日本人の長所の一つに「真面目な事」があります。古来より日本人には、一所を懸命に守り、こつこつと地道に働いてきた伝統があり、一生懸命に頑張る姿に共感を覚える方も多いと思います。しかし、この姿勢だけでは情勢激変の時や物事がうまく行かない時、また不遇な時など、想定外の局面に立つ場合において柔軟な対応ができない恐れがあります。中国、古代の書「荘子」には、「真面目」とは対極の思想があります。「荘子」は中国・戦国時代に荘周が書いたとされる1万字にもおよぶ思想書です。儒教に対抗する老荘の教え、道教を説いています。荘子は、「無為自然」、「自由」、「超然」などを、多くの寓話により説いています。第一は「とらわれるな」。混迷の時代に望まれるのは、のびのびとした思考、軽やかなフットワ-クです。第二は「逆らうな」ということ。第三は「発想の転換」です。ワンパタ-ンの発想では必ず行き詰ります。まず、世間の常識を疑ってかかること。
過去の話ですが、日本の旧制高校において、一高は「自治」、三高は「自由」、」四高は「超然」を標榜しましたが、「荘子」は日本にもいろいろな影響を与えました。ちなみに人生の上りには「論語」を、人生の下りには「荘子」を読めともいわれます。
守屋洋「荘子の人間学」プレジデント社
過去の話ですが、日本の旧制高校において、一高は「自治」、三高は「自由」、」四高は「超然」を標榜しましたが、「荘子」は日本にもいろいろな影響を与えました。ちなみに人生の上りには「論語」を、人生の下りには「荘子」を読めともいわれます。
守屋洋「荘子の人間学」プレジデント社