山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

車好き

2007-10-24 09:39:03 | 宵宵妄話

くるま旅を本格化するようになって、ふと気づいたのだが、私の周りには車好きの人が多いようだ。知り合いの中で最高齢のFさんは今でも日に500km近くも走ったりする人だし、その他Wさんは遠距離フェリーなどを利用することなく、四国は松山から列島を北上して北海道までを往復されているなど、驚異的な方を始め、ソーラーを初め諸装備をすべて自身で取り付けられて、プロ顔負けの技術・技能を発揮されているTさんなど、大勢の車好きの方がおられる。

車好きには2種類あるようだ。その1は、車そのもの即ちハードに関する部分に興味があり、修理はもとより改造までも手がけて自分の車に満足するまで諸機能を追及するタイプ。その2は、車の運転が好きで、とにかく車に乗って運転さえしていればそれだけで幸福感を味わえるというタイプである。勿論本当の車好きというのはこの両方を兼ね備えた人であることは言うまでもない。

私といえば、元々はアンチ車派だった。騒音と排気ガスを撒き散らし、傍若無人に道路を専横する車を憎しみの目で見ていたのである。せいぜい50㏄未満のバイクくらいまでは許すとしても、それ以外のエンジン付の車には友好感を抱かなかったのである。もっぱら自転車を愛好し、自転車の邪魔になる車などは忌避すべき存在でしかなかった。かなりの曲がった、嗤うべき根性を持っていたのだった。それは今でもかなり残っているのかもしれない。

そのような自分が運転免許を取る気になったのは、結婚して長男が生まれたからである。もともと動き回ることが好きで、家の中でじっとしていることができない性格なのだ。子供も家に閉じ込めていないで、外に出て広い世界を見せてやりたいなどと、赤ん坊の時から連れ出す算段ばかりしていたのである。そうすると、自転車の範囲では限界がある。やっぱり車がないとダメだなと思い、やむなく近くの教習場へ通い免許を取得したのだった。

往時はモータリゼーションなどという言葉がまだ生きていた時代で、車社会の到来は間近に迫っていたものの、購入した中古車の性能は劣悪で、乗れば必ず故障をするといった有様だった。それでもめげずに車に子供を乗せて動き回っていたのだった。やがて何とか新車を手に入れた頃から、車に対する認識は少しずつ変わり始め、今日に至っている。しかし、アンチ車派から出発した原点は100%の転向を実現しているわけではない。私が車を好きなのは、移動手段として不可欠という認識の下に、運転することに関してだけのように思う。前述の第2のタイプに当てはまると思っている。しかし運転さえしていれば幸せということではない。何処かへ行くという目的や目標がないと車に乗る気も運転する気も起こらないのである。そして目的や目標が決まれば、運転に疲れを覚えることはあまりないという変なタイプなのだ。

くるま旅をしていると、メカや電気関係などハードの部分に強くないと困ることが結構多い。しかし私の場合はこれらに関してはまったくダメなのだ。知識も技能も殆ど無能に近い。この部分に関してははっきり言って好きではない。本当は嫌いだといった方が当たっているのかもしれないが、それを言っちゃっちゃあお終いよ、となるので控えているだけなのだ。それには深い理由があるのだが、それは話さない。

というわけで、私は真に危うい車好き、運転好きなのである。最近の車は、以前とは比べようがないほど性能が良くなっており、私のような者にとっては、大変ありがたいことだと感謝している。

くるま旅には車が必要不可欠の要件となるけど、車が先にあるのではなく旅が先にあると私は考えている。旅をしたいから車が必要なのであって、車があるから旅をしようというのではない。ま、このようなことにやたらにこだわる必要はなく、どちらが先でもいいではないかという考え方の方が適切なのかもしれない。

それにしても、もし長男が生まれなかったら、今でもアンチ車派は続いていたのかもしれない。さすれば、くるま旅などというものは思いつくはずもなく、理解の果てに在ったに違いない。同世代で運転免許を未だ取得されていない方を何人か知っているけど、彼らにはくるま旅くらしなどは到底理解できないだろう。周りの車好きの方たちとの出会いに感謝しながら、自分ももっと車好きにならなければいけないのかもしれないなと思ったのである。

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