「三国志」、蜀の軍師、諸葛孔明が遺した唯一の書を「玄幕帖(げんばくじょう)」と言います(写真下)。ここには「玄幕大寂混合陰陽先生天地柔剛」の14文字が書かれています。孔明が生きた三国時代は漢字の書体が隷書から楷書へと変化していく時期でした。「玄幕帖」の書体は過渡期特有のもので、波打つリズムがありつつ、かっちりした楷書らしさも認められるそうです。真偽が確定しているわけではありませんが、仮に諸葛孔明の書だとすれば、正義派で剛直であった孔明の人柄がよくあらわれているそうです。また「玄幕帖」の書風は、かっちりしていて気骨がある一方、どこかに親しみやすさも感じさせるという人もいます。
因みに魏・呉・蜀の三国の書は、例外はあるものの、それぞれ特徴的で、魏が「どっしりと迫力みなぎる」のに対し、呉は「軽やかでのんびり」、蜀は数は少ないですが「まじめで骨っぽい」といった印象を受けると言われており、書風はそれぞれの国のあり方を映すといわれています。
因みに魏・呉・蜀の三国の書は、例外はあるものの、それぞれ特徴的で、魏が「どっしりと迫力みなぎる」のに対し、呉は「軽やかでのんびり」、蜀は数は少ないですが「まじめで骨っぽい」といった印象を受けると言われており、書風はそれぞれの国のあり方を映すといわれています。