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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

11月10日の火星

2024年11月13日 | 火星
11月10日の火星撮影記録です。

 撮影は火星の高度が60°を超えるのをまって2時45分頃から開始しました。気流は木星を撮影したときと同じで良好です。オリオン座のリゲルとベテルギウスは瞬いていないように見えます。

 撮影システムは木星撮影時と同じで、大気補正プリズム(ADC)を使わない μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut)です。

 露出時間はDe-rotation でコンポジットするので60秒露出にします。火星の撮影としては短めですが始めからDe-rotationありきでの露出設定です。

 で、こちらが60秒露出を20枚De-rotationした画像です。

2024/11/10 μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=13050mm (F/55)
Shutter=9.253ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 25%  De-rotation 60s×20image  


 火星としては最もアルベド模様がない地域ですが、火星の最高峰オリンポス山とタルシス三山が正面にあるので山めぐりをするにはいい時間ですね。アルシア山にかかる雲も写っています。



こちらは2024年11月10日02時51分から03時50分までの自転の様子です。

CM=112°→127° De=14.9° Ls=358.6° Diameter=9.8"

↑ 中央経度は15度ほど移動(自転)しているのですがアルベド模様がないので自転している様子が分かりにくいですね。2020年の接近時に作った火星クルクルはアルベド模様がたくさんあるので自転の様子がよく分かります。そもそも視直径の大きさがちがうのでその差もありますね。↓

2020年10月31日23時07分から24時07分までの自転の様子

CM=228°→242° De=-22.9° Ls=306.3° Diameter=20.2"

 2020年の接近時は中央緯度が-22°なのでドライアイスが溶けて氷だけになった真夏の南極冠がよく見えます。逆に北極地方はほとんど見えていないこともよく分かりますね。


本日、11月13日は火星における太陽黄経が0°なので火星歴の春分の日となります。

 暑さ寒さも彼岸まで…と言いますが、火星ではどうなのでしょうね~。

〈追記〉
撮影時のシーイング

11月10日の木星

2024年11月11日 | 木星
11月10日未明に撮影した木星の記録です。

 11月9日の宵の口は夜空の小さな星たちが Twinkle Twinkle Little Star で、お空のダイヤモンドだったのですが、23時過ぎにはしっとりと落ち着きました。全天で最も明るい恒星シリウスはゆるやかに瞬いていますが、オリオン座のリゲルとベテルギウスは瞬いていないように見えます。

 ふむ、仙台上空に待望の好気流がやってきたようです…ということで、今宵は夜更かしの惑星撮影大会です。ターゲットは木星と火星で、今回は顕微鏡対物レンズとTCA-4を組合わせて撮影してみます。

 撮影はTCA-4の本体チューブを縮めた状態とMAXまで引き出した状態で行って拡大率の違いを調べます。それぞれ60秒露出で10ショット(総露出時間10分)撮ってDe-rotationします。

 で、こちらが本体チューブを縮めた状態で撮影した木星です。パラメーターに記録されている合成焦点距離は8600mm (F/36)でした。PLAN 5×+ADC とほぼ同じ焦点距離ですが余計なレンズを透過してない分クリアな感じがします。 

2024/11/10 0h19m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8600mm (F/36)
Shutter=11.22ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10  Autostakkert3 25% (photo)


こちらもTCA-4の本体チューブを縮めた状態で撮影した木星です。(写っている衛星はエウロパです

2024/11/10 0h34m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8600mm (F/36)
Shutter=12.62ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10  Autostakkert3 25% (photo)


こちらが本体チューブをMAXまで引き出した状態で撮影した木星です。合成焦点距離は11600mm (F/49)です。拡大率としてはこれまでのベストで氷衛星のエウロパも円盤像に写っています。

2024/11/10 0h53m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11600mm (F/49)
Shutter=12.08ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10  Autostakkert3 25% (photo)


 大気補正プリズム(ADC)を使わない高度(60°以上)での撮影はこのシステム、μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut)が良さそうですね。

 ということでこのシステムを使って火星も撮影してみました。その様子は次回のブログで~。


〈追記〉
0時25分から0時56分までの木星の自転とエウロパが公転する様子です。(gif)




〈追記.11/14〉
撮影時のシーイング

11月4日のISS

2024年11月10日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト第4弾:その4~ISS撮影の記録です。

 今回の撮影システムはDOB30cmにOrtho Barlow 2×を装着したベーシック・スタイルです。 Apollo-CはASI290MCに比べて画角が広く、感度も高いので適正露出を探るのが今回の主目的です。

 本日のISSは高度29°で地球の影を抜けて出現します。しかも、太陽に向かって進む早朝北天コースなので天頂通過前は極端に明るくて後半は急激に暗くなるパターンです。

 適正露出を探るには難しいコースですが、とりあえずGainは 275 (57%) で撮影してみました。 案の定、前半は露出オーバーでしたが今後の撮影に向けての参考データは取得できました。

 広画角が奏効して長時間撮影できたのはいいのですが取得フレーム数が多いのでコンポジットをする良質画像のセレクトは AS!3(AutoStakkert)におまかせしました。(^^ゞ   *参照→(AS!3でスタック編

60フレームを25%スタックして画像処理したISS

2024/11/4 DOB30 + Ortho Barlow 2× + Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=3000mm (F/10)
Shutter=0.901ms Gain=275 (57%) Limit Frames 8556-8616 Autostakkert3 25% Drizzle1.5×


57フレームを25%スタックして画像処理したISS

2024/11/4 DOB30 + Ortho Barlow 2× + Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=3000mm (F/10)
Shutter=0.901ms Gain=275 (57%) Limit Frames 8937-8994 Autostakkert3 25% Drizzle1.5×



2024年11月4日のISS


 カメラ画角が広いので動画をみて分かるように捕獲率はいいのですが、この拡大率ではぜんぜん拡大撮影になっていませんね。今後のステップとしては、顕微鏡対物レンズを使用したシステムでの適正拡大率を探る…ですね。

 ゴールまでの道のりは遠いですがひとつずつ課題をクリアしていくことにしましょう。

軌道図とイベントデータ




 そうそう、甘酒はISS撮影後に飲みました~。サーモマグに入れていたのですが、さすがに飲み頃温度はすぎてビミョーにぬる~い甘酒になっていました。笑

11月4日の火星

2024年11月08日 | 火星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト第4弾:その3~火星撮影の記録です。

 撮影システムは木星と同じにして、PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut)で3ショット、 PLAN 5×+ Flip Mirror+Apollo-C(UV/IRcut)で2ショットほど撮ってそれぞれDe-rotationしました。

↓ で、こちらが顕微鏡対物レンズを使って撮影した火星ファーストショットです。



↓ こちらはFlip Mirrorを挟んで光路長MAXの拡大率で撮影した火星ですが、画像を見るとそれほど破綻はしてないように感じます。視直径が小さいからかPCモニター上ではかなり暴れていたのですがね~。



↓ で、これが拡大率の違いが分かるように並べてみた比較図です。これを見ると光路長MAXのFlip Mirrorシステムは火星に使えそうですかね~。ま、気流の状況によるとは思いますが…



 さてさて、撮影した11月4日の火星Lsは355.7°だったので火星歴で考えると3月15日の1日目になります。となると火星の北半球は春の始まりで、南半球が秋の始まりとなります。その頃の気温はどのくらいなのかなぁ~と思って調べたらこんな感じでした。



 ふむふむ、1日の気温差が80℃~90℃ですか~。海のない砂漠惑星だとこうなるのですかね~。火星移住後は地下都市にするのが良さそうですね。火星は大気が薄いのでたぶん隕石落下も多いだろうし、地上で住むのはリスクが多すぎますね。

 さて、11月3日宵の口の土星からスタートしたニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)のテストですが、3惑星を撮影したところで終了~とはならないで、なんと、この後にISSの拡大撮影テストを行いました~!

 ISS通過は04時47分なので、あと約30分後です。う~む、気がかりなのは飲み頃の温度にするためにキッチンに置きっぱなしにしてきた甘酒ですね~。これをいつ飲むか… とりあえずはISS拡大撮影の準備をしながらいつ飲むかを考えることにしましょう!笑

 続きは次回のブログで~

〈追記.11/14〉
撮影時のシーイング

11月4日の木星

2024年11月07日 | 木星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト第4弾その2~の記録です。

 スマホ目覚ましアラームは03:00にセットしていたのですが、なぜか02:30にはパッチリと目が覚めて… なんだか脳がカラダに「早く撮影をしろ!」と命令しているかのような目覚めでした。

 で、まずは、寝起きの脳に糖分を与えるために酒粕から作る熱々の甘酒(砂糖入り)をイソイソとつくって、飲み頃の温度になるまで外で星空チェックです。

 ほほう、WINDY高層気流予報では相変わらず250hPa/10kmが風速66m/sですが、星はそれほど瞬いていません。ふ~む、予想に反して気流は良さそうです。

 見上げると南の空高いところで木星が眩しいほどの輝きを放っています。おっと、これにはさすがの冬の1等星集団も不戦敗を決め込んで鳴りを潜めてしまっているようです。

 木星の高度は60°を超えているので大気補正プリズムADCは使わず撮影します。最初は過剰倍率であることは承知ですが手持ちのシステムでは拡大率MAXのFlip Mirror を装着して撮影を行います。

 お!ノーマークでしたが大赤斑がほぼ正面に来ています。ラッキーです!しかも、そこそこ、いや、かなり鮮明に模様が写っています。この時期にしてはかなり気流がいいようです。 

↓ 拡大率をMAXにするために Flip Mirror を装着して撮影した木星

2024/11/4 03h18m μ210+ WREYMER PLAN 5×+ Flip Mirror+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=14300mm (F/60)
Shutter=22.80ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% 


↓ 拡大率を調整するためにADC(補正量は0)を装着して撮影した木星

2024/11/4 03h46m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8900mm (F/37)
Shutter=26.34ms Gain=300 (62%) Duration=60s  Autostakkert3 50% 


↓ 5分間の自転の様子(03h42m-03h46m)左下ー木星に影を落とす衛星イオ

2024/11/4 03h42m-03h46m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8900mm (F/37)
Shutter=26.34ms Gain=300 (62%) Duration=60s×5  Autostakkert3 50% 


〈考察〉
・今回は顕微鏡対物レンズとニュー惑星カメラを組合わせたシステムで、適正な拡大率になるかを探るテストなのであえてアイピースは使用していない。
・ Flip Mirror を装着したシステムはF60なので過剰倍率だろうと考えていたが今回の撮像画像を見る限り好気流では許容範囲であると思われる。
・ADC(補正量0)を装着したシステムではやや拡大率が小さいので、Flip Mirror 装着とADC装着の中間となるシステムがあるといいのだが… なんとか探してみることにしましょう。

 さて、木星テスト撮影はここで終了です。南南東の空では0等級まで明るくなった火星が南中に向かって高度を上げています。高度は70°に近いので木星と同じシステムで火星の撮影を行います。

 おっと、ここで、まだ甘酒を飲んでいないことにハタと気付きました~。今日の脳はしっかり覚醒しているようで…ブドウ糖の補充はいらなかったようですね。笑

 続きは次回のブログで~


〈関連ブログ〉
2月14日の木星(シン・システム 解像度 比較 編)2024.2.16
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(PLAN 5× テスト撮影 編)2024.2.8
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(撮影システム 備忘録 編)2024.2.5
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(無限遠補正光学系レンズ編)2024.1.30




11月3日の土星

2024年11月06日 | 土星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト第4弾の記録です。

 今回のテスト撮影では共通システムとして大気補正プリズムZWOを装着して、アイピース・顕微鏡対物レンズ・バローレンズによる違いを比較しました。

 タイミング良く仙台上空に移動性高気圧が来たので期待したのですが、1等星の瞬きがはっきり分かるほどで好気流といえるレベルではありませんでした。(WINDY高層気流予報、250hPa/10km=66m/s)
 

↓〈18mmアイピース〉


2024/11/4 20h09m μ210+TPL-18mm + TCA-4 + ADC +Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9450mm (F/40)
Shutter=58.98ms Gain=450 (93%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 


↓〈25mmアイピース〉


2024/11/3 20h17m μ210+TPL-25mm + TCA-4 +ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=6300mm (F/26)
Shutter=56.98ms Gain=378 (78%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 


↓〈顕微鏡対物レンズ〉


2024/11/3 20h31m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=5450mm (F/23)
Shutter=55.21ms Gain=361 (75%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 


↓〈バローレンズ〉


2024/11/3 20h44m μ210 +Ortho Barlow 2×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=4500mm (F/19)
Shutter=48.14ms Gain=352 (73%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 


〈考察〉
・18mmアイピースは拡大率としては理想だと思うのだが今回の気流では過剰倍率だったようでボケボケだった。好気流では期待できるシステムではある。
・25mmアイピースは18mmアイピースより解像度が良くなると予想したが思うほど向上しなかった。たまたま気流が悪かったのだろうか。ポテンシャルは高いと思うのだが…
・顕微鏡対物レンズPLAN5は今回の撮影ではダントツで解像度が良かった。あまりにも良かったので3ショットほど撮影してみたがいずれもシャープで安定した画像だった。
・バローレンズは拡大率が他のシステムより小さいが解像度は悪くなかった。こちらも2ショット撮影してみたが2枚とも同じ解像度だった。

 みずがめ座にある土星は南中高度が40°を少し超えた程度なので大気補正プリズムは必須だが光学的な減衰を考えると使わないで撮影したいところではある。
 大気補正プリズムを必要としない高度は60°以上と言われているので今後の土星の南中高度を調べたところ、南中高度が60°を超えるのは2028年以降であった。しばらくは大気補正プリズムのお世話になる日が続くようだ。

10月25日の土星(テスト撮影)

2024年11月05日 | 土星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)のテスト撮影第3弾の記録です。
 撮影日は10月25日、テスト内容は「望遠鏡用アイピースTPL18mm」と「顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5×」を使用しての 解像度比較です。

〈顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5×で撮影した土星〉


2024/10/25 20h49m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8700mm (F/37)
Shutter=75.95ms Gain=367 (76%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 



〈望遠鏡用アイピースTPL18mmで撮影した土星〉


2024/10/25 21h18m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9000mm (F/38)
Shutter=77.34ms Gain=353 (73%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 



〈確認のために再度WREYMER PLAN 5×で撮影した土星〉


2024/10/25 21h22m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8700mm (F/37)
Shutter=83.90ms Gain=353 (73%) Duration=180s  Autostakkert3 50% 



〈TPL18mmとWREYMER PLAN 5×の比較図〉


〈考察〉
・パラメーターに記録されている合成焦点距離は、望遠鏡用アイピースTPL18mmが9000mm (F/38)で、顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5×は8700mm (F/37)だったので、PLAN 5×の方が拡大率としてはやや小さいが画像上ではほぼ同じ大きさであった。
・解像度は顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5の方がややキレがあって精細な感じに見えるが気流の違いも考えられるので解像度についてはさらにテストを重ねて判断したい。

 さてさて、これまでも顕微鏡対物レンズで土星を撮影したことはあったよなぁ~と思っていたのですが、確認したところ今回が初撮影だったようで…まさかの記念すべき顕微鏡対物レンズで撮影した土星のファースト画像となりました~。(気付くのが遅すぎる!)

 11/3-11/4は天気が良かったので、顕微鏡対物レンズWREYMER PLAN 5 + Apollo-Cのカメラテストを土星・木星・火星で行うことができました。その様子は次回のブログで~。

真上に見える満月(2024年12月15日)

2024年11月01日 | 「見たい天体現象」
 早いもので今年のカレンダーも残りがあと2枚となりました~。

 この時期になると来年の天体現象が気になってそわそわしてきますよね。晴れスタ恒例の「今年もやります!2025年見たい天体現象シリーズ」は現在絶賛編集中ですが、その過程で今年見なければならない緊急案件を発見したのでご紹介しま~す。

 それは… ジャジャ~ン、「真上に見える満月」です! このことについては2008年11月15日のブログ「真上に見える月」で紹介しているように18.6年周期で満月の高度(赤緯)がMAXになるので次回は2026年と思っていたのですが…

 なんと、満月の高度(赤緯)がMAXになるのは2024年(今年です!)12月15日でした~。こ~れは見逃せません。これを見逃すと次は2043年の12月になってしまいます。

 で、気になる満月の高度ですが、仙台では12月15日23時45分に高度が80.0°になります。わぉ!

 2023年~2026年は12月の満月の南中高度がいずれも高くなりますが、国立天文台>こよみの計算で調べたところ仙台では、2023年が79.3°で、2024年が80.0°で、2025年は79.7°、2026年が79.2°でした。

 なぜ、18.6年周期で満月時の高度がMAXになるかについては、国立天文台のトピックス「月の最北と最南」に詳しく載っていますので、知りたい方はそちらをご覧くださ~い。(^^ゞ

 12月15日23時45分の仙台での満月高度は80.0°ですが、満月高度は観望場所で変わるので、東京では仙台より高い82.5°になります。となると日本国内で12月15日に満月の高度が90.0°になる場所があるのか気になりますよね~。

 で、調べました。晴れスタ-スタッフが総力をあげて調べたところ、かなり限定的で、せま~い範囲ですが見つかりました!それは、奄美大島の奄美空港の南西、奄美パーク~明神崎展望台のエリアです。

このエリアでは12月15日の24時32分(12月16日0時32分)に満月の高度が90.0°になります。


この場所でこの時間に天頂を見上げると、まさに真上に満月があります。

 満月はとても明るいので夜でも影踏みができるほどの影がはっきり見えますが、満月の高度が90°になった時に天頂から降り注ぐ明るい月光を浴びると影は消えて無くなるはずです。

 自分の影ができない満月の夜を体験してみたいですね~。仙台は満月高度80°なのでとっても短い影ができます。超難易度の高い影踏みができそうですね。(笑)
 仙台では短くなった影を見て満月の高さを体感することにしましょう。

アトラス彗星(C/2024 S1)のその後(最終報告)

2024年10月29日 | 彗星
C/2024 S1 (ATLAS) は残念ながら太陽熱に耐えることができなかったようです。


 ↓ 07:24(UT)の画像では彗星の頭部(核)が写っていましたが…


 ↓ 08:24(UT)の画像では頭部(核)が見えなくなって…


 ↓ 09:00の画像が C/2024 S1 (ATLAS) の尾の残骸を確認できた最後の画像となりました。

 かくして 2024年ハロウィーン・グレートコメットという称号が準備されていたアトラス彗星(C/2024 S1)は幻となってしまいました~。まー、ほうき星は水物(氷物?)なのでしかたないですね~。

 さて、クロイツ群ほど太陽に接近はしませんが来年1月13日に近日点距離0.09auまで近づくアトラス彗星(C/2024 G3)がマイナス1等級になるのでは、…と注目されています。

 こちらもアトラス彗星(C/2024 S1)と同様に太陽熱に耐えることができず消滅するだろう…と予測されていますが、生き残ればマイナス13等級になるというトンデモ予測もあるので注目株ではあります。

 軌道を見ると条件良く見られるのは南半球で、北半球では近日点通過後に観測できる可能性はあるがほぼ無理だろうレベルなのでまたしてもSOHOでのウオッチングになりそうですね。

アトラス彗星(C/2024 S1)のその後(速報)

2024年10月28日 | 彗星
C/2024 S1 (ATLAS) がSOHOのLASCO C2画面に入ってきました。


 LASCO C2の最新画像ではかなり小さくなっていますが、まだ健在のようです。


  C/2024 S1 (ATLAS)と同じサングレーザー彗星で「2011年クリスマスのグレートコメット」となった「ラブジョイ彗星(C/2011 W3)クロイツ群」は絶対等級が C/2024 S1 (ATLAS)と同じ15等級でしたが100万度のコロナに耐え抜いてみごとな大彗星となったので、ここからが勝負ですね!

↓ ラブジョイ彗星(C/2011 W3)が太陽コロナを通過する様子(近日点距離:14万km)

  アトラス彗星(C/2024 S1)がコロナに耐え抜いて生き残るのか、それとも蒸発して雲散霧消となってしまうのか、今後の状況を見守ることにしましょう。

 がんばれ~、アトラス彗星!