津波に傷めつけられた姉夫婦の庭のサクラ、まばらながら花を着けていた。
北部陸中海岸は南北に100Kmもの海岸段丘が連なる景勝の地。
その丘の部分では、桜も桃もコブシも何もかもが一斉に花を着け、今まさに春真っ盛り。
そこにある避難所に居る限り、眼下に津波被災地の悲惨な光景が広がっているとは思えない平和な佇まいなのである。
あれから55日が経過、津波跡のあの累々たる瓦礫の山は少なくなり、さら地が広がっていた。
つい2ヶ月前まで軒を連ねた集落の温かい暮らしがあったことを窺い知るのは、半分砂に埋もれて残っている家の基礎部分からだけ。
以前を知らない者には特別な感情は湧かないだろうが、私にはそれがかえって前回見た時よりも悲しい光景に映った。
危うく難を逃れた高台の家にもようやくライフラインが復旧、既に住人が戻って来ている。
災害給付など各種支援の概要が見えてきて、被災地は少しずつだが復興への道を歩みだした。
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