山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

高齢者講習会

2010-11-20 05:20:17 | 宵宵妄話

 

 間もなく12月。運転免許証の更新リミットが近づきました。私の誕生日は12月の中旬なのですが、免許証を見ると来年の1月15日まで有効と書かれています。更新のために動くまでにはまだ時間があると思っていたのですが、今回からは70歳以上の対象者には、事前に高齢者講習なるものを受講することが更新の条件として決められたとかで、通知の葉書が来ていました。面倒くさいなと思いつつも、最近のニュースの中では高齢者が予想を超える事故などを起こしているのを聞き、まあやむを得ないのだろうと思ってはいました。いずれ講習を受けなければならないなとは思いつつも、旅に出かけたりしている内に教習所に連絡するのが遅れてしまって今日に至ってしまったのでした。

今日になって、ようやく近くの教習所に講習会の受講を申し込もうと電話で連絡をしたのですが、イヤア、驚きました。最初に直ぐ近くにある市内の教習所に電話をしたのですが、至近の講習受講可能日程を教えて欲しいと話したところ、受付の若い女性の返答は、4月というのです。思わず来年の4月ですか?と訊きましたら、そうです、それまでは予約は満杯となっています、というのです。こりゃあ、余計なことを言っても無駄だと思い、はあそうですか、と電話を切りました。

ま、少し遠くても良いからと考え、次に隣の市にある教習所へ同じ様な問い合わせをしたところ、何とその返事は前と殆ど変わらず、3月まで満杯ですという、自信に溢れたオッサンの返事でした。こりゃあもうどうしようもないなと思いました。恐らく近隣の教習所に連絡したところで、どこも12月の中旬までに受講が可能となるところなどないはずに違いありません。このままでは座して免許証の期限切れを待つばかりです。知らない間に勝手に更新の条件を変更し、しかも受講のための高額料金を強いるとはとんでもないことだと、何だか無性に腹が立ってきました。このまま車の運転免許証が失効すれば、私の生き甲斐ともいえるくるま旅をすることが出来なくなります。このようなご都合主義的な悪政は許すわけにはゆかないという気持ちが、ムカムカと湧いてきたのでした。

しかしまあ、どこの誰に文句を言って良いのか判りません。連絡の葉書を見ると、不明点についての問い合わせは県の運転免許センターの所定の係りへとありましたので、直ぐに電話をした次第です。事情を話し、このままでは免許の更新ができなくなり困ってしまう、どうすれば良いのか教えて欲しいという旨の話をしました。もし、ルールなのだから自分で何とかしろなどといったら、免許センターに直接出向いてその理不尽さについて話をつけようと思っていました。そこで埒が明かないときには、公安委員会へ出向いて申し立てようなどと、まあ腹立ちというものは、とんでもない無謀な理屈をけしかけるものです。

しかし、担当の方の返答は実に丁寧で、納得のゆくものでした。近隣で空いている所を探すので、しばらく待って欲しいというものでした。電話を切り10分も経たない内に連絡があり、その内容は12月9日に近くの別の教習所で空きがあったので、そこに電話をして欲しいというものでした。すぐに連絡をして確認をし、無事なる受講の確認を得たのでした。ヤレヤレです。

一時の腹立ちはどこへ行ったのやら、ことなきを得て雲散霧消し、逆に感謝と反省の気持ちとなったのですから、これは真に不思議な心の変化なのでした。ご都合主義でいい加減なのは自分の方だったということに、改めて気づいたのでした。案内書をよく読むと、「予約が混雑する場合があります。早めの予約をお願いします。」と赤い色の印が押されていました。更新日までには随分と前に葉書が届いていたので、却ってまだ大丈夫だと考え、直ぐには予約の連絡をしなかったのが、そもそもの間違いだったようです。まさか来年の4月まで予約が一杯になっているなんて、普段の教習所の閑散とした様子からは予想もつかないことだったのです。ものごとは、それが必要・大事と思う時には、直ぐに実行するというのが自分の信念なのですが、今回は迂闊(うかつ)といえば迂闊ということだったと思います。

それにしても70歳になったら誰でも一律に講習を受けるという制度は、本当に有効なのでしょうか。講習を受け終わった方から聞いた話では、コース内での車を用いての運転診断で相当に酷い下手な運転をしている人が居るそうです。しかし、そんな人も免許の更新には何の差支えも無いということでした。とすれば、そのような人にとっては、5,800円也を払ったちょっぴり脅しの入ったゲームを経験させられる程度のもので、下手な運転技術やルール違反が本当に改まるのかどうか疑問です。そもそも何故この講習を受けなければならないのかということについては、案内葉書のどこにも書かれてはおらず、ただ義務があるとだけでした。法制化されるまでにどこでどのような議論があったのか全く知らず、本当にこのような方法がリーズナブルなのか少し疑問を感じます。

運転免許の更新は、5年毎ですから、70歳の人は次は75歳、その次は80歳となります。老化には個人差が大きく、それを見極めるのは至難のことです。5年毎に一応のチェックをしてはどうかということでこの制度が取り入れられたのだとは思いますが、もし高齢者の運転事故防止のために本当に役立つものにしようとするなら、もっと厳しい内容とする必要があるように思います。例えば教員に対しては資格認定の再試験のようなものがあるようですが、車の運転に対しても単に講習を受けるだけで、診断結果がどんなに酷いものであっても更新はOKというのは、形式的過ぎて実効にはさほど貢献しないように思うからです。

ま、しかし世の中の大半の人からは、そのような面倒で悩ましい制度にしたなら、事故は減っても経済活動の面で大きな支障が出てくるとの批判を受けるに違いありません。世の中には70歳を過ぎても車を活用しての様々な仕事に係わっている人が大勢居り、5年毎とはいえ何度も試験のようなことをやらされてはたまったものではないという言い分です。事故を減らすことにこだわれば強硬論となり、経済活動の面からは現在のような仕組みでも一歩前進なのだという言い分になるわけです。どちらが正論なのか判りませんが、全てのものが部分と全体との関係において成り立っているように、世の中の考え方も常に総論と各論との関係を見てゆかなければならず、難しいものだなと思います。

それにしても、私と同じ様な迂闊者は、もしかしたらまだまだ全国に点在して居られるのではないかと思います。もし気づかれましたら、大急ぎで講習会受講の手続きをとられることをお勧めいたします。とにかく、何と言っても、運転をする者にとってこの受講は、法で定められた更新のための義務なのですから。

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