所は涌谷付近で以前下見をしていた撮影ポイントとなりました。エンケ彗星が地平線から出る時刻は03時45分なのでそれに間に合うように02時過ぎに自宅を出発!予定どおり03時過ぎに目的地に近づいたのですが、問題発生です。霧です!

 地を這うようにうごめく霧がこちらにどんどん近づいてきます。あちゃ~、今夜も夜霧よこんにちは~です。夜霧発生は想定してたので避けて選定したつもりでしたがここまで流れています。SCWを見ると今夜の夜霧は北上山地の西側、北上川流域で大発生して南下しているようです。ここが霧に覆われるのも時間の問題です。

 う~む、代替地は南下する霧を避けて西へ進むしかありません。赤道儀設置の時間を考えると移動時間は15分以内…わぉ、考える時間も惜しいのですぐ車を発進させて、着いたのはお隣の美里町です。タイムアップです。ここに霧が流れてきたら諦めるしかありません。

 スゴイスピードで赤道儀を設置して極軸を合わせて、バーティノフマスクでピントを追い込み、試し撮りをして準備完了。時刻はエンケ彗星が地平線から出る時刻の03時45分です。ギリ間に合った~。

 ここで本日のエンケ彗星の位置情報です。場所はおとめ座のβ星(3.6等級)とν星(4.0等級)の間です。月齢28の月も近くにあるので目印になります。


 こちらがエンケ彗星の基本情報と彗星軌道上の現在位置です。


 さて、すでにエンケ彗星は地平線上にありますが双眼鏡では確認できません。目星を付けてデジカメの感度をISO10000で撮影してみましょう。遠方に先ほど脱出した霧の層が見えています。(photo

2023/10/13 03h59m23s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO10000 F10 3sec

 月齢27.7の月が昇ってきました。霧の層が上空まで広がっています。(photo

2023/10/13 04h09m33s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f170mm ISO12800 F6.3 4sec

 う~む、この場所にあるはずですがデジカメでも確認できません。エンケ彗星の確認はできていませんが場所は分かるので20cm反射望遠鏡のファインダーで星をたどって撮影して見ましょう。(photo

2023/10/13 04h13m48s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO12800 F6.3 3sec

 ISO12800で露出を4秒にして…カメラのモニターに浮かび上がった画像を見ると… わぉ! ビンゴです!! エネラルドグリーン色のエンケ彗星が写っています。(photo

2023/10/13 04h15m47s SE200N D810A  ISO12800  4sec

 彗星は予想どおりの場所にあったのですが望遠レンズでは写らなかったようです。(photo


 では、ここからはコンポジットして画像処理したエンケ彗星をご覧ください。

4枚コンポジット、かすかですが尾が伸びているのが分かります。(photo

2023/10/13 04h15m47s~ 04h17m02s 4枚コンポジット 総露出時間22秒 D810A  ISO12800 トリミング有り

04時15分に薄明が始まっているので背景が青くなっています。彗星高度7°(photo

2023/10/13 04h23m00s~ 04h23m23s 2枚コンポジット 総露出時間30秒 D810A  ISO12800 トリミング有り


太陽に0.42AUまで近づいた2P/Encke、尾が長く伸びている様子が見えます。(photo

2023/10/13 04h24m54s~ 04h26m48s 4枚コンポジット 総露出時間75秒 D810A  ISO12800

 2P/エンケ彗星の近日点通過は10月22日です。エンケ彗星は周期3.3年の短周期彗星ですが近日点通過時にいまも長い尾を伸ばしていることはビックリでした。撮影してみないと分からないものですね。

 エンケ彗星の撮影は04時40分まで続けましたが04時30分以降は薄明が進んで画像処理をしても尾が伸びている画像は1枚もありませんでした~。

さてさて、実は今日の月は2023年で最も細い新月2日前の月(輝面比0.03)だったのです。その月を撮影することも今回の目的のひとつだったのですが、なんと月が出る瞬間から撮影をすることができたので撮影枚数はエンケ彗星より月の写真の方が圧倒的に多い状態でした~。笑(photo

2023/10/13 04h42m08s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f180mm ISO5000 F6.3 1sec

なので「今年最も細い新月2日前の月・観望記録」は別ブログでアップしたいと思いま~す。

ここからは、まったくの余談ですが撮影を終えた後、あの広がっていた霧はどこまで近づいていたかを見たかったのでSCWの局地予報を見たらこんな状態でした。わぉ!(photo) 

 なんと撮影場所だけが霧に覆われず、しかも撮影方向の東方面にも霧が発生しないという超ミラクルな現象が起きていました~。なんというラッキーなことでしょう。どういう作用が働いたのか分かりませんが感謝の極みです。

 で、昨日知ったことですがこの広範囲の霧が発生したとき、涌谷町の中央に鎮座する箟岳山(標高236m)の頂上から、朝日を受けて黄金に輝く雲海を望むことができるそうです。

【宮城県涌谷町】最寄り駅からたったの15分で絶景!黄金の雲海スポット「箟岳山」


 なるほど霧で撮影ができなくてざんねん~な日は黄金の雲海が広がる絶景を見られる超ラッキーな日ということですね。こ~れは覚えておきましょう!

 涌谷町HPによると、この雲海展望エリアは「令和5年秋の公開は、令和5年10月1日(日曜日)から11月5日(日曜日)までの期間で、雲海が出現している早朝に限ります。」とあるのでいつでも行ける場所ではないようです。詳しくは下記リンクから涌谷町HPをご覧くださ~い。
リンク→〈涌谷町・箟岳山からの雲海

103P/ハートレイ彗星  撮影記録

2023年10月12日 | 彗星
103P/ハートレイ彗星の撮影記録です。

 今年は秋の移動性高気圧が来ないまま冬になるかも…と思っていましたがやっと来ました~。
こ~れはチャンスです!10月12日に近日点を通過する103P/ハートレイ彗星の撮影に出かけましょう!

 せっかくなので空の暗い場所へ遠征して撮影しよう!と意気込んで20cm反射を引っ張り出してふたを明けると… わぉ、これは古墳から出土した鏡ですか?と思えるほどホコリで鏡面がくすんでいます。
 
 これはすぐに洗ってあげたい…う~む、遠征に出かけるのは深夜なので時間はありますね~、ふむ、思い立ったら吉日です。ガシガシと外して風呂場へ直行!シャワーでホコリを流してから洗顔フォームを指の腹につけてやさしく撫でて汚れを落とします。あとはシャワーで流して…うむ!新品同様です!

 さて、撮影地はSCWの局地予報を見て晴天率の高い登米市付近にしました。遠征に出かけた日(10月10日)は昼から一日中雨が降っていましたが深夜の日付が変わる頃から晴れ上がる予報でした。

 なので出かけるときはまだ小雨が降っていましたが現地に着くと雲量は3~2程度です。いいですね~。空を見上げると秋の天の川がクッキリ見えます。早速SCM(スカイクオリティーメーター)でソラノクラサを計ると… ピピッ、お、でました。あらら、20.82…です。

 この近辺(登米市の田園一帯)は、Light pollution map によると21.26はあるはずなのですが、雨上がりの湿度が影響しているのかなぁ~などと考えながら望遠鏡を赤道儀にセットして、まずはM42でテスト撮影です。試し撮りをして、よしピンを追い込むぞ…と思ったその時、大問題発生です!なんとピント合わせの必需品「バーティノフマスク」を忘れてきました~。あちゃ~、

 仕方ないので星像が一番小さくなるところでピントが合ったことにしました。トホホ… で、こちらがテスト撮影のM42オリオン大星雲です。鏡面がピカピカなのでいつもより立体感のある写りになったような気がします。

M42(1枚画像)

2023/10/11 0h55m42s SE200N Nikon D810A ISO1600 60sec(photo


燃える木、馬頭星雲(2枚コンポジット)

2023/10/11 01h01m31s. 01h02m31s. 30sec,60sec SE200N Nikon D810A ISO1600(photo

 さて、ここからが本題です。10/12に近日点を迎える103P/ハートレー彗星は現在ふたご座にいます。デルタ星(3.5等級)と58番星(6.2等級)の中間にいるので見当は付けやすい位置にあります。

 103P/ハートレー彗星の等級は最近の観測値で8等級まで明るくなっていますが、双眼鏡では確認できませんでした。2010年にハートレー彗星を撮影した時は5.8等級だったので自宅でも確認できたのですが今回はそこまで明るくならないようです。

103P/ハートレー彗星(ファーストショット)

2023/10/11 01h17m21s SE200N Nikon D810A ISO10000 60sec

 こちらはハートレー彗星の基本情報と彗星軌道上の現在位置です。


 ハートレー彗星は近日点を通過しても尾が延びることがないとても小さな彗星ですがコマがエメラルドグリーに輝くキレイなほうき星です。

2023/10/11 01h32m10s SE200N Nikon D810A ISO6400 30sec×4

 こちらは60秒画像を4枚コンポジットした画像ですがこのころから霧が発生して透明度が悪くなってしまい、この後は撮影不可となってしまいました。

2023/10/11 01h40m29s SE200N Nikon D810A ISO1600 60sec×4

 霧は晴れることなくどんどん濃くなるばかりで望遠鏡もしっとりと濡れてきました。今日は「2023見たい天体現象」で紹介した「有明の月と金星、レグルスの接近」が見られる日です。月出は01時58分なので撮影機材は撤去せずにしばし車の中に避難して休憩タイムです。

 霧だけでなく雲も広がってきたので撤収かなぁ~とも思ったのですが、01時58分過ぎに車の外に出てみると、おー、山の端にオレンジ色に妖しく輝く三つの光点が見えます。一つは金星、もう二つは弓形に光る月の両端部分です。むむ、この弓月の両端はまさに江戸時代の二十六夜待ちで見られる阿弥陀三尊の観音菩薩と勢至菩薩の正体なのでは…

 以前から江戸時代の二十六夜待ち(旧暦7月26日)では阿弥陀三尊(真ん中が阿弥陀如来、左脇侍が観音菩薩、右脇侍が勢至菩薩)が見えると言われているのでいつか確認してみたいと思っていたのですがたぶんこの現象でしょう。今日は見えませんが天気が良ければ地球照が中央に見えるのでそれが阿弥陀如来なのでしょう。

 今日は旧暦8月26日の夜です。1ヶ月前の旧暦7月26日もほぼ同じ向きで弓月が昇ってくるので江戸時代の二十六夜待ちはこの月を見ていたということになりますね。準備をしていなかったので写真は撮れませんでしたがいいものを見ました。旧暦7月26日の「二十六夜待ち」は江戸の人たちの粋な遊びだったようなので深掘りしてみると面白そうですね。

 急ぎカメラをセットして撮った写真がこちら

2023/10/11 02h16m42s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f200mm ISO1600 F7.1 2sec

 この続きは次回のブログ「有明の月と金星、レグルスの接近」観望記録で~