yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

負けっ振り

2012-02-25 06:50:30 | 将棋
野球や将棋などを戦う勝負師は負けっ振り、つまり負け方も重視します。野球の野村克也監督は、次のように言っています。「負けに不思議の負けはない。」負けたのには、そうなった理由があったはずだ、次回はそれを改善しよう、という意味でしょう。中畑清監督は「今回は負けたが、逆転を狙い続けた積極的なプレイが良かった。」次回につながる戦い方をしたと、プラス指向で反省していました。
負ける戦いにおいても勝負師は負け方にこだわるようです。8対4で負けそうな試合でも8対7にまで追いついて、相手が気を緩めた隙に逆転する、という負け方です。

将棋においても棋士は「形作り」という美的な終盤を目指します。たとえ負けても一手違いにまで追いつき、相手がミスをすれば逆転できる局面にまで持って行き、その後に負けを認めるという作法です。
また、負け方にも勝負師の個性と品格が現れるようです。
升田幸三元名人は、自分の読みに錯覚があれば潔く投了して、「錯覚いけない、よく見る
よろし」と言いながら上辺は平然としていました。
大山康晴元名人は、「助からないと思っても助かっている」と言いながら、最後まで粘り抜き、数々の逆転勝利を得ました。大山さんとの戦いには「終盤が二回ある」とまで言われました。
昨年のプロとアマが交流する将棋のイベントの際、プロ棋士は負けた時にどのようにするか、というインタビューをしたそうです。
谷川元名人は、「すごすご帰って、負けたのは何かの間違いだと信じ込む。」
三浦八段は「以前は徹夜で敗戦譜を並べたが身が持たなくなったので、いまはすぐ寝る。」
鈴木八段は「ヤケ酒が基本だが、時には自宅まで夜通しトボトボ歩く。」

人間ぽい答に、会場は暫しほのぼのとした笑い声に包まれたそうです。
コメント
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