yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

府西ノ池 白居易

2018-03-02 06:56:26 | 文学
中唐の詩人、白居易の絶句を紹介します。これは、白氏文集(「はくしぶんしゅう」と読むのが正しいらしい)巻ニ十八にある詩です。

府西池

柳無気力条先動
池有波文氷尽開
今日不知誰計会
春風春水一時来

府西ノ池
柳気力無ク条先ズ動ク
池ニ波文有リテ氷尽ク開ク
今日知ラズ誰カ計会スルヲ
春風春水一時ニ来ル

「訳」

柳の木は力なさそうに垂れ、風により先ず枝がかすかに揺れ動く。
池の水面には風により波紋がたって、氷もすっかり溶けてしまった。
今日、立春であるが、いったい誰がこのように事を計画したのであろうか。
春の風、春の水がいちどきにやってきたことである。

府西の池は東京で言えば、井の頭公園辺りにたとえられるでしょうか。
日本にも、この漢詩と同じ季節を詠った「早春賦」、「春は名のみの風の寒さや・・・」という名曲があります。

  藤野岩友 「漢詩」旺文社
コメント
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