NHKの日曜日の将棋講座を担当していた先崎学八段が、講義の合間に、将棋の元升田名人の思い出を語っていました。
若い時には雲の上の先生であった髭の升田さんのお宅にお邪魔して、囲碁を打ってもらったことがあります。升田先生は囲碁も強くアマ六段くらいの実力がありました。普通はこれ程強いと、私(先崎)のような囲碁の弱い者が相手では面白いはずが無いのですが、先生は何局でも打って下さいました。先生は現実的で、要するに勝てばご機嫌でした。ある時、私に次のようなことを言われました。「先崎君の碁は釘だな。」その心は「打てば打つほど下がって行く。」 これは升田さん独特のブラック・ユーモアでした。
将棋の棋士には囲碁も強い人が多くいます。故升田さん、故大山さん、引退された丸田さん、故真部さん。現役では河口さんなど多士済済。故芹沢八段や米長現将棋連盟会長も若い時に碁を好んだそうです。芹沢さんは、当時、米長さんより強かったので、例の毒舌で「米長よ、囲碁という遊びは智慧のあるほうが勝つのさ」と言ったそうです。米長さんはそれから発奮して大いに囲碁の勉強をしたのでしょう。しばらく経ち、米長さんは芹沢さんに時々勝つようになったということです。この頃になると、さすがの芹沢さんも「智慧があるほうが勝つのさ」という発言は止めたそうです。今頃は泉下で苦笑していることでしょう。
若い時には雲の上の先生であった髭の升田さんのお宅にお邪魔して、囲碁を打ってもらったことがあります。升田先生は囲碁も強くアマ六段くらいの実力がありました。普通はこれ程強いと、私(先崎)のような囲碁の弱い者が相手では面白いはずが無いのですが、先生は何局でも打って下さいました。先生は現実的で、要するに勝てばご機嫌でした。ある時、私に次のようなことを言われました。「先崎君の碁は釘だな。」その心は「打てば打つほど下がって行く。」 これは升田さん独特のブラック・ユーモアでした。
将棋の棋士には囲碁も強い人が多くいます。故升田さん、故大山さん、引退された丸田さん、故真部さん。現役では河口さんなど多士済済。故芹沢八段や米長現将棋連盟会長も若い時に碁を好んだそうです。芹沢さんは、当時、米長さんより強かったので、例の毒舌で「米長よ、囲碁という遊びは智慧のあるほうが勝つのさ」と言ったそうです。米長さんはそれから発奮して大いに囲碁の勉強をしたのでしょう。しばらく経ち、米長さんは芹沢さんに時々勝つようになったということです。この頃になると、さすがの芹沢さんも「智慧があるほうが勝つのさ」という発言は止めたそうです。今頃は泉下で苦笑していることでしょう。