ひろせ明子の市議日記

無所属・無会派。
市議として日常で見たこと・感じたことを綴っています。

26年度予算反対討論

2014年03月27日 | 議会
以下のように26年度予算反対討論をしました。

26年度予算案反対討論

以下、6点にわたり反対討論を行います。

1、市政は市民が主役
市政は市民の為に行われなければいけません。市長が主役ではなく市民が主役です。
その為には、各種正式議事録作成は必須です。
浦安市最高意思決定機関である経営会議の議事録を巡り、その議事録の不十分さ故に、私は昨年三月議会でも取り上げ、また、情報公開審査会に不服申し立ても行ってきました。その結果、同審査会は「公正で開かれた市政の発展に寄与するため今後は経営会議の正規の議事録を作成し、保管するよう改善されたく付言する。」
との結論を下しました。
が、市側はこの付言に従わず、正式な議事録ではなく、議事要旨というものしか作成して来ていませんでしたので、予算審査委員会で26年度は正式な議事録を作成すべきだと質疑しましたが、議事要旨で良いのだとの答弁でした。

議事録は、市民が市政に参加する時に不可欠なものです。結論だけを知るのではなく、結論に至るプロセスも市民は知る権利があります。場合によっては、意思決定過程から市民参加がある時代です。

残念なことに、市側には正式な議事録作成意思はないわけで、それで年間1000億円を超える市税を今後も動かして行こうとしているのですが、これは市民不在の市政運営です。議会としてこのような姿勢を放置するわけにはいきません。

2、予算の提示が甘すぎる
26年度は79億円も財政調整基金を使う計画です。
それでは、同基金の今後の残高の推移はどうなるのでしょうか。
第二期基本計画では、基本計画期間内(25年度~29年度)で、決算ベースで74億円の取り崩しを見込んでいるとのことですが、今回の予算が通れば、26年度は予算ベースで79億円の取り崩しになります。もし74億円の取り崩しであれば、29年度末の同基金残高は127億円が見込まれていました。
これが、26年度において79億円の取り崩しになると、一体いくらの基金残高になるのか、市民としては大変心配になる所です。
そこで委員会で質疑しましたが、その数字は示されませんでした。つまり計算していなかったわけです。
基本計画で示した127億円は、「平成30年度以降の次の10年間の計画事業費財源の一部として、また健全な行財政を維持して行くための財源の一部として確保するものです。」と示されているように、将来の健全な市運営に必要なものであるはずです。それが、大幅に修正せざるを得ない今回の基金取り崩しです。79億円の取り崩しによる基金残高の数字を示して、かなり詳細な説明が委員会で聞けると期待していたのですが、全く数字を示した説明はなされませんでした。

説明できない予算編成を議会は承認してはいけないと考えます。

3、少子化基金30億円について
これもまたその内容は、委員会では明らかになりませんでした。
少子化対策そのものに異を唱えるつもりは毛頭ありませんが、30億円の中身を説明できない基金などありえない話です。
初めに30億円ありきで、少子化対策をするのでしょうか。30億円の基金で一体何をするのでしょうか。予算が可決されてから中身を考えるなんてことはないと思いますが、委員会の場では中身が明らかになりませんでした。
議会に予算を提案する場合、数字、そしてその数字を裏付ける事業内容が示されるのがこれまでのやり方であったはずです。30億円の中身の説明がないものは、30億円が適切なのかどうかを審査することなどできるはずがありません。(議会に白地手形を出してくれと言っているようなものです。)
議会を通せると市側は考えているのでしょうが、こんな不十分なものを議会に提案すること自体が議会軽視・議会無視といるのではないでしょうか。

4、土地取得売買
新浦安駅前入船の約2000㎡の土地売却と、東西線駅前猫実4丁目約840㎡の土地取得が予定されています。
入船の土地は鑑定価格が㎡単価33.3万円。猫実は65.9万円です。この価格を聞くと誰でも一様に驚きの声をあげます。
夫々の相続路線価格は、入船が34万円、猫実が41万円です。これからすると、入船の土地は路線価格よりも鑑定価格が0.97倍と安い結果になっています。一方、猫実の土地は、1.62倍の値がついています。こんな現象がなぜ起きたのでしょうか。
この土地売買事業ですが、22年にも今回とは異なる不動産鑑定士の基に鑑定が行われていました。
その時の入船鑑定価格は65万円/㎡でした。相続路線価格は37万円でしたので、鑑定価格は1.75倍となっていました。
一方、猫実は鑑定価格71.25万円、路線価格は45万円でしたから、鑑定価格は1.58倍となっていたわけです。
市民感覚からすると22年の結果の方が余程納得いくものでした。
しかし、この時は話が成立せず、今回の提案になったのですが、結果的に市はかなり安い形で入船の土地を手放すことになります。
この鑑定結果を市側はすんなりと受け入れたようですが、ここでも市民感覚とかけ離れた市政運営がみられます。
東西線駅前開発に必要な土地とのことですが、ダイエーには市有地1,600坪分を貸与してしまいました。
この事は、東西線駅間開発が大幅に遅れると誰でもが思ったのですが、それを打ち消すかの如くに突然に猫実の土地の購入となりました。しかし、この土地購入は、どうみても市にとって不利なものと考えざるを得ません。
22年に行った鑑定価格は、確かにこの間3.11があり、状況が一変していますが、入船界隈の路線価価格はそれほどまで落ち込みはありません。落ち込んだとしても、路線価格を下回る不動産鑑定価格は常識ではあり得ない話です。とても、公正妥当な価格とは言えません。

5、エアコン設置事業
今回沢山の新事業が提案されてきました。
その中で見過ごすことが出来ない事業に、市内小中学校屋内体育館に設置予定のエアコンです。
これも委員会審査で明らかになったのですが、市内27校全校に13年間のリースで行われます。年間リース料は13年間で30億近いものにまります。使用する電気代金は、400万円/1校とのことですから、27校で年間1億円を超えます。

3年前の福島原子力発電所の事故を機に、日本全体でそれまでの生活様式の見直しを迫られたはずです。暑いからすぐエアコンではなく、生活様式を工夫することで暑さをしのぐライススタイルの選択する必要性を学んだのではなかったでしょうか。
この事業は明らかに時代に逆行しています。県内印西市議会は、教室へのエアコン設置に修正動議をかけ、成立しています。もしここで浦安市議会がこの事業を容認してしまったら、市民から批判を浴びるでしょう。
また学校現場では節電や環境問題を子供たちに教える場でもあります。その教育現場で時代に逆行することをしてしまうと子供たちの教師への信頼は失われてしまうでしょう。

6、無償貸出消火器事業について
予算が通れば、昭和47年度以来市が行ってきた消火器無償貸出制度事業が26年度からは見直されることになります。26年4月1日以降の市内への転入者所帯に1回のみ消火器の配布を行うという事業になります。
しかし、大地震が起きた時、特に元町地域は火災の発生が懸念される地域であり、市がこれまで行ってきた本事業を今後は増加が見込めないという理由で変更することは決して許されることではありません。
委員会質疑でも、家庭に備えられた消火器で火災が未然に防げた報告はなされているわけで、無償貸出消火器の役割は決して終わったと判断はできません。
この事業の変更に関して、議会承認がない時点で、自治会の回覧で市民にお知らせが流されてしましましたが、これも議会軽視・無視の事例です。

26年度予算を巡っては、これまでになく議会軽視・無視の姿勢が見れますが、これは長期政権の弊害から来るものなのでしょうか。市長には確かに専権事項がありますが、議会に対する説明責任、そして議会の同意を得なければいけない事項は、きちんと手続きを重んじて市政運営にあたることを強く要望して反対討論とします。

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