冷え込みは厳しいものの静穏の朝であった。
09:30、この日を逃してなるものかとヘラ道具を積み込んで家を出る。
しかしさすがは風の台地、南畑池は微妙に西風を受けてさざ波が立っている。
こんな日には、視力の衰えた年寄りには浮子の動きがまるで解らない。
こうなりゃ少し遠いけど幾らかでも風裏になりそうな廻戸沼へ行こう・・・。
オラはそのまま西和賀方面へとクルマを走らせたのであった。
山伏峠を越えるとそこは早くも雪国の様相。
勾配のある屋根からの落雪が、この地域特有の高床住宅の軒下に小山を造っている。
釣り場までクルマの乗り入れができるのかを心配しつつ向かったのだったが、10:30、誰もいない廻戸沼の水辺に無事到着。
見渡せば名だたる奥羽の山々の中腹からは、灰色の空と同化してすっぽり雲の中。
冷たく妖しげな風が水面に雨粒を蒔きながら、何度も通り過ぎてゆく。
東屋と愛車を盾にすると幾分は西風が避けられることから、オラは急いで釣り台を設置した。
足元の石組みの中から、幾つものチャンベが走った。
新ベラが入って魚影濃厚となったらしい廻戸沼。
充分な釣果が得られるか否かは、防寒着越しに感じられる寒さと、これからさらに強まりそうな風雨とを、何処まで我慢できるかにかかっている。
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